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ゆふに立つ雨
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雨の匂いにつられて、
秋霜 華音
は外に出た。
すぐに戻るつもりだったが、ふと足を延ばす気になった。299号線沿いを歩いているうちに、雨が強くなってきた。
「我ながら、馬鹿げているな」
こうなることは分かっていたのに。自分の振る舞いに、呆れた。
広い歩道の中央で、一際大きな百日紅が、満開の花を咲かせていた。
濡れた花弁の散り敷くその下に、先客がいた。
微動もしない。
打ち捨てられた、人形のようだった。
「その綺麗な傘に、入れてもらっても構わないかな」
花風 冴来
は、頷いた。百日紅の下に入ると、華音はハンカチを取り出して、スーツの水滴を払った。
「良ければ」
ハンカチを差し出す。冴来の肩も、髪も、濡れていた。
「ありがとう」
冴来はハンカチを受けとり、それで拭った。返す時、華音の長い指の先が、冴来の指に、僅かに触れた。
「ねぇ」
「ん?」
「退屈紛れに、こんなお話はどうかしら」
冴来は、語り始めた。
「私達が生きてるこの世界は、実は全て夢の世界で、本当の私達は、薔薇の茨で編まれたベッドで眠っているの」
それは、不思議な話だった。
華音は、通りに目をやりながら、その言葉に耳を傾けていた。
傘をさした学生達が、騒がしくお喋りしながら、二人の側を通り過ぎた。
喧騒が遠くなる。
冴来は、再び話し始めた。
「この世界で本当の幸福を見つけた時、本来の私達は、生を喪うの」
口元に手を当て、思案しながら、華音は尋ねた。
「その場合、普通に生きている『この世界』の私達は、どうなってしまうのだろうな?」
冴来は、華音の方に顔を向けた。やはり、人形のようだった。
「夢であれば、死ぬと同時に終了するが──その話では、努力し、幸せを手に掴んだ瞬間に、本当の意味で『死ぬ』のだろう? 悔しくは──悲しくは無いのだろうか」
華音にとって幸福とは、自ら進み出て勝ち取り、掌中に収めておくものだ。勝てば残り、負ければ失う。支配する限り継続し、支配されれば望むべくもない。それが華音の属する世界だった。そのことに疑問を感じたことは、これまでのところ、ない。異論があれば、対抗する。それもまた、彼女の世界の一部だからだ。
しかし冴来にとっての幸せとは、ひどく抽象的で、儚い、夢幻のようなものであるらしかった。
冴来は、しばらく華音を見つめた後、視線を空に戻した。
「そうね。きっと、悔しくて悲しい。でも私は、それもいいと思うの。絶望に包まれて消えて行くより、そのほうがずっと暖かい。私、今ね、これ以上ないと思う程、幸福なの。ずっと昔から夢見ていたことが、ついに叶ったの。けれど私は、まだ消えていない。きっと今以上の幸福が、これから先にあるからね」
華音に語り掛けるというよりは、何かを必死に慰め──あるいは、諦めようとしているようだった。
──大丈夫。
そんな呟きが、冴来の唇からこぼれたように、華音には思えた。
「……気分が沈んで悲しくなるから、雨って私、大嫌いなの。だけど、今日の雨は嫌いじゃないわ。今日、雨が降らなければ、貴女にもきっと会えなかった。捨てたものじゃないわね」
「そうか」
「話を聞いてくれて、ありがとう」
「いや、こちらこそ、興味深い話を聞かせてもらった」
不思議な余韻を残して冴来が立ち去った後も、華音はそこに佇んでいた。
尖った革靴の爪先を、百日紅の花弁が一枚、小さく彩っていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
湖水映
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年03月24日
参加申し込みの期限
2014年03月31日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年03月31日 11時00分
参加キャラクター一覧
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