- 0
- 0
- 種族
-
- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
藍染め体験はじめました
【完成！】
「さあ、これで完成だよ。おつかれさま」
乾いたバンダナにさっとアイロンをあてて、染吉が皆に完成品を配った。
「できた！」
音をたててバンダナを広げた刀が、嬉しそうに自分の腕に巻く。
もちろん、中央にでかでかと入った日本刀が見えるようにだ。
「にゃーくん、新しいバンダナだよ。どーぞ！」
円もにゃーくんの首に巻かれているバンダナを交換したところ、にゃーくんも喉を鳴らして喜んだ。
「うん。嬉しそうだね、よかった～！」
「どれ。そうだな、にゃーくん似合ってるぞ」
刀も再び煮干しを出して、にゃーくんの鼻先で振ってみせる。
「うん……、いい感じだ、な……！」
拓郎も自分のバンダナをながめて、しみじみとつぶやく。
角の蝋を塗った部分には自然で細かなヒビの跡が残り、中央には小さな星が散るような絞り染めの白が存在感を放っている。
「そうだ……、皆は、どうだったんだろう……」
拓郎は他の皆のバンダナも、スマートフォンで写真を撮らせてもらうことにした。
いろいろなやり方があるのだと、記録に残しておきたいと感じたのだ。
美咲紀はもっと堂々と、カメラを取り出して撮影しながら、皆に今日の体験の感想を尋ねていた。
「皆さんきれいに染まってますね～！」
「なんとなく人柄が表れているようで、面白いな」
美咲紀と一緒に、修もなごやかに言葉を交わしている。
「市橋のグラデーションも自然な風合いでいいな」
修に声をかけられて、誉も「ありがとう」と、うなずいた。
「俺も、思った以上にきれいに出来たと思っていたんだ」
そう話しながら、誉は今度、自宅で家族のためにストールを作ってみたいと考えていた。
創作意欲を刺激されたのは、若菜も同様のようで、嬉しそうにバンダナを眺めながら、藍染めの色によく似た濃い青を用いて、ステンドグラスを作ってみようかと考えていた。
「マキナさんのバンダナ、大胆な絞り染めでかっこいいよね」
「うーん、さっきのおやつのせいか、お団子模様に見えてくるなあ」
そう言って笑いながら、マキナはバンダナを振ってみせた。
「せっかくだから、これ、店に飾っておこうかな」
「うんうん、いいと思う！」
「そうしたら、店に来た人も藍染めに興味をもってくれるかもしれないしね。ここの店で体験できるっていうことも紹介しようかな」
「……私も、うちの店に飾ろうかなって思っているんです」
智瑜も会話に加わって、興味を持った人には勧めたいと語った。
「私も、また体験教室があれば、板締め絞りにも挑戦したいですし……」
「いろいろ試したくなるよね。こうして見ていても、皆それぞれ、バンダナに個性が出ていて素敵だもの」
皆の満足げな表情を見て、若菜がうなずいた。
若菜も充足感を感じているし、智瑜も皆の作ったバンダナを熱心に眺めている。
智瑜のバンダナは、型で抜いた野菜がきれいに白く残っていて、白の藍色のコントラストが美しい仕上がりになっていた。
また、マキナや若菜のように絞り染めに挑戦した人のバンダナは、他にふたつとない形を成している。
露草は、自分の作ったかわいらしい動物柄のバンダナを見て、それから店内へと目を向けた。
先ほどの会話の中で出てきた「プレゼント」という言葉で思い出したのだが、もうすぐ姉の誕生日だ。
「このバンダナは、女性向けというより、子ども向けデース、ヨネー」
誕生日プレゼントに適したものはないか、『藍の子』の店内を探してみたい。
「何かあるといいデスネー……」
工房から店内へと向かう露草に続いて、他の皆も工房を出た。
ここを訪れたときよりも、藍染めに対して親近感を覚えている。
そして、店頭にかざられている商品の染まり具合の美しさに、うっとりとする者もいれば、どうしたらこの模様ができるのかと考えこむ者もいた。
「これ、全部染吉さんが染めたんですか？」
「今日は本当にありがとうございました」
「また、別の模様も染めてみたいです。ぜひまた開催してくださいね」
にぎやかな『藍の子』の店内に、若者たちのはしゃぐ声が響く。
染吉も満ち足りた顔をして、皆と言葉を交わし、見送った。
「今日はとても楽しかったよ。またいつでも来ておくれ」
買い物をする者、バンダナを手に帰る者、どの顔もにこやかな笑顔を浮かべていた。
こうして、真夏の土曜日の午後に開催された藍染め体験は、無事に解散と相成った。
END
「さあ、これで完成だよ。おつかれさま」
乾いたバンダナにさっとアイロンをあてて、染吉が皆に完成品を配った。
「できた！」
音をたててバンダナを広げた刀が、嬉しそうに自分の腕に巻く。
もちろん、中央にでかでかと入った日本刀が見えるようにだ。
「にゃーくん、新しいバンダナだよ。どーぞ！」
円もにゃーくんの首に巻かれているバンダナを交換したところ、にゃーくんも喉を鳴らして喜んだ。
「うん。嬉しそうだね、よかった～！」
「どれ。そうだな、にゃーくん似合ってるぞ」
刀も再び煮干しを出して、にゃーくんの鼻先で振ってみせる。
「うん……、いい感じだ、な……！」
拓郎も自分のバンダナをながめて、しみじみとつぶやく。
角の蝋を塗った部分には自然で細かなヒビの跡が残り、中央には小さな星が散るような絞り染めの白が存在感を放っている。
「そうだ……、皆は、どうだったんだろう……」
拓郎は他の皆のバンダナも、スマートフォンで写真を撮らせてもらうことにした。
いろいろなやり方があるのだと、記録に残しておきたいと感じたのだ。
美咲紀はもっと堂々と、カメラを取り出して撮影しながら、皆に今日の体験の感想を尋ねていた。
「皆さんきれいに染まってますね～！」
「なんとなく人柄が表れているようで、面白いな」
美咲紀と一緒に、修もなごやかに言葉を交わしている。
「市橋のグラデーションも自然な風合いでいいな」
修に声をかけられて、誉も「ありがとう」と、うなずいた。
「俺も、思った以上にきれいに出来たと思っていたんだ」
そう話しながら、誉は今度、自宅で家族のためにストールを作ってみたいと考えていた。
創作意欲を刺激されたのは、若菜も同様のようで、嬉しそうにバンダナを眺めながら、藍染めの色によく似た濃い青を用いて、ステンドグラスを作ってみようかと考えていた。
「マキナさんのバンダナ、大胆な絞り染めでかっこいいよね」
「うーん、さっきのおやつのせいか、お団子模様に見えてくるなあ」
そう言って笑いながら、マキナはバンダナを振ってみせた。
「せっかくだから、これ、店に飾っておこうかな」
「うんうん、いいと思う！」
「そうしたら、店に来た人も藍染めに興味をもってくれるかもしれないしね。ここの店で体験できるっていうことも紹介しようかな」
「……私も、うちの店に飾ろうかなって思っているんです」
智瑜も会話に加わって、興味を持った人には勧めたいと語った。
「私も、また体験教室があれば、板締め絞りにも挑戦したいですし……」
「いろいろ試したくなるよね。こうして見ていても、皆それぞれ、バンダナに個性が出ていて素敵だもの」
皆の満足げな表情を見て、若菜がうなずいた。
若菜も充足感を感じているし、智瑜も皆の作ったバンダナを熱心に眺めている。
智瑜のバンダナは、型で抜いた野菜がきれいに白く残っていて、白の藍色のコントラストが美しい仕上がりになっていた。
また、マキナや若菜のように絞り染めに挑戦した人のバンダナは、他にふたつとない形を成している。
露草は、自分の作ったかわいらしい動物柄のバンダナを見て、それから店内へと目を向けた。
先ほどの会話の中で出てきた「プレゼント」という言葉で思い出したのだが、もうすぐ姉の誕生日だ。
「このバンダナは、女性向けというより、子ども向けデース、ヨネー」
誕生日プレゼントに適したものはないか、『藍の子』の店内を探してみたい。
「何かあるといいデスネー……」
工房から店内へと向かう露草に続いて、他の皆も工房を出た。
ここを訪れたときよりも、藍染めに対して親近感を覚えている。
そして、店頭にかざられている商品の染まり具合の美しさに、うっとりとする者もいれば、どうしたらこの模様ができるのかと考えこむ者もいた。
「これ、全部染吉さんが染めたんですか？」
「今日は本当にありがとうございました」
「また、別の模様も染めてみたいです。ぜひまた開催してくださいね」
にぎやかな『藍の子』の店内に、若者たちのはしゃぐ声が響く。
染吉も満ち足りた顔をして、皆と言葉を交わし、見送った。
「今日はとても楽しかったよ。またいつでも来ておくれ」
買い物をする者、バンダナを手に帰る者、どの顔もにこやかな笑顔を浮かべていた。
こうして、真夏の土曜日の午後に開催された藍染め体験は、無事に解散と相成った。
END
あとがき
担当マスター：
瀬野 とうこ
ファンレターはマスターページから！
藍染め体験、おつかれさまでした！
皆様とても熱心に染め物にチャレンジしてくださって、
染吉さんも終始笑顔で楽しげでした。
文化が受け継がれていくのって、とても素敵なことですよね。
バンダナの模様や使い道も人それぞれで、個性あふれる素敵な品が完成しました。
生活のお供には、やはり藍染め。
夏の思い出になってくれたら嬉しく思います。
このたびは、ご参加まことにありがとうございました。
皆様とても熱心に染め物にチャレンジしてくださって、
染吉さんも終始笑顔で楽しげでした。
文化が受け継がれていくのって、とても素敵なことですよね。
バンダナの模様や使い道も人それぞれで、個性あふれる素敵な品が完成しました。
生活のお供には、やはり藍染め。
夏の思い出になってくれたら嬉しく思います。
このたびは、ご参加まことにありがとうございました。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2014年07月18日
- 参加申し込みの期限
-
- 2014年07月25日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2014年07月25日 11時00分
