希望戦士ニャンダム・レクイエム｜リアクション

希望戦士ニャンダム・レクイエム

●宇宙要塞ジーマ・ネコ宙域　地球共和国軍　ツクヨミ艦隊

「ニャンダム量産型部隊から入電、要塞内部で敵の猛烈な攻撃に晒されています」

「本艦護衛のスペースサンマー部隊全滅。帰投者ありません！」　

「本艦右舷被弾。砲塔二門大破。制圧力低下します」

　ツクヨミ艦隊はなんとかジーマ・コネ要塞の入口に展開するも。公国軍の必死の抵抗に苦戦していた。
　ツクヨミ自身の乗る旗艦も辺り一帯に被弾を受け、落されるのも時間の問題の様に思えた。

「ニャンダム部隊に撤退を指示。本艦は隊の脱出までこの地点を確保。敵を迎撃する」

　ツクヨミの下した命令に乗員たちは静かに笑みを漏らす。現状を考えれば、もう旗艦だけでも脱出をするべきだ。
　それをしないという事は――そう言う事だ。

　死に物狂いで向かって来る公国軍に、こちらも最後とばかりに雨あられと砲弾を浴びせる。
　もはやどちらも捨て身の攻撃だ。
　満身創痍になった船のあちこちから火の手が上がり、小爆発が起こる。
　見れば向こうから、火を吹きながらも敵の艦が捨て身の体当たりを敢行して来るのが見えた。

「ふふ……次の私はうまくやってくれるだろう。はっはっは……」

　炎に包まれる艦橋で血を流しながらも、ツクヨミは最後まで高笑いを止めなかった――