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アンノウンな人々の日常
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【第7話 鳥たちの憩い】
猫が苦手な勘三郎は、タルトが店を出て行くのを見て、緊張を解いた。
もっとも、緊張していても食欲の方は、ろっこんの発動のせいもあって少しも衰えておらず――注文したチャーハンを、ちょうど食べ終えたところだった。
彼は、体をほぐすように大きく羽根を広げて身をゆすると、同じくカウンターの上にいる時子の方へとちょっと気取った足取りで、近づいて行く。
時子の方はといえば、新来の客たちにおしぼりを出したりしたあと、ゆっくり毛づくろいをして、それから改めて注文したぬるいコーヒーを飲みながら、一人ゆったりとくつろいでいた。
店内は、客と従業員の奇妙な姿を覗けば、全体におちつける雰囲気だ。
やわらかな色合いの壁紙に、渋い赤のじゅうたんが敷かれた床。並べられたテーブルや椅子はシックで上品な作りで、白いカウンターの隅にはバラとかすみ草の活けられた白い花瓶が置かれている。小さな音量で低く流れる音楽も、悪くない。
「カー」(よう。さっきは失礼したな)
勘三郎が、時子に声をかける。
「カー、カー」(俺は、
山田 勘三郎
。この店には、ちょくちょく顔を出してるぜ)
「ピィ……」(常連さんなんですね……)
「カー」(まあな)
勘三郎は気取って小さく羽根を広げてみせ、続けた。
「カー、カー」(わからないことは、なんでも聞いてくれていいぜ)
「ピィ……」(ありがとうございます……)
うなずいて、時子はコーヒーのカップにくちばしを差し入れる。
そんな彼女の前に立ち、勘三郎は何かを待つようにそちらを見ている。それに気づいて、時子は首をかしげた。
(コーヒーが、ほしいのでしょうか……)
ふと思ったが、それならマスターに注文すればいいだけのことだ。
考えたがわからなかったので、訊いた。
「ピィ……」(あの……何か他にご用でしょうか……)
「……」
勘三郎は、軽くクチバシをパクパクさせた。
彼としては、「わからないことはなんでも聞いてくれ」→「お勧めの食べ物とかありますか」→「それなら~」と自分がいろいろ教えて「この店のことに詳しいんですね」と感激され、時子から感謝と尊敬のまなざしで見つめられる自分というのを想像していたのだった。
(ここって、動物の鳴き声しか出せなくても、それなりに意志の疎通が可能じゃねえのか?)
自分の意図がまったく伝わっていないと知って、勘三郎は首をひねる。
一方、時子の方は、彼が何を驚いているのかが、さっぱりわからない。
「ピィ……」(あの……)
再度、何か声をかけようとした。
途端、勘三郎のお腹が、ググ~キュルキュル~と音を鳴らした。
(うわ、やべえ!)
彼は慌てた。さっき食べたばかりだというのに、急激に空腹が襲って来たのだ。これは、人間に戻る兆しでもある。
「カー、カー」(残念だが、時間が来たようだ。じゃあな、また来るぜ)
言うなり彼は、ふわりと舞い上がった。そのまま店を去って行こうとしたが――。
凄まじい音と共に、カラスは入口の扉に激突した。
「カ~!」
情けない声を上げ、そのまま床へと落ちて行く。
「……っと。大丈夫かなぁ?」
その勘三郎をとっさに走って行って、途中で受け止めたのは、ずっと大人しく食事していた瑠樹だった。
「間一髪でしたね。大丈夫ですか? お客様」
駆けつけて来たカニマスターも尋ねる。
他の客たちも、何事だとばかりに、入口へと集まって来た。
そんな中、一瞬目を回していた勘三郎が、意識を取り戻して身を起こす。
「カ、カー……」(助かったぜ。ありがとうよ)
幾分弱々しく声を上げ、小さく頭をふって、羽根を広げた。どうやら、どこも怪我はないようだ。
「カラスは自力じゃ扉を開けられないんだから、気をつけないとダメじゃん」
バラが宙に浮かんでいるあたりから声がして、入口の扉が開いた。朧が、勘三郎のために扉を開けてやったのだ。
「カー」(すまねぇ)
礼を言うと、勘三郎は大きく翼をはばたかせた。
今度こそ、風に乗って店の外へと飛び出して行く。
それを見やって、時子は自分もそろそろ帰ろうと考えた。
「ピィピィ……」(店長さん、マッチを一ついただきますね……)
マスターに声をかけ、テーブルに置かれたマッチを一つ口にくわえると、彼女も翼を広げる。
舞い上がり、軽く翼をふって店内の人々に挨拶を送ると、彼女はそのまま開いた扉から外へと飛び出して行った。
店の外に出て、しばらく飛んでいると、隣に並ぶ鳥がいる。ふり返り、時子は目を見張った。
それは、店に来る前、一緒にいたヒヨドリだ。
しばし二羽は並んで飛んでいたが、ちょうど目についた木の枝に並んで止まる。時子は、二又になった枝の上にマッチを置いて、自分が今までいた場所のことを、ヒヨドリに話し始めた。
(次は、ヒヨドリさんも一緒に行きたいですね……)
などと胸に呟きながら。
一方、『アンノウン』の方では。
「ごちそうさまでした。……オレ、帰るねぇ」
勘三郎と時子を見送ったあと、残っていたミルクを飲み干して、瑠樹は立ち上がった。
ずっと大人しく飲食することに専念していたが、ゆるキャラも動物も好きな彼にとっては、ただ見ているだけでも充分に楽しい時間だった。
(サンマさんとマグロさんが一緒にいるのも見られたし、猫とか鳥とか、可愛かったなあ……)
代金を払って入口へ向かいながら、そんなことを思って溜息をつく。
その彼に、マグロが声をかけた。
「少年、俺様もそろそろ帰ろうと思ってたんだ。途中まで送るぜ」
「わあ、ありがとう。マグロさん」
瑠樹は思わず笑顔になって礼を言う。
それへうなずきかけ、マグロはまだカウンターで食べているサンマさんをふり返り、指をつきつけた。
「いいか。そいつは最後までしっかり味わって食えよ! 俺様が帰ったからって、残したりするんじゃねえぞ!」
それだけ言うと、瑠樹を促す。
マスターの「ありがとうございました」の声に送られて、二人は店をあとにしたのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
織人文
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
15人
参加キャラクター数
8人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年03月13日
参加申し込みの期限
2015年03月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年03月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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