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【あなたの音色】
こんこんと咳き込んで、
最上 るるか
は時計を見上げた。
朝からどうにも具合が悪くて、寝床から出られない。
「熱っぽいし、咳も出るし……、やっぱり風邪よね」
今日は
クラシック同好会
の練習日なのだが、こんな体調では参加できるはずもなかった。
「お休みのメールしなくちゃ」
いつもは相部屋でルームメイトと楽しく過ごしている桜花寮のこの部屋も、あいにくと今日は一人で、やけに静かに感じられる。
「誰か……、ううん、響也がお見舞いにきてくれたらなー」
篠崎 響也
の顔を思い浮かべ、願望を口にしてはみたものの、そんなに都合の良いことが起こるとは思えない。
「あのにぶちんが来るはずないよねー。ねー、ルールー」
テディベアを抱きかかえ、目を閉じた。
「……ん? メール? あっ、響也から!」
このまま大人しく寝てしまおうと思った矢先に届いたメールには、目を疑うような文面が記してあった。
見舞いに行くから、欲しいものや必要なものがあったら教えてほしい、と。
まさか彼のほうから自主的にそんなことを言ってきてくれるなんて、夢のようだ。
「やったぁ!」
るるかは思わず声を上げて、咳き込んだ。
ほどなくして、桜花寮のるるかの部屋を、響也がひかえめにノックした。
「わぁ、響也来てくれたのね、ありがとう!」
飛び起きたるるかを、響也は制した。
「見舞いだっていって、入れてもらった。寝てたらどうだ?」
「う、うん!」
パジャマ姿だったことに気がついて、るるかは慌てて毛布をかぶる。
買ってきた差し入れを机に置いて、響也はるるかの額に手をのせた。
「熱があるな。けっこう高いみたいだ、辛いだろう」
「うん、ちょっとだけ」
「氷枕、取り替えてやるよ」
「ありがとー。あとね、あたしね、お腹すいちゃった。おかゆ食べたいなぁ」
優しくされる喜びに頬をゆるめて、るるかが甘えると、響也は素直にうなずいた。
「わかった。大人しく横になって待ってるんだぞ」
「はぁい!」
いつものそっけなさがなりをひそめて、今日の響也からは気遣いと労りの気持ちが感じられる。
(響也ったら、あたしのこと心配してくれてるのかなぁ、嬉しいなあ!)
先ほどのせられた手の平の感触を思い出し、るるかはこっそり、くすくすと笑った。
「ほら、おかゆ出来たぞ。少しでも、食欲があるなら安心だな」
「わーい、いただきまーす!」
「熱いから気をつけて」
「だったら響也、ふーふーして食べさせて?」
「何だよ、子どもみたいだな」
苦笑いしながらも、響也は器を手に取り、一口ずつるるかに食べさせた。
「おいしいよ、響也」
「熱くないか?」
「うん、平気」
小鉢の中身が空になると、響也はウェットティッシュでるるかの口元を拭った。
「ほら、水も飲んで」
「うん。ねえ、次はデザート食べたいな。いいよね?」
「ああ。用意してくる。イチゴ味でよかったんだよな?」
「そうそう、ニャーゲンダッツのイチゴ味!」
冷凍庫からアイスを出して、すぐに響也は戻ってきた。
「ほら、どうぞ」
「響也、一緒に食べよう。今度はあたしが響也に、あーんってしてあげる」
「最上が食べろよ」
「いいの! 食べさせてあげたいの! 響也が先に食べたら、風邪もうつらないよ?」
「仕方ないな」
肩をすくめて、響也は口をひらいた。
「はい、あーん。……どう、おいしい?」
「ああ。次は最上の番だ。口開けて」
「ありがとー。あーん」
「はいはい」
甘くて冷たいアイスクリームを頬ばって、るるかは笑顔になった。
「ねー、響也、あたしたちまるでカップルみたいだね」
「そうか? 俺は雛の餌付けでもしてる気分だ」
「えーっ」
頬をふくらませながらも、るるかは機嫌良く目を細めた。
「あたし、小さい頃ね、こんなふうに熱を出すと、いつもママが仕事帰りにアイスを買ってきてくれたの」
隣に座る響也の肩に頭をのせて、るるかは言った。
「風邪ひいちゃうと、一人でお留守番は心細いよね。でも今日は、響也がいてくれるから、あたしとっても嬉しいの」
「そうか」
「うん。ねえ響也、手を握って、ぎゅっとしててくれる?」
「……わかった。ただし、ほら、きちんと横になること。いいな」
「はーい」
布団にもぐって、るるかはきゅっと指をからめた。
しっかりと握り返してくれる力強さとほんのり温かい体温を、ずっと手放したくないと感じた。
しばらくしてまぶたが重くなってきたるるかに、響也がそっと声をかけた。
「眠い?」
「うん……、あのね、響也。子守唄をリクエストしていい? 響也のヴァイオリンが聴きたいの……」
「ヴァイオリン?」
「今だけ、お願い。ぐっすり眠れそうな曲を、あたしのために弾いて……」
「了解」
握っていた手が離れていくのは寂しかったが、やがて聞こえてきた優しいゆったりとした澄んだ音色に、るるかはうっとりと目を閉じた。
熱にうかされながら、るるかは夢をみていた。
見覚えのある背中が遠ざかっていく。あれは、父親の背中だ。
(行かないで、パパ。るる寂しいよ!)
必死に伸ばした手が、しっかりと握り返され、ほっとした。
大丈夫だと言ってもらえているようで、昂ぶっていた気持ちが落ち着いていく。
薄く目を開けると、大好きな人のシルエットが目に映る。
(……響也)
ぼうっとしたまま彼を見上げて、胸の内でつぶやいた。
(大好き。お嫁さんにして――)
「目、覚めたか。ちょうどよかった」
「ん……、響也。あたし寝てたの?」
「そうだな、三十分くらい」
「そっかぁ、おはよー」
時計を確認した響也が、心配そうな目でるるかを見つめた。
「俺、そろそろ練習時間だ。行かないと」
「えっ」
きゅっと手を握りしめて、時計と響也の顔を見比べるるるかの頭を、なだめるように優しくなでた。
ふっと微笑んだ眼差しが優しい色を帯びていて、見とれるるるかに、響也は告げた。
「安静にしてろよ」
「う、うん……。わかった」
「よしよし」
頭にのせられた手のぬくもりに、力が抜けた。
「後で、練習が終わったらメールするからな」
優しい笑顔を反芻しながら、るるかはうなずいた。
「ありがとう、響也。……いってらっしゃい」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
瀬野 とうこ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年05月05日
参加申し込みの期限
2014年05月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年05月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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