寝子島少年探偵にゃん！｜リアクション

寝子島少年探偵にゃん！

「あのね、わたし、もうちっちゃくなってはけなくて、捨てる靴もってきたの！」
　由貴と合流した海美は、愛らしい靴を由貴に見せる。
　小さい海美の足を、さらにもう一回り小さくした靴だった。
「でかした、これを使えば猫どもをおびき出せるんだぜっ」
　ぐぐっとこぶしを握り締める由貴。
「んとね、すごいの！　この靴ね、毛糸をくっつけたの」
　一生懸命由貴に説明する海美。
　その小さな手から由貴が靴を受け取ると、するすると、海美の持つ毛糸玉から毛糸が伸びた。
　この靴を猫が奪っていけば、たとえ逃げられても毛糸をたどって追いかけることが出来るのだ。
「すごいなこれ。海美が考えたのか？」
「うんっ！」
「天才だなっ」
　なでなでなで。
　海美を撫でる由貴。
　撫でられて嬉しそうな海美。
　ほのぼのフィールドが発生していた。

「さいきん、くつをもってっちゃうネコさんしらないですかー？」
　あさひはサンマさんにそう、尋ねてみる。
　サンマさんがなぜ町役場にいたのか。
　なぜ踊っているのか。
　そして空を見上げているのか。
　すべて謎だが、何か知っているのかも知れないし知らないかもしれないし。
「サンマさんは、ジケンについて何かしらないかなぁ？」
　再び尋ねてみても、サンマさんは踊っている。
（そうだ！）
　ふと思い立ち、あさひはサンマさんの隣に立って、聞いてみる。
「記念写真とってもいいかなぁ？」
　サンマさん、空からあさひに視線をうつしたような気がした。
（いいってことかな？）
　カメラを向けてみる。
　サンマさん、何気にポーズをとっている。
　パシャリとシャッターを切ると、サンマさんは再び踊りだした。
「サンマさん、ありがとー」
　あさひはお礼を言って、かっこいいサンマさんに手を振り立ち去った。
　