コズミック焼きそばパンをこの手に！｜リアクション

コズミック焼きそばパンをこの手に！

　コズミック焼きそばパン！
　その名前を聞いて、１－１０には緊張が走った。

　志田朝陽は、自分の予想が的中していたことに快心の笑みを放つ。
　今朝購買部の前を通ったとき、鼻孔をくすぐる匂いがあった。
　香ばしく豊かな匂いは、朝陽の記憶を呼び覚ました。

（もしかして今日は、スゲー焼きそばパンの日か？）

　前回の焼きそばパン争奪戦。ファイナリストの一人であった彼。
　再戦である。
　準備に戻ろうとし、足を止める。
　一つの策に思い至り、彼は食堂に足を進めた……。

「コズミック焼きそばパン……新しいのが来たんだね」瞳に炎を燃やすのは藤堂月乃。
　前回、彼女はグループ組み、朝陽をファイナルに送り込むことに貢献した。
　今回、あくまで個人戦だ。
　
　スカートの下にはスパッツ。
　ポケットには小銭入れと、それから彼女の切り札、飴玉を数粒。
　今日のネタＴシャツは『とちおとめ』。ここぞという時に着用する勝負ネタＴ。
「よーし、がんばるぞー！」とちおとめさながら、真っ赤な闘志を心に燃やす。

「やきそばパン、またくるか！」１－１０グループの一人、超絶の体技で観客の度肝を抜いたシダ美穂戸は、右腕を振り上げた。「シダもいこう！　この前みたく！」

　つよいの、いるといいな！　シダは目キラキラと光らせる。