焼きそばパンＤＸをこの手に！｜リアクション

焼きそばパンＤＸをこの手に！

　校舎階段に、渡り廊下に生徒たちが押し寄せる！
　我先にと、他の生徒たちを押しのけて最前列に立とうとする。

　そんな彼らに、容赦なくトラップが襲い掛かる！

　紅白玉。フラフープ。平均台。マット。跳び箱。
　体育祭のために準備された遊具が、罠となって唸りを上げた！
「うわっ！」
　あせって前列に出ていた生徒は、罠の連鎖になぎ倒されていく。

（猫鳴館の仲間か……）

　奈良橋博美は阿鼻叫喚の様子を見ながら、順調に歩を進めていた。
　体育会系食欲魔神の博美、焼きそばパンＤＸは何としてもゲットしたいところだ。
　だが、彼女は冷静だった。事前のコース観察で、妨害の存在を予想していた。
　二番手、三番手くらいを行って、直前にスパートをかけるべきだ。

　はやる食欲を抑えつつ、冷静に状況を確認する彼女の傍らで、怪しげに呟く者がいた。

「くくく……無駄な努力をようするがいい……」

　悠然と歩を進める、屑利執。
　不敵なその笑みに隠された、禁断の秘策とは？