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雨よ、どうか
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「なんじゃぁ、ええ天気じゃったんに……」
塾の夏期講習、今日はそれが一コマ少なく終わる日。まっすぐ帰っても良かったが、それには足が重い。帰り道をてぼてぼと、わざとゆっくり歩く
北美浜 薫子
は、突然の雨粒を恨めしげに見上げて口をへの字に曲げた。
傘など無いし、重い足取りのせいで星ヶ丘の家まではまだかなり距離がある。素直に駆け出すにはまだ、足よりも心が重い。濡れる髪に、シャツに、靴に構うことも出来ないで、薫子の歩みは変わらず鈍いままだ。
「やははー……こがぁに降ってからに、前も見えん」
額にぺっとりと張り付いた前髪を指でかき分けて、薫子はふと立ち止まった。手を伸ばした先すらも、白い雨は見えにくくする。まるで昨日の自分のようだと、自虐めいた笑いが薫子の口角をわずかに上げてみせた。
笑ってくれると思っていた。喜んでくれると信じていた。
憧れ、尊敬した養父の後を追いかけること、同じ道を歩むことこそが、自分に出来るいちばんの親孝行だと、微塵も疑っていなかった。それをまさか否定されるなんて。
__おまえにはそれしかないと思い込んでいるだけなんだよ
「そがぁなことあるかいや……うちは……」
父様。
好きなことを好きと言って、何故いけないのか。
父様。
あなたの失ったものの代わりになりたいと願って、何故いけないのか。
薫子は、まだ幼い子供なのだ。薫子が自分で思うよりも、きっと、ずっと。生かされたことへの大きすぎる感謝は、時折手段と目的の境目を曖昧にしてみせる。養父を喜ばせたい、恩返しをしたい、養父が失った実子の代わりになりたい。その願いは、今はまだ薫子にとって純粋なきらめきを保ったまま、薫子のこころの真ん中にのっしりと座っているのだろう。そう、今はまだ。
「(何でいけんのじゃちゅうて、はっきり聞けたらよかったんじゃ……)」
薫子の養父は気づいている。いつか、薫子が今抱いているままの気持ちでは心が折れてしまうであろうことを。それは決して確定された未来ではないが、多くの者が同じように悩み、挫折し、歩みを止めてしまった道にひどく似ている。
「……うち、何になったらええんじゃろ」
そして、その挫折と痛みを糧にするだけのしたたかでしなやかな強靭さ……世間が才能と呼ぶそれを、薫子は果たして持ちえているのだろうかという疑問もまた、薫子の養父にはあった。養父という大きな名前と並んだとき、世間は薫子のありのままを見て評価してなどくれない。身内の贔屓目だと揶揄する者もいよう、二世のネームバリューに目が眩んで過大評価を下す者もいよう。二世は大成しないという言葉は根拠の無い迷信やジンクスではないのだ。
それらの、自らを取り巻く薄暗い影はまだ、若い理想を燃やす薫子の目には映らない。だから、養父の真意もまだ伝わることはない。
誰よりも幸せになってほしい。笑っていてほしい。
同じ思いが、何故こんな風に哀しく交差してしまうのだろう。
「止まんのぅ……」
止まぬ雨が薫子の脆い強がりを少しずつ、少しずつ溶かしてゆく。いい子でいたい、その思いは薫子にとって強い信仰であったが、見えない呪縛でもあった。
__叫んでも、誰にも聞こえんじゃろうの
「あー、あー……。…………あーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」
喉に雨粒が刺さるのも構わず、薫子は空に向かって慟哭のような叫びを上げる。
その大音声は言葉にならない願いと望み、そして祈りの塊。それすらも雨は静かに吸い込み、薫子のいびつな幼い心をそっと世界から覆い隠してくれるようだった。
「あー! 叫んだらちょっとスッキリしたけぇ、帰ろ帰ろ」
びしょ濡れの袖で顔を拭い、首筋にまとわりついた後ろ髪を束ね、薫子はきりっと前を向く。大好きな家族に見せられない気持ちは、今は雨に溶かした。今は。
「父様も心配しよるけぇな、うん」
ひとりごとのような呟きだけが、やけにはっきりと白い雨の間を縫って、薫子のあずかり知らぬどこかへと消えていった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
瀬島
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年05月10日
参加申し込みの期限
2014年05月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年05月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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