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ゆふに立つ雨
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何度か降ったり止んだりを繰り返していた雨が、本腰を入れて降りだしていた。
そろそろ、冷たさが耐え難くなる頃合いだ。
角を曲がると、広い邸宅の前を通りかかった。構えはそれなりに立派だが、何かひどく、殺風景だ。人のにおいが、しないというか。
少女が立っていた。何かの紙袋を抱えている。少女は、こちらに顔を向けていた。
斑鳩 遙
は、理由もなく視線を逸らして、髪をかき上げた。早く通り過ぎてしまおう。
「……きますか?」
「え?」
耳を、疑った。
「雨宿り、していきますか?」
少女が、言っているのだった。
「……もし、よろしければ。困ってらっしゃるようだから」
見たところ、高校生ぐらいだろう。表情は、読み取れなかった。沈鬱なようでもあるし、無表情なだけという気もする。何か、感じるものがあったが、それが何かは分からなかった。
遙は躊躇したが、空のどこを見上げても、すぐに雨が止むと考える理由は、みつけられなかった。無理をして体調を崩しても、つまらない。
「……済まない。助かる」
二階に上がると、
秋ノ宮 こまち
は、遙にタオルを渡した。戸棚から、珈琲豆の袋を取り出す。
遙は髪を拭きながら、部屋を眺めていた。眺めるものも、これといってなかった。やはり、人のにおいはしない。楽しむ為の無駄が、抜け落ちているようだった。
「ここは──」
こまちが口を開いた。
「私の母が使っていた別荘です。今、出入りしているのは私だけです。掃除以外に、することもありませんけど」
少し、間が空いた。遙には、その理由がよく分かった。
「母は、私が幼い頃に病死しましたから」
沈黙が落ちた。
「寝子島出身で、若くして父に見初められ、本土に嫁いだ……芸術の才能があったのに、その道を捨てて──」
こまちの言葉が、ふいに途切れた。
「ごめんなさい。いきなり身の上話なんて」
母のことなど、友人にも話したことはなかった。見知らぬ男性を家に上げるなど、いつもなら考えもしない。まして、その人に身の上話など。こまちはさっきから、自分の振る舞いが不思議だった。
こまちは、珈琲カップをテーブルに運んだ。
「今日、友人がピアノの練習室として借りていたマンションに行ってきた」
促され、ソファに座ると、不意に言葉が口をついた。
「わりと有名なピアニストだったから、名前くらいはきいたことがあると思う」
「その方は」
「自殺さ。何も告げずに」
遙は、務めて何気なく言ったつもりだった。
「そこの管理は、遺族に頼まれて俺がやってる」
珈琲を、口に運んだ。
「……口が軽くなった」
遙は、自嘲気味に小さく笑った。
壁時計の針が、時を刻んでいた。
こまちは、オルゴールのネジを巻いて、そして放した。
物悲しい、雨だれのような単調な調べが、ぽつり、ぽつりとこぼれ出した。
「母のために作られた曲です」
こまちは、オルゴールを見つめていた。
「母は、幸せだと言っていました。それはきっと、嘘じゃない……でも、寝子島に未練を残していたのも、確かだと思います。私はこれを作った寝子島の職人を探し、母がこの島で何を感じていたか、知りたい」
オルゴールの音色が、こぼれていた。
「故人に想いを残して、その残響に依存する」
芸術家のような物言いだった。
「最期に何を想って逝ったのか……それを考えてるが、どうしてもわからない」
こまちは、うつむいた。
「何故、死んだのか。何を考えていたのか。それを俺の手で解き明かすこと。それがあいつへの、せめてもの供養だと思っている。全て、手遅れでしかないとしても」
こまちは、黙っていた。けれど、微かに頷いたようにも見えた。
「案外、君と俺は、同じ場所に取り残されているのかもしれないな」
遙は時計に目をやった。こまちの視線が、つられて動いた。
「そろそろ、お暇させてもらおう」
外に出ると、雨は強さを増していた。
「珈琲、美味かったよ。ありがとう」
「いいえ。傘は、返却しなくて構いませんから。斑鳩さんのご友人の件……謎が解けることを祈っています」
こまちは微笑んだ。遥は、初めて笑顔を見たと思った。
私達の求めるもの、どちらも音楽が関わっている。どこかで繋がっている可能性もあるかもしれない。
こまちは、遥との出会いに予感めいたものを感じていた。
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担当ゲームマスター
湖水映
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年03月24日
参加申し込みの期限
2014年03月31日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年03月31日 11時00分
参加キャラクター一覧
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