八月のある日、午後四時よりすこし手前。
気が重かった補習の帰り道。
あるいは、アイスを買おうか迷っていた散歩の途中。
ぽつ、ぽつ、ざ、ざざ。
こんな日に傘を持って歩くのはよっぽど雨が嫌いな奴に違いない。
誰もがそう思えるほどの青い空が、またたく間にずっしりと重たい雲で覆われる。
ざん、ざん、ざん、と。
遠くにぼんやりと聞こえる、車が水たまりの水をはねる音。
手を伸ばした先がかすんで見えるほどのスコールは、まるで自分を世界から遠ざける白い壁のよう。
夏の雨は足が速い。
ほんの少し辛抱すれば、空はまたさっきまでの青さを取り戻してくれるはずだ。
だが、この雨音しか聞こえない時間がひどく長く感じられるのは何故だろう。
まるで、時間が雨を吸って重たくなって、歩みを止めてしまったようだ。
誰かは雨宿りをしている。
駆け込んだ軒先で雨粒を払い、空を見上げるのもいい。
またある誰かは、誰かにそっと傘を差し出した。
相合傘、この世でもっともちいさな密室のひとつでそっと肩を寄せ合って。
遠くには、ひとり雨に打たれ立ち尽くす誰かがいる。
言葉にしがたい何かが、この雨にとけて流れてしまえばいいとでも言いたげに。
雨よ、どうか。
あなたは、この雨に何を願うのだろう。
はじめまして。
このたびらっかみ!に新しくゲームマスターとしてお邪魔することになりました、瀬島(せじま)と申します。
どうぞよろしくお願いいたします。
【補足事項】
ガイド本文にも記載しておりますが、
時間は夕方より少し前あたりをご想定ください。
雨自体はおよそ20~30分ほどで止むでしょう。
サンプルアクションは参考程度にとらえていただいて、
寝子島のどこでどのように過ごすのかはご自由にご記入ください。
※今回NPCは登場しません。
それでは、皆様のすてきな雨の物語をお待ちしております。