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空中散歩デートジェラート
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二人で出歩くのはすっかり日常になっていた。
けれど、今日はなんとなく違う気がするのはどうしてか。ポケットに手を突っ込んで歩きながら、
霧生 深雪
は考える。
(……ああそっか、今日は俺から誘ったのか)
思い返してみれば、どこに行くにもいつもコイツの方から声を掛けてきてたよな、と隣を歩く
霧生 渚砂
に目を向けた。
その派手なオレンジ頭は、深雪の視線には気づいていない様子で嬉しそうに声を上げる。
「あ、ほら深雪! あれが言ってたジェラート屋じゃないか?」
渚砂が指差す先には、わざわざ寝子島へ出張しにきたという有名ジェラート店の屋台があった。評判というだけあって、そこそこの人だかりが出来ている。
「だな。結構人も多いし、楽しみだな……!」
ちょっとした違和と考え事も、いざジェラートを前にすると吹き飛んでしまうほど深雪は甘いものに目がない。
順番を待っている間にショーケースを眺めつつ、どの味にしようか真剣に吟味する。
「うーん……やっぱり苺ミルクかな」
「深雪はいっつもそれだな」
「うるせぇ。苺ミルクひとつ、練乳増し増しで!」
一見すると冷たそうな印象の強い深雪のその甘ったるい注文に、店員も思わず目を丸くする。
その様子に、なんだよ、とふてくされたように唇を尖らせる深雪。その肩をなだめるように叩きながら渚砂も自分のジェラートを注文した。
「ほんと甘いものが好きだなぁ。んー、じゃあお兄さんは塩バニラにしよっかな。ちなみにオススメとかある?」
「そうですね、現在はこのほうとう味がオススメとなっております」
「……うーん。じゃあやっぱ塩バニラでいいや」
ほうとうってなんだ、と渚砂が首を傾げているあいだにも、店員は慣れた手つきで二つのジェラートを用意する。
ややあってカウンターに置かれたジェラートは、シンプルな塩バニラと派手に練乳のかかったピンクの苺ミルク。
そして、一枚のチケット。
「ん、なんだこれ?」
深雪が首を傾げて尋ねると、店員はにっこりと笑顔を見せて言った。
「ただいまカップルでジェラートを購入されたお客様には、観覧車のチケットをお渡ししてるんです」
「……はぁ?」
カップル。その単語にまさか、と顔を引きつらせる深雪の隣で、わぁいと渚砂は無邪気な声をあげる。
「なんかよく分かんないけど、ラッキー! せっかくだから乗ろうよ」
「いやいやダメだろ、俺らでこのチケットもらったらおかしいだろ」
男の沽券を懸けて必死に深雪は否定するものの、説明をきちんと聞いていなかったらしい渚砂は嬉しそうにチケットを受け取る。
「そんな遠慮しなくても、せっかくくれるんだしいいじゃん」
「だぁから、遠慮じゃねえし! ……はあ」
カップル限定だからやめようと一から説明するのも、自分が女と間違えられたことを肯定するようで妙に気恥ずかしい。
仕方ねえな、と深雪はため息を着く。
今日はジェラート店にも付き合ってくれたんだ、観覧車くらい乗ってやるか、と。
かといって、男二人で観覧車に乗って何が盛り上がるということもない。
ましてや普段同じ部屋で暮らしている相手だ。外の景色もほどほどに、深雪は甘ったるいジェラートにすっかり夢中だった。
「うん……やっぱわざわざ来た甲斐があったな。かなりうまいぞ、ここ」
「こっちも結構うまいよ。食べてみる?」
渚砂が差し出した塩バニラのカップに、もとよりそのつもりだと言わんばかりに深雪はスプーンを突っ込んだ。
「うわ、ちょっと深雪、とりすぎ!」
「いいだろこれくらい! うん、塩バニラもなかなかだな。次はこっち食べようかな」
苺ミルクとは違うあっさりとした甘さを深雪が味わっている隙に、渚砂は彼の苺ミルクのカップをひょいと取り上げる。
「あ、おい!」
「おにーさんにもちょうだいよ、交換交換!」
ジェラートをめぐってぎゃあぎゃあ騒いでいるうちに、観覧車はどんどん高くまで上がっていた。
ふと目に飛び込んだ窓の外の景色に、深雪は思わずぽつりとつぶやく。
「……けっこう高いな」
「まさか深雪、怖い?」
「い、いや別に怖くはねえけど」
取り立てて高いところが苦手という訳でもない。
その言葉に首を振ると、渚砂はいつもの飄々とした表情をほんの少しだけ強張らせてはにかんでみせた。
「自分は観覧車初めてだから、ちょっとドキドキするな」
もしかしたら初めてじゃないかもしれないけど、と付け足して渚砂は笑う。
彼は過去の記憶がない。過去に乗ったことがあるかもしれないが、今の彼にとってはこの高度は未知の世界だ。
なんとなく押し黙った空気をごまかすように、そうだ、と渚砂は冗談めかして自分の膝を叩いてみせた。
「ドキドキするからさ、深雪が乗ってくれたら安心するかも……なんちゃって」
「はぁ? なんだよ急に」
突然の要請に深雪は眉根をひそめたが、どうせここは二人しかいない。
今日は自分から誘った手前もあって、まあいいかと立ち上がると彼の膝の上に腰を降ろす。
「……ほら、これでいいか?」
「……うわ、ほんとにきたよ」
「……ぶん殴るぞ」
いつもよりぐんと近い距離。さすがに少し気恥ずかしくなった渚砂は、そうだ、と話題を逸らすように声をあげた。
「今日はちょっと深雪に渡したいものがあってね。はい、これ」
シートに置いたカバンから渚砂が取り出したのは、黒を基調とした手袋だった。
それを受け取った深雪は、きょとんとした顔で手袋を見つめる。
「夏だってのに手袋? いったいどうしたんだよ、これ」
「つくったんだ。深雪はよく手袋つけてるからな。日頃お世話になってるお礼ってことで」
笑って渚砂はそう言ったが、彼の本心は別のところにあった。
膝の上に乗る深雪の、右手親指にそっと視線を落とす。そこには先日の事件のせいでついた裂傷がまだ生々しく残っている。
(手の怪我。もうしてほしくないしな)
「サイズもぴったりだ。それにこれ、ひんやりして気持ちいな」
「うん、抵触冷感素材って言ってね、触ると冷たい生地なんだ」
早速手袋をつけた深雪は、手をぐーぱーと動かしてみせる。ちょうど彼の手のサイズにフィットしていて作業もしやすそうだ。
「……ありがとな。大事にする」
珍しく素直な深雪に、渚砂は笑ってうなずいた。
「そうだぞ。その手袋がぼろぼろになるような真似なんてしたらダメだからな」
冗談めかした、けれど優しい渚砂の言葉にどうしてか泣きそうになる。……泣かないけれど。
寝子島を訪れて、家族と離れて、まさか音楽以外に心から大切だと思える存在に出会えるとは思わなかった。
(最近はいろんな事件が起こって、ちょっといろいろ抱え込みすぎてた、かな)
彼の膝の上で、小さく息を着いた。渚砂のそのぬくもりに、胸の中にわだかまっていた不安がゆっくりと消えていくのが分かる。
ずっと一緒にいられたらいいな。決して口には出さないその思いを胸に、深雪はだんだんと近づいてくる窓の外の街並みを見下ろした。
渚砂がくれた手袋に守られて、もう傷跡は見えない。
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担当ゲームマスター
花村翠
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年02月28日
参加申し込みの期限
2014年03月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年03月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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