【水泳大会】多分、生死を賭けた戦い（黒猫サイド）｜リアクション

【水泳大会】多分、生死を賭けた戦い（黒猫サイド）

【激突！　平泳ぎ！　白か黒か？　どっちが勝つか？　編】

　勝負もいよいよ終盤となってきたところで、エカテリーナと円が並んだ。
（（……なかなか、やる！））
　両者とも言葉の末尾は違えど、奇しくも同じ思考になった二人である。
　後ろを泳ぐ、瓢らとは、おおよそ人一人分ほど距離を離している。
（なんとまぁ、必死になって……あとが怖いねぇ）
　後ろを泳ぐ瓢がそう思うほどのペースでエカテリーナは飛ばしている。
　普段運動しているトップ二人のうち、円はボクシングを、エカテリーナに至ってはトライアスロンをやっているため、高校生のなかでも多分体力は高い方だろう。
　残りのメートルが少なくなるにつれ、徐々に身を乗り出していく両組の生徒達。
　後五メートル……三、一……ゴール！
「ゴール！　ゴール！！　エカテリーナ・クロキ選手の勝利です。ぎりぎりの逃げ切りでした」
　寿美礼のやや興奮気味の声と共に、勝者の名を叫ぶ。
　他の全員のゴールを待ってから、判定が伝わると白猫組が悔しそうにしている。
　現在、黒猫が2点リードで勝っている。
白猫組はそろそろ点を入れないとまずい。
　ここからの逆転劇があるのだろうか？

　……。

「うーん、惜しかったね」
　寿美礼は、放送席でほっと息をつくとパイプ椅子に座り直した。
　水泳部の部長らしく、勝因を考えてみると、エカテリーナが後半のことを考えない全力のペース配分で、一気に勝負を付けたのが勝因だったと考える。
　結果的に、白猫組は負けてしまったが、次に期待することにした。
「さぁ、次は背泳だよ！　張り切っていこう！」
　果たして、エアコンはどちらの組に設置されるのか……。
　勝負は、次へと移っていく。