コズミック焼きそばパンをこの手に！｜リアクション

コズミック焼きそばパンをこの手に！

　１－１の教室では、御剣刀が精神を集中させていた。
　リベンジへの執念を燃やす。
　前回、勝利へもっとも近いところへたどり着いた彼、雪辱を果たさんと、士気旺盛である。
　ルートは確認した。他人のトラップの痕跡も除去した。
　自分の『速さ』を妨げるものはない。

　だが、その一方で、気になることもあった。
（コズミック焼きそばパン……？）

　刀はもともと素朴に、焼きそばパンという存在に疑問を持っていた。
「焼きそば」を「パン」に挟んだもの。
　炭水化物プラス炭水化物。

　考えてみれば異様な組み合わせである。
　関西圏ではお好み焼きでご飯を食べる。それだってカルチャーショックを与えるという。
　うどんでご飯を食べる奴。チャーハンをおかずにする奴。「ライスカレーとライス」という謎の注文をする奴。
　食の取り合わせは、時に不条理感をもたらす。

　結局のところ美味しけりゃいいじゃん、と刀はその疑問を打ち消していた。
　忘却の彼方に追いやっていた。
　だが……。

『コズミック焼きそばパン』

　異様な名前が、刀の記憶を揺り動かした。
　炭水化物と炭水化物と、宇宙。
　間隙に潜む謎とは何か。
　それを解き明かすためにも、何としてもゲットするんだ。

　刀の士気は高い。いよいよもって余人の立ち入りは許されぬムードになってきた。
　しかしそんなのお構いなしで、どこかに消えてしまった納十一の様なのもいるが……

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