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【ホームルーム】委員決定っ! 芸術科篇
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その時だった。
突然の校内放送に、6組の生徒達も若干浮き足立ったような反応を見せる。
けれどやっぱり津止先生は特に反応を示す事なく、その視線は次第にアリーセの方に流れてきていた。
(駄目よ、私、人前で喋るの苦手だもの。
先生に指名されて委員になんかなったら、きっと恥ずかしくて死んでしまうわ。
駄目、目立っちゃ駄目)
密かに汗しながら、アリーセはさりげなく視線を逸らした。
彼女の周りでも、先生の視線に気付いたらしいクラスメイトたちが身を硬くしたり、目を泳がせている。
そ……そう
私は花
道端に咲いている誰も気に留めないような、小さな花
小さいけど頑張って咲いて
ホラ、蜂さんが気付いてくれた
私の蜜を吸って、元気に飛び回ってね~……
アリーセの心象風景の中で、どんどんやって来た蜂がぶんぶんと周りを飛び回り出して、彼女は愕然と目を見開いた。
(駄目よっ! 気付かれちゃ駄目なの!)
今までの想像を振り切って、彼女は再び空気と同化せんと瞑想する。
そ……そう
私は草
野原にたくさん生えている草
そんな中の1本
これだけ囲まれていれば、誰も気に留めない
そう、隣の草を齧っているバッタさんだってきっと……
きっと……
しかし、バッタさんはアリーセに向かって来て、前足で葉っぱを捕らえる。
バッタさんの顔が超アップになって、大きな顎がモシャモシャと……。
(キャー!)
想像のままに顎をしゃくれさせたアリーセは、顎はそのままに少女マンガでショックを受けた登場人物のような表情になった。
(駄目よ……捕食者は容赦なんてしてくれない……)
心の中でよろめきながら、彼女はまた別のものに思いを馳せる。
そ……そう
なら、私は石
道の真ん中で、只ジッと……
たまに小学生に蹴られたりもするけど、二~三回蹴れば存在を忘れられる
そう、私は石
なりきるのよ……
歯を食いしばって青筋を立て、ぷるぷるしているアリーセを、海はちょっと心配そうに眺めている。
「……」
そして教室の外でも、黒髪の美少女がホームルーム中に百面相をしているという謎の場面を目撃して肩を震わせている人物がいた。
(こ、これは……足腰だけじゃなくて、腹筋も鍛えろって事なのかな?)
寝太郎は壁上部の窓に頭を出さないように中腰のまま、お腹を押さえていた。
「芸術科って面白いなぁ」
素直な感想を、小声で呟く。
意外なトラップに引っ掛かってしまった気がするけれど、ここを通過すればもう普通科の領域だ。
しかし、6組は他のクラスに比べて大分進行が遅れているようだ。
果たして4組のホームルームが終わる前に、辿り着く事が出来るだろうか?
ひとしきり笑いからくる震えが過ぎ去ってから、寝太郎はそろりそろりと先を目指して歩を進めた。
(え……っと)
海は戸惑っていた。
さっきから、津止先生にじっと見られているのだ。
他のクラスメイトたちはなんとか目を合わせまいと逃げまくっていたのだけれど、海がちょっと視線を交わしてしまったかも知れない。
「小山内……だったな。先生、彼女を指名されるんですか?」
話が進まないので誉が声を掛けると、津止先生は視線で返してくる。
それを受けて、まひるが尋ねた。
「……という事だが、海自身はどうだ?」
不安げな表情で立ち上がった海は、少し悩むように周囲に目を配った。
他にやってくれそうな人はいないようだし、興味がない訳でもなかったし。
海は小さな決意を胸に、スケッチブックとペンを取った。
『できるだけめいわくかけないように、がんばります』
「良かった……よろしくお願いするであります、小山内さん!」
不安げな海の様子に釣られてちょっとだけ涙目になっていた杏子も、嬉しそうに海を迎えた。
もう一度教室に拍手が響く。
やっと変顔……ではなく、空気の振りをする事から解放されて、アリーセはほっと胸を撫で下ろした。
ずっと参考書を読んでいて目を合わせようとしなかった鏡花も、指名を回避出来た事に小さく息をつき、大人しそうな海をチラと見遣る。
(教室が騒がしくなった時に、上手く収めたりは出来ないかも知れないけど……なってくれる人がいて助かったわ。私は興味がなかったし)
鏡花にとっては、何よりも読書と勉強に適した静かな環境を確保する事が優先されるのだった。
学級委員が決まってしまうと、他の委員の選定は滞りなく進んだ。
津止先生は岩のように固まったままだけれど、その分学級委員となった4人が自発的に進行を買って出てくれたお陰だった。
図書委員の立候補を募る段になると、鏡花はそれまでかじり付いていた参考書を閉じ、すっと手を挙げた。
他の希望者と共に、前に出る。
「次の人、お願いします」
促す声に一歩出た、眼鏡を掛けた優等生然とした華奢な少女に、クラスメイトたちは注目した。
「本が好きだからです……他に何か必要ですか?」
それまで目立たずにいた鏡花は、多くの視線を感じながらも、その冷ややかとも取れる表情をあまり変えずに淡々と答えた。
次々と決まっていく委員たちに激励を送りながら、聖は希望する委員の募集が掛かるのを待っていた。
聖は小さい頃は病気がちで、毎日元気に学校へ通う事もままならなかった。
かつての自分を助けてくれた人たちのように、怪我や病気などで苦しんでいる人々の手助けが出来ればと思っていたのだ。
そうは思っても、神社の娘として生まれた彼女は学校の勉強以外にも学ばなければいけない事も多く、思いのままに行動する事は難しいと思っている。
(それでも、この気持ちは神職としてもとても大切だと思うんです)
自分が納得するまでやってみよう。
「御鏡聖です」
柔和な物腰で自己紹介した聖は、そんな自分の思いをクラスメイトたちに伝えていった。
「怪我をして辛い思いをしている人や、病気で苦しんでいる人を助けるお手伝いが出来たら、と思っています」
よろしくお願いしますと頭を下げる聖にも、拍手が降り注いだ。
全ての予定を経て、教壇に戻ってきた津止先生は再び沈黙の空間を生み出した。
彼がやっと口を開き掛けたその時だった。
普通科の方から、ドドドと何かが廊下を駆けてくる音が近付いてきた。
(ホームルームが終わったクラスが騒いでるのかしら。嫌だわ……)
再び参考書に集中していた鏡花の目つきが、若干険を帯びる。
「なんでしょう……?」
何か騒ぎでもあったのかと聖が廊下に面する窓を見遣ると、教室の前を走り抜けていく人物と、それを追い掛ける明らかに人じゃないものの姿が横切って行った。
(……馬?)
スケッチブックを抱えたまま、海が今見たものは本当かなと頭の中に疑問符を浮かべる。
「何か……よく分からないものが滑っていったような」
過ぎ去っていった不可解な光景に、思わず呟くアリーセの声に、ホームルーム終了のチャイムが重なった。
既にホームルーム自体は終わっていてチャイム待ちだったのか、隣のクラスの方からなんだなんだと廊下に顔を出した生徒たちの声が聞こえてくる。
津止先生はといえば、既に誰もいなくなった廊下の方をじっと眺めていた。
が、急にからくり人形のようにくりっと首を生徒たちの方に戻す。
「……解散だ」
「き、きりーつ!」
突然の宣言に、タイミングを測り違えた日直が慌てて号令を掛けた。
挨拶を済ませると、津止先生はすーっと廊下へ出て行ってしまう。
解放された生徒たちは、クラスメイトとの雑談や思い思いの事をし出したり、教室を出て行ったり。
そんな中、今までどっしり構えていたまひるは糸が切れたように屈み込んでしまった。
「ど、どうしたであります?」
心配げに歩み寄って様子を覗う杏子に、まひるはぷるぷるしながら呟いた。
「……緊張、した」
堂々としているように見えた彼女が、本当は結構気を張り詰めさせていたのだと知った杏子は、なんだかほっとした。
みんなの前で緊張していたのは、自分だけじゃなかったという親近感。
この顔触れと、この教室のみんなで。
上手くやっていけるか不安もあるけれど、それ以上の期待が胸を躍らせる。
新しい事が始まる、楽しい何かが待っている――そんな、予感。
暖かな春の日差しが見守る教室で、彼らは新たな一歩を踏み出した。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
羽月ゆきな
シナリオタイプ(らっポ)
イエローシナリオ(50)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
1000人
参加キャラクター数
26人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2012年11月23日
参加申し込みの期限
2012年11月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2012年11月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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