this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
装飾譚:腕時計「時間泥棒」
1
2
3
4
つぎへ >>
寝子島シーサイドタウンの北側にある「寝子島ティアラ」。テナントのひとつである「時間泥棒」は様々な種類・価格帯の腕時計を扱っているセレクトショップだ。コンクリート打ちっぱなしの内装は都会的で、若い男女を中心に今日もたくさんのお客でにぎわっている。
午前中――。
「この店もなかなかオシャレで気になってたんだよね!」
快活そうな小柄な少女・
桜庭 円
が弾んだ声で
笠原 ひびき
に声をかけた。円は以前、寝子島ティアラで靴を買ったことがある。その時に時間泥棒を気にしていたようだ。
「部長は懐中時計が欲しいんだっけ?」
「うん! お父さんとお母さんに日頃の感謝も込めてね。かっこいい時計が欲しいんだ」
円の両親は非常に仲が良いようで、よくペアのアイテムを使っているらしい。アンティークなデザインを好む両親のためにそれなりの予算も用意した。財布の中身を思い出しながら、円がグッと口元を引き締める。
「ガッツリ多くはないけど食事抜いたりで結構な額は出せる筈……!」
そんな友人を見て、ひびきは親孝行だと思った。なかなか自分ではこうはいかない。何か言おうと思ったが口の中で言葉が空回りする。
「……ペアものならあっちみたいだね」
なるべくさりげなく言った。
「懐中時計、かっこいいなー。ゴスロリにもあうかな? ボクの分も欲しいよー」
円がショーケースに手を当て、キラキラした瞳で懐中時計を見つめている……と、思ったら茶猫のキャラ物の時計も気に入ったようだ。どれにしよう。お金足りるかな。と、くるくる忙しそうに店内を回っていた。
部長は白黒のチェックの時計なんかも似合いそうだな……さて。
円の意識が自分に向いてないのを確認し、ひびきはそっと男性物の腕時計のコーナーに移動した。そう広くない店内だから円の姿はひびきの場所でもよく見える。
……このコーナーにいるのは、あたしなら男モノでも違和感ないだろうなって思ってるだけで、他に意味があるわけじゃない。
心の中で自分に小さな言い訳をする。ショーケースにうつる表情が少しすねていた。
「お父さんの時計かな?」
「わ……!」
急に円の声がしてひびきが数センチ浮いた。
「いや、別に。そんな」
「図星? 当たり?」
「うぅ」
なんでこう、見てないようで見ているのか。
ひびきは円の悪気のない笑顔を見ると、気まずさと照れが混じったような顔をした。
「この間、父さんが時計壊したの思い出して」
「そうなんだー。ひびきちゃんのお父さんはどんな人なの?」
「空手の練習の時は偉そうにしてる。……今回は母さんとの思い出の品だったらしくて、凹んでるみたいだけど」
ひびきの母は「いつか壊れるもんでしょ」と、淡泊な反応だったらしい。両親の温度差に複雑なひびきだ。
「ほー。じゃ、似たような時計探すのもいいかもね!」
「うん……って、いやいや!」
慌ててひびきが胸の前で手を振る。危ない、ナチュラルにマインドがコントロールされるところだった。
「えー、なんで? ひびきちゃんからもらったら、お父さん喜ぶよ!」
「あ、あたしが探しているのは自分向けなんだ。シンプルな時計ならつけやすいかなって。ほんとにそれだけ。どうせなら丈夫なほうがいいから見てただけ」
「じー」
「……」
ひびきが先に目を逸らした。
御剣 刀
が時間泥棒を訪れると知った顔が見えた。円とひびきだ。声をかけるとふたりが振り向く。なぜだろう、ひびきが助かった。と安堵していた。
「桜庭と笠原も買い物か?」
「うん。ボク、懐中時計買うんだ!」
「そうか。俺は腕時計を探しに来た。これと似たようなやつ」
ふたりに壊れた腕時計を見せる。シンプルな時計。
安物だったから壊れるのはしかたないが、今回は少し奮発して長く使えるものが欲しいとのこと。
壊れたと言えば……と円がひびきに体を向けると、「男物のコーナーはここだ!」とひびきが場所を譲ってくれた。
「……? ありがとう、笠原。笠原も腕時計か?」
「あたしは単純に部長に誘われてきただけ」
「ひびきちゃんは、大人っぽいのが似合いそう。綺麗な、ダイアル部分でシンプルなの!」
「ああ、確かに笠原はそんなイメージだな」
俺はどんなのにしようかな。と、刀はショーケースに視線を向ける。
「これでいいか」
「決めるの早!」
円の突込みが冴える。
「うわっ、なんかすごく……無難……」
続いて、刀の選んだ時計に感想を述べる。なんで人に無難って言われるとややダメみたいなニュアンスになるのだろう。難が無いはずなのに。
「いや無難と言われても……普段から使うんだし無難でいいだろう」
「実用性だけが全てじゃないよ! ロマン不足! んと、サンマさん腕時計とかどうよ! 鱗が光って!」
「いや部長それはどうかと」
「おっ、何か良く分からない格好良さがあるな」
「え」
「これいいよな、カタナくん! 男の子とかこういうのとサンマさん大好きだろ!」
「いやサンマさんはどちらかというと好きだがこれは買わないだろう」
「……ほっ」
「だがちょっと良いのも確かなんだよな」
「え」
「ローマン! ローマン!」
イケイケな円と、淡々とした刀と、おろおろしたひびきの会話である。
まあ、それはそれとして。
島の荒事に巻き込まれた場合を考えるとシンプルなアナログの腕時計が一番理想であった。色は落ち着いた色で革ベルトがよかった。
「……」
刀の目が並んだ時計のひとつに吸い寄せられる。
「それが気に入ったのか?」
ひびきが刀に尋ねると、うん。と刀が頷く。
しかし、高い。予算をだいぶ超えていた。
「……あのさ」
「ん?」
再びひびきが刀に声をかける。
「自分に似合うものを気に入るって、そんなにないんじゃないか?」
「ん……そうか、そうだな」
しばらく考え込んだのち、刀は店員にこれください。と声をかける。数分後。会計を済ませた刀の腕には新しい時計が巻かれていた。円も会計を済ませ両親と自分の懐中時計と猫の腕時計が入った袋を下げていた。
「ひびきちゃんはいいの?」
円が尋ねると、ひびきは口ごもる。後ろ髪がひかれている。
「じー」
「……買う」
ひびきが店員に男物のコーナーから腕時計の在庫を出してもらうのを見て、刀は首をかしげた。
「桜庭。笠原はあれ、プレゼント?」
「うん、そうだね、そうだね」
円はにやにやと返事をした。
ひびきは店員に、自分用なので包装はいらないと言っている。刀は不思議に思ったが深くは聞かなかった。
「きっと気に入ると思うよー」
円にそう言われたひびきの顔が、少しうれしそうに見えたから。
1
2
3
4
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
装飾譚:腕時計「時間泥棒」
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
相馬 円
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年10月02日
参加申し込みの期限
2014年10月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年10月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!