焼きそばパンＤＸをこの手に！｜リアクション

焼きそばパンＤＸをこの手に！

　……。

　…………。

「はい、買ってきましたよ、普通の焼きそばパン」
　沼田さんからパンを手渡され、執は石地蔵と化した。

　計画は完璧だった。
　執のろっこん『降臨の儀』。
　呼びかけに対し、本土に住む物静かな中年男性「沼田さん」を召喚する！
　沼田さんを、執はあまり知らないが、いい人っぽいということで、ここぞのわがままをよく聞いてもらっている。

「沼田さん！　今日、何としてでも欲しい焼きそばパンがあるんです！　先回りして買ってもらえませんか？」

　沼田さんが学校ＯＢと偽装し、校舎に入ることは可能。
　チャイムと同時に購買部に入り、皆が駆けつけるより早く購入することもできる。
　沼田さんならフライング可能！
　本来はそこまで強力なろっこんではないが、今日執はとりわけ幸運であった。理由は省略！
　当然もなかのろっこんも範囲外。水も漏らさぬ、完璧な作戦。

「あ……あの、ＤＸというのはありませんでしたか……」
「あ、あっちですか？　いやあ、焼きそばパンって頼まれていたもんだから」申し訳なさそうに頭を下げる沼田さん。「ＤＸっていうの、あれ、おいしいですねー」
「……」
「まあ、この年になったら、脂っこいのはつらいんで、半分ネコにあげちゃいましたけどね」
「……」
「どうなさいました？」

　執は、ぎぎぎっと顔を上げた。
　哀しみ、驚愕。あらゆる表情を押しつぶして、彼は死にもの狂いで笑顔を作っていた。
　血の涙が、両の目から迸った。

「沼田さんが……満足なら……本望です……」

　秋の青嵐のような、焼きそばパン騒動。
　残ったのは、いくつかの新しい絆と、

　それから寝子島高校の一部『策士』と呼ばれる男子への、
「普通の焼きそばパン大好き」
　という謎の評判であった。

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あとがき

担当マスター：ぱーすぺ
ファンレターはマスターページから！

ありがとうございました！

判定に関しては、こちらからある程度アクションを想定させていただき、素の強さに加えて、どれだけ意表を突くアクションをしていただいたかという点で判定させていただいています。

初めてお預かりさせていただくキャラクター様も多かったので、セリフのやり取りなどは抑え気味です。セリフ量が描写量に見えますので、プレイングスタイルによっては活躍に濃淡があるように見えてしまいます。
セリフはなくてもプレイングの良かったものは描写に力を入れました。ご了承ください。

あんまり、グイグイアドリブ入れられるタイプのマスターではないので……。

あと、行間が妙に開いているところは『カットイン』です（笑）。
かっこいいキャラクターの表情を思い浮かべ、お読みください。

またぜひ、熱いアクションをお願いいたします。

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