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時刻表で巡る旅 ――妄想編――
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◆
新井 すばる
~宙を走るレール~
意識は泥濘に沈んだように酷く曖昧で、指先一つ動かすのさえ億劫に感じられた。
カタタン、カタタンと、背中越しにレールの上を走る振動が起こる。
電車に乗っているんだ、とすぐに理解した。
――ん、いつの間に寝子電のったっけ?
今日は水生昆虫スクリーニングに、行くんじゃなかったっけ? ボクは思ったよ
すばるは滲む風景を正常に戻そうと、瞬きを繰り返した。
天井のライトが、いやに眩しい。
いや、外が暗いのだ。
「服が濡れてる……?」
纏わり付く衣服、痺れた唇をのろのろ動かせば、覗き込んだ黒い毛むくじゃらが、すばるの鼻先を舐めた。
「わ! 誰だ、顔なめるのは? ってモグか、よしよし」
次第にくすぐったさを自覚する、倦怠感も薄れてきた。
身を起し、千切れんばかりに尻尾を振る愛犬の頭を撫でながら、すばるは呆然とした。
何故だろう、随分懐かしいような?
首を傾けたものの、すばるのスーパーコンピューターは、記憶の検索を拒んでエラーを出した。
思い出してはいけない気がする。
それでも笑顔を浮かべて。
「お前、よく電車乗れたな。車掌さんに見つかったら怒られるぞ?」
気取って指を立てる主人に、モグは上機嫌に吼えた。
見回せば、すばるとモグの他には、乗客は見知らぬ老爺が一人座って、星の広がる車窓からの眺めをジッと見ているばかりだった。血管の目立つ手を左胸に押し当てた老爺は、人が良さそうだ。
彼は すばるに何気なく視線を向けて、……ひどく驚いた風だった。
「どうも、こんばんは」
気さくに挨拶する、すばる。
老爺も会釈をした。
けれど寝間着を着たその老爺は、ばつが悪そうに それきり黙り込んだ。
奇妙な感覚に襲われながら、すばるはモグが何かを咥えているのに気づいた。
「なに咥えてるんだ? あ、これ犬語翻訳できる玩具? 黒曜石で出来てるね」
漆黒の光沢を摘み上げて、ライトに翳す。
「どら、しゃべってみ?」
「ワン!」
「翻訳出た……なになに 『1』? …………」
カタタン、カタタンと電車の振動だけが、耳に響く。
「だめだ、この機械」
はははと、脱力して天井を仰ぐ。
モグの毛並みを撫でるうちに、電車はゆっくりと停車した。
1時間、停車するらしい。
「え、そんなシステム? ……まいいや、モグ降りよう。いい海岸があるんだ」
「ワン!」
モグを連れて、すばるは降車した。
錆付いた屋根と、ペンキが剥がれ掛けたベンチが一つあるだけの、吹きさらしのホームの裏手の崖が崩れて、むき出しになっている。
その場所は、どこか記憶とは食い違っているのに、ひどく懐かしい。
何より他と違って、明るくて暖かい。
先ほどの老爺も、車掌の手を借りて降車していた。
その様子に目を奪われているうちに、モグはさーっと崖を回り込むと、すばるを上から見下ろした。
「ワン!」
「足早いなお前。ま、元気で何よりだよ……」
言葉が、つっかえてうまく言えなかった。
だが気を取り直して、すばるは崖を指差した。
「このガケ見て、ほら層になってるだろ? これ地層なんだ。化石も出るよ、ナノナビスとかフズリナだから、そんなに面白くないけどね」
古の生物の形を指で示しながら、すばるはモグの様子を伺った。
モグは相変わらず、すばるを見下ろして尻尾を振っている。
「モグ、そっちの上の段とボクがいるこの下の段で、どれだけ離れてると思う? 距離は3メートルも離れてないけど、数千年以上離れてるんだ。不思議だよね……こうして会話も出来る」
「ワン!」
黒曜石の表面に、視線を落とす。
「翻訳は……『1』か」
掌で弄びながら肩をすくめていたら、発車時刻を知らされて戻るよう促された。
「あ、電車出るみたいだ戻ろう、モグ!」
空中で黒曜石をキャッチすると、すばるは電車に向かって駆け出した。
「ふう間に合った。あ、モグ見ろ虹だよ」
乗降口で振り返って七色の輪を指差した すばるは、ふとモグがホームで立ち止まり、座ったままなのに気付いて、硬直した。
老爺の足元で、すばるを見上げて尻尾を振っている。
「モグ、おいで? 電車が出ちゃうだろう?」
「ワン!」
黒曜石の翻訳は――
『さ・よ・う・な・ら』
その瞬間、すばるは悟った。
だよね、モグが病気で死んだのは去年だ。
プシュゥと音を立てて電車のドアが閉まり。
「モグ!」
小さくなってゆくモグの姿を目に焼き付けようと、すばるは夢中で走ったが、黒い毛並みはホームと一緒に消えていった。
気づいたらボクは滝にいた
服もびちょびちょで、やっぱり落ちてたみたいだ
水も飲んでたみたいで、気分が悪かった
下の泥に目をやると
ボクをひきずった跡と犬の足跡があったんだ
ああ、モグが助けてくれたんだ……
そう思ったよ
あの虹の橋の下で、モグは今でもボクを待っていてくれているんだろうか?
え、作り話だって?
さぁどうかな
すばるは、一つウィンクをした。
――解釈は、君にまかせるよ
終
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あとがき
担当マスター:
メシータ
ファンレターはマスターページから!
鉄道の旅、いかがでしたでしょうか?
かなりの詰め込みになってしまい、このシナリオで皆さんの魅力的な旅を表現できているか心配でもありますが、少しでも楽しんで頂ければ幸いです。
そうそう。本当はルール上、車両名は記載がOKとなっているのですが、サービス内容にはついてはその限りではないため、今回は車両名を伏せる事でリアクションで描写させて頂いております。ご了承くださいませ。
またアクション内容を優先させるため、一部 事実と違っておりますので、お出かけの際は、よく調べてご利用くださいね。
では、この度は当シナリオのご利用、まことにありがとうございました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
メシータ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年04月21日
参加申し込みの期限
2014年04月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年04月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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