コズミック焼きそばパンをこの手に！｜リアクション

コズミック焼きそばパンをこの手に！

　購買室に向かう、一本の廊下。
　全ての道が、そこに通じていた。
　彼方から、地鳴りのような音が轟いてくる。
　様々なルートをたどった先頭集団が、遂に決戦の地に辿り着く！
　先頭は刀。脇の職員室から飛び出してきた、信彦、朝陽、シダ、利平が合流。
　その後ろからすぐ、月乃、蛇那伊、真央、博美と続く。
　完全な団子状態。誰がトップでもおかしくない。

　その頃、渡り廊下。
　ひたすら飲んで騒ぎまくっていた朱蘭は、ふと気が付いた。

（そういえば、なにか忘れてるような……）

「そうだ、焼きそばパンだ！」
　立ち上がり、走り出す朱蘭。
　彼女に続く宴会軍団。
　この世のものとは思われぬ、ウルトラ酔っ払い軍団が、購買部目指して走り出した！

　幸運にも、階段は空いていた！
　幸運にも、廊下も空いていた！
　さまざまな人間を宴会に巻き込みつつ、朱蘭の宴会部隊は驀進する！
　幸運にも、幸運にも、誰一人けが人はいない！
　桜が舞い、薔薇が散る。
　彼らの足跡に、撫子が咲き乱れる。
　猫に組みつかれ、半死半生の勘三郎が吠える。「負けて、たまるカァー！」

　酒とバラの行進！

「ふにゃ……」
　背後から押し寄せてくる宴会の気配。
　その中枢、朱蘭が見ているのは自分だった。

（真央ちゃん！　宴会やろーぜ！）

　かねてより、宴会で杯を交わしたいと願っていた真央。
　その彼女が、目の前にいた。
　強烈な、ラッキーパワーを付与された酒の気配が、真央に絡みつく！

　天地が逆転し、統覚が喪失する。

　酩酊した真央は、そのままふらふらと、柱に激突しそうになり……。

（ここか！）

　それを見たのは博美。
　彼女は、無意識に『跳んだ』！