変態の軍隊｜リアクション

変態の軍隊

【15】

　八神のろっこん『分解』で強度が弱くなっていた体育館床。
　騒いでいた生徒たちの片足が抜けて、床にハマってしまった！
「……八神、これ、もしかして八神の仕業？」
　難を逃れていた逆巻、隅っこでしれっとしている八神を問いただす。
　だが、返ってくる返事は、
「老朽化の上に、この騒ぎ。自然に抜け落ちたに違いない」
　と、シラを切っていた。
「てか、すごく臭いんだけど。なんでアンモニア臭するの？」
「……大田原じゃないか？」
　見ると、足を取られている面々へアンモニア水とみられる小瓶をポイポイ投げている大田原の姿が。
（……俺も実はどさくさに紛れて投げ込んだけど、全部ここは罪を被ってもらおう）
　八神、今日はすごく悪い子である。
　更に、大田原が「これはなんじゃ？」と逆巻たちが設置したトラップのトリガーを引っ張ったおかげで、天井からバレーのネットとバスケのボールがドカドカ降ってくる！
　ネットとボールと花火の被害で大混乱だ！
「……ねぇ、これ、どうするの？」
　逆巻が憔悴した顔で肩を落とす。
「俺に聞くな、逆巻……」
　八神も遠い目をしながら漏らした。
　もはや神はいないのか？

　そんな時、春風が吹いたのだ。

「みんな！　だきしめて！　銀河の！　はちぇまれぇっ！」

　全員が体育館入口を見遣った。
　そこには、ヘソ出し＆ミニスカなアイドル衣装の夢宮瑠奈が、ＣＤデッキとスピーカーを持参して現れたのだ。

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