this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
宿題終わってない子、集まれー!
<< もどる
1
2
3
4
5
…
11
つぎへ >>
●小さな友達
「古き良き時代の日本の家屋だね。趣があって、いいなあ」
羽根飾りのついた深緑の中折れ帽を摘み上げ、探検家を思わせるサスペンダーのついたハーフパンツの少年
エルカディア・シュルツ
が、周囲を見回した。
ここは勉強会場となる、畑家の敷地内。
日本人なら懐かしさを覚えるであろう古式ゆかしい農家の庭先には、一抱え程の大きさのタライに、手押し式ポンプで汲み上げられた井戸水で、大きなスイカが冷やされている。
「木造の日本家屋に、一面に広がる畑……見ていて、なんだかワクワクするよ。こういう所にお邪魔できるなんて嬉しいなあ」
時折吹き上げる風に髪を洗わせながら、金髪碧眼の少年は言葉の通り、瞳を輝かせた。
参加者は、ぼちぼち集まり始めている。
(どうしよう……)
日差し避けにしては、大げさなくらいに つばの広い帽子を目深に被って、少女・
赤銅 スフィア
は、リボンを巻いた茶色のウサギの縫いぐるみを抱きしめる腕に、力をこめた。
じっとり汗が滲んでくるのは、暑さのせいだけではないだろう。
いつの間にか足元に注がれた視線が、スフィアの緊張や戸惑いなんてお構い無しに、列を作って何かを運んでいくアリの列を目で追った。
束の間、それに気を取られていたが、ふいに零れ落ちそうになる涙に、スフィアは鼻をすすり上げ、皆が入っていく農家を睨んだ。
スフィアは寝子島に移り住んだばかりだった。
本当は一緒に来るはずだった両親は、急に入った仕事の都合で、まだ海の向こう。
親戚に預けられたスフィアは、元々内向的で人見知りの激しい性格だった事もあり、このまま両親に忘れられてしまうのではないかという思い込みの恐怖から、新しい一歩を踏み出す事も出来ずにいた。
お友達は、ウサギの縫いぐるみだけ。
家に引きこもって友達も作らず、物思いにふけっては涙を流す姪を心配した おじとおばが、「いっておいで」と、本日の勉強会を勧めてくれたのであった。
(いきたくない、なんていえないもん。
おじさんとおばさん、困らせたら、パパとママが悲しんじゃう。
悪い子なんていらないって……いわれたくないもん)
「でも」
そっと不安げな顔を覗かせる、スフィア。
その前を、中学生の男女が会話をしながら、横切っていく。
「というか、そふと……君も去年と変わらずだな」
重そうなクーラーバッグを肩に掛けた、スフィアと同じ赤い髪をした少年が、日焼けした少年を、つついている。
「いや、今年は逃げないし」
「しょうがないな、元同級生の馴染みだ、勉強を見てやるよ。俺は、7月の内に終わらせたからな」
「うわ、超上から目線……!?」
余裕綽々の
赤羽 勇樹
に、
畑 そふと
は目を丸くしている。
即座に こくこく頷く
鍋島 奈々美
に、勇樹は無言のプレッシャーを掛けた。
「ニャハハ! この夏は好奇心で見たいものが多くて、つい張り切り過ぎてしもうただけなんや」
「言い訳するな! 乙女の方は、進み具合はどうなんだ?」
尋ねたが
加藤 戦乙女
は、手鏡に映る愛くるしい自分に夢中で、話を全く聞いていなかった。
「変わらないなぁ……」
直らないハイパーナルシストぶりに、苦笑する そふと。
「そふとくん。私、差し入れ持って来たんですけど、冷凍庫と冷蔵庫借りれますか?」
月守 輝夜
が、これが入るくらいとクーラーボックスを指差す。
「輝夜のお手製なんだってさ」
「手作り!? めっちゃテンション上がるな!」
「本当ですか? 良かった」
輝夜がにこりと微笑み、睦まじい様子の中学生達は、家の中に入っていった。
「怖いよう……」
農家に向かう皆は明るく談笑しているが、スフィアは あの中で楽しく過ごしている自分の姿が、どうしても想像できない。
きっと、ひとりぼっちになってしまう。そんな嫌な確信があった。
「おじさんとおばさんには、『遊んでおいで』って言われたけど……むりだよお……」
だが、そんなスフィアと同じように、初めて訪れる他所の家に気後れをする子も、少なくなかった。
特に今回、最年少となった
劉 瑞麗
が、7歳の彼女からは見上げんばかりのお兄さん・お姉さん達に萎縮してしまったのは、自然な事だったろう。
年上の少年少女達を凝視する、大きな瞳は青紫の天蓋に翠の星が光る。
解いて手に集めれば、きっと触り心地の良いであろう繊細な黒髪は、蝶の髪飾りでツーサイドアップのお団子にまとめていた。ハイドランジアブルーのチャイナドレスを身に纏った幼女は、その美しい容貌で人目を引いた。
瑞麗は農家の周囲をうろうろ歩き回っては、小さな胸で暴れまわる鼓動を抑えようと、大きく息を吸っては吐いてを繰り返していた。
きつく握り締めすぎて白くなった指先に、スフィアはしばし考えた末に、漸く声を掛けた。
「あ、あの……」
消え入りそうな声にすら、瑞麗の小さな肩が跳ねた。
素早く振り返り、ちょっと強気にスフィアを見返す。
「な、何!?」
「あ、あ……ごめん、なさい……」
拒絶されたと思い込んだスフィアは、縫いぐるみに自分の顔を押し付けて震えた。
思い切ってみたけれど、この後どうしたら良いのか、分からなかった。
やっぱり最初から無理だったんだ、来なければ良かった。
ぐるぐる廻る頭で考えていると。
「……るいりは、劉瑞麗」
驚いたように見つめていた瑞麗が、心なしか気遣わしげに小首を傾げて、蕾のような唇を開いた。
「あなた、は?」
「……え……?」
「名前、何ていう?」
スフィアはキョロキョロと、周囲を見回して、自分を指差した。
「わ、わた、し?」
浅い呼吸を繰り返すスフィアに、瑞麗はこくりと頷いた。
「るいりも、あなたの名前、知りたい」
慌てないで、ゆっくりでいいと瑞麗は言う。
言葉を裏付けるように、瑞麗はその場から動かない。
年端も行かぬ幼女の心遣いに、スフィアもなけなしの勇気を振り絞った。
まだ真っ直ぐ前を向く勇気はないけれど、深呼吸をして。
「私は、
赤銅 スフィア
……」
「スフィア?」
スフィアが、頷く。
小さな気配を感じた。
その正体が気になって、スフィアは目深に被った帽子の陰から、チャイナドレスの青を上へなぞった。
あどけない二人の視線が絡んだ時、瑞麗から笑顔がこぼれた。
見られる恐怖に、スフィアは慌てて俯いた。
目が合わせられない。
(どうしよう、嫌われちゃう)
不安を止められないスフィアに、瑞麗は「さっきは吃驚させた、ごめん」と告げ
「この子、好好(はおはお)」
と、パンダの縫いぐるみを、掲げて見せた。
「……パンダ、さん?」
「そう、大熊猫。叔叔に連れてってもらった動物園で、買ってもらった。
叔叔は見た目ちょっと怖いけど、本当は優しいひと。だからるいり、叔叔がだいすき。
だいすきな叔叔が買ってくれた この子も、だいすき。だからいつも一緒。好好は、るいりの大事な友達」
はにかむ瑞麗に、スフィアも目の端を拭うと、抱きしめたウサギの縫いぐるみには、正面を向かせた。
「私も、お友達……」
「るいりと同じ」
「うん……同じ、だね」
不思議と暖かいものを感じ、優しい沈黙が訪れる。
「行こ、スフィア」
先に小さな掌を差し出したのは、やはり瑞麗で。
「るいり、宿題終わってない。
人見知り直したいから、勉強会に参加したけど……緊張する、ひとり怖い」
気丈に唇を引き結んではいるが、薄っすら紅潮して震える頬に気付いて。
スフィアも瑞麗の手を取ったのだった。
手を繋いで人の流れに加わる少女達をやや遠巻きに見送って、エルカディアは微笑むと、今ではあまり見なくなったポンプ式の井戸に群がる少年・少女達に微笑んだ。
「やあ、ボクも仲間に入れて貰えるかな?」
<< もどる
1
2
3
4
5
…
11
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
宿題終わってない子、集まれー!
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
メシータ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年09月01日
参加申し込みの期限
2014年09月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年09月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!