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chapter.9 unsolved!
さて、miao内に散らばった羊たちの行方はどうなっただろうか。
一階と二階にいた羊はそれぞれ既にエレベーターで送られ、待機していたスタッフに保護されていた。問題は、四階にいた羊である。
そう、昌也や颯を気絶させた、あのどう猛な羊がいるフロアだ。おそらくここが、最大の関門であると思われる。
志波 武道
が猛烈な勢いでその羊に追われているのが、何よりの証明だろう。
「ふっ、ふわふわが大脱走ってナニコレ!?」
武道は、追ってくる羊から懸命に逃げていた。ちらりと、後ろを振り返る。羊との距離は、思っているより縮まっていた。
「わあ近くで見るとやっぱりきゃわいーいー……って近いっ! 近いようあぁあん!」
したたる汗も気にせず、いや、気にする余裕もなく全力でダッシュする武道。どうにか彼は、トイレの個室に逃げ込むことで追走を免れた。
「はぁ、はぁっ……吸水性抜群と名高いふわふわタオル買いに来ただけなのに、ふわふわに追いかけられるってどーゆーこと?」
武道は深呼吸をした。ねこったーを開くと、やはり同じような被害報告が挙げられている。
「うーん、これ、もしかしてmiaoの外にまでふわふわが出ちゃったりするのかなー。てことは弟にもいずれ危険が迫る可能性が……!」
そう考えると、こんなトイレにこもっている場合じゃない。武道は便座からすっくと立ち上がった。
「そうだ、それにアイドルがライブするって言ってたもんな! アイドルのため、何より弟の平和のため、ブドーガンバル!」
びしっと言い放った武道は、ちょっと格好良かった。場所がトイレじゃなかったら、きっともっと格好良かった。
トイレから出た武道は、すぐに自分を追っていた羊を発見した。幸い、こちらには気づいていないようだ。
少しの間、羊を観察して暗所を避ける傾向を見た武道は言った。
「暗いところに隠れて、一気に飛びかかりたいとこだけど、んー」
とはいえ、失敗すれば今度こそ自分の体が危ない。武道はもう一度ねこったーを開き、自分と同じように羊を対処しようとしている人を見つけ出すと連携を呼びかけた。
するとその呼びかけに、たまたまmiaoにいあわせた
不知火 垂
、そして
李 小麗
が応じた。
さらに羊騒動を聞きつけ下の階から順に羊を探していた刀、そして主である颯の音信不通を察してここまで駆けつけた睡蓮らも合流し、ここに対凶暴羊チームが結成されることとなった。
「羊さんの捕獲、ご協力致します……が、その羊さんはいずこへ?」
垂が武道に尋ねると、武道はてへっとウインクしながら答える。
「見失っちゃった☆」
「志波先輩……」
刀が、若干残念そうな視線を向ける。
「大丈夫でありますよ。睡蓮はここまで階段で来たでありますが、各階の階段には警備員が配置されてましたのでおそらく別な階には行っていないであります」
「そうですわね……」
垂は、近くにあったフロアマップを眺めつつ考えを口にした。
「羊さんも、走り回ったのならお腹が空いているでしょうし、食べ物のにおいに釣られて飲食店街エリアにいるかもしれませんね」
「小麗は、明るいとこにいると思うのだ! たとえば、えーと……蛍光灯の展示場とか?」
「そんなマニアックな展示場、聞いたことないでありますよ!?」
睡蓮が思わずつっこんだ。
「いや、でも当たらずとも遠からずかもしれないな。見てくれ、ここに家電売り場がある」
刀が、マップの上部を指さした。そこにはやや狭めの面積ではあるが、家電量販店が入っていた。飲食店街はその少し下の方に広がっている。
「よーし! じゃあ最初は家電売り場に行ってみよう!」
「賛成でありますが、逃さないためにもどこかに誘い込んで挟み撃ちがベストでありますね」
武道の提案に、睡蓮が意見する。それを聞いて、垂が挙手をした。
「それでは、私は飲食店街で待機します」
「女性ひとりでは危ないな。俺もそっちに行こう」
刀が加勢を決め、行動を共にすることにした。
こうして、垂と刀は飲食店街エリアで待機、残った武道、睡蓮、小麗は羊を見つけ次第そこへ誘導、という流れになった。
家電売り場。
店内に入って、奥の方へ少し歩くと照明を売っているスペースがある。そこに、やはり羊はいた。
「いたでありますね」
小声で、羊の視界に入らないよう気をつけながら睡蓮がささやく。
「やっぱ明るいところが好きなんだな。それなら俺は……」
言うと、武道は柱の陰に移動した。
どうやら身を潜め、不意打ちで飛びかかる作戦のようだ。それを知った睡蓮は、「いきなり飛びかかるのは危ないであります」と武道の身を案じた。
「睡蓮が、うまいこと羊を黙らせるであります。おとなしくなったところを、捕まえてほしいでありますよ!」
「小麗も手伝うのだ。言うこと聞かせるのは、任せとけなのだ!」
「お、おうよく分かんないけど分かった!」
どうやって黙らせるのか武道は皆目見当着かなかったが、とりあえず任せてみることにした。すると次の瞬間、彼は目を疑った。
なんと、睡蓮と小麗は堂々と羊の前に姿を現し、仁王立ちに近い格好で羊と向かい合っているではないか。
そして睡蓮はひと睨み。眼帯の上からでも分かる、羊に対する殺気に似たオーラ。一切口を開かないのが、余計怖かった。
「怖い、怖すぎるよ睡蓮さん!」
どうやら睡蓮は、そのオーラでもって羊を黙らせようとしたらしい。横にいる小麗は小麗で、「背中を見せると突撃されるのだ」と言い真っ正面から向き合ったまま姿勢を崩さない。
「おい、羊。悪い子はしゃおりーのほおぶくろに詰め込むぞ? 知ってるか? 羊を丸呑みしたニシキヘビがいることを……」
「怖い、小麗ちゃんも怖い!」
武道は女性とはこんなにも恐ろしい生き物なのかと戦慄した。
直後、羊が彼女たちのオーラや言葉に耐えきれなくなったのか、怯えを見せて逃げ出した。向かう先は、家電売り場の出入り口だ。
「まっ、待つであります!」
「待つのだ! ニシキヘビに出来るなら、しゃおりーにも出来るはずなのだ!」
相変わらず恐ろしいことを言いながら、急ぎ追いかけるふたり。武道も慌てて、その後を追った。が、なにせ羊の逃走スピードが相当に速い。どんどん離れていく羊との距離に、一同は焦りを見せた。
「このままでは誘導できないでありますね……仕方ないであります!」
睡蓮はそう漏らすと、眼帯を外し「韋駄天」と小さく呟いた。これにより、彼女のろっこんが発動する。
「逃がさないであります!」
高速での行動を可能にするそのろっこんは、瞬く間に羊を捕獲の射程範囲内に捉えた。あと僅かで、羊を掴むことが出来る。
が、次の瞬間彼女は、大きく躓いた。
「っ!?」
足下に、何か障害物があったのだろうか。なまじ速度がついているだけに、睡蓮の体は大きく宙を舞い、あわや天井に衝突するところであった。
どうにか受け身を取って着地した睡蓮は、自分が何に蹴躓いたのかを確かめるべく振り返った。そこにあったものに、彼女は仰天した。
「はっ……颯様!?」
そう、それはパンツ一丁で気絶している主、颯であった。この場所は、颯が最初羊に跳ねられた事故現場だったのだ。
「颯様、こんなところで何を……というか、なんで裸になっているのでありますか! 変態でありますか!?」
ゆさゆさと颯を揺り起こしながら、「110番するでありますか」と物騒なことを叫ぶ睡蓮。ぜひとも彼女には、110ではなく119をコールしていただきたい。
残った小麗と武道は懸命に羊を追っていた。方向からして、羊の逃走先は飲食店街エリアのようだ。つまり期せずして、誘導は成功している。ところが。
「まずいのだ! あの勢いだと、飲食店街を越しちゃいそうなのだ!」
小麗が叫ぶ。羊は、そう都合良くこのエリアで足を止めたりはしないようだった。
待ち伏せ部隊のいるポイントは飲食店街の中で、今いる場所はその脇の通路だ。つまり、どうにかして通路から飲食店街エリアの中へと追い込まなければならない。しかし羊の速度が速く追いつけない。
ここまでか。誰もがそう思った時だった。
「やはり、ここに来たか」
突っ走る羊の先に、通せんぼをするように立っていたのは、コブラだった。その手には、防犯用のペイントボールが。
「元野球部ピッチャーの腕、見せてやるぜ!」
「ピッチャーだったのかよ! いきなりなんだその設定!」
少し離れた安全そうな場所から成り行きを見守っていた璃音が、反射的につっこんだ。と同時に、コブラは振りかぶって第一球を——いや、ウイニングショットを放り投げた。
ボールは直線の軌道を描いて、羊の足下へとその中身をぶちまけた。床が、派手な原色に染まる。
「ん、んべぇええええ」
眼前の投手を恐れたのか、羊は逃走経路を変更し、飲食店街の中へと走っていった。余談だが、彼の放ったペイントボールは近くの店舗にあったものを勝手に拝借したものだったので、後ほど店舗のスタッフにこっぴどく怒られた。
「来たぞ!」
「いよいよですね」
羊が迫ってくるのを確認し、待機していた刀と垂が互いに鼓舞し合う。同時に、刀は撃鉄が落ちるイメージを浮かべ、垂は後ろ髪を左手でかきあげた。
彼らには、ある共通点があった。
それは、共に自らの動きを加速させるろっこんを持っているということ。先に離脱した睡蓮も、このタイプの能力者であった。
彼らが各々のろっこんを発動させるためのトリガーが、今の仕草なのだ。ふたりを残して、辺りの時間の流れは急激にスローテンポになった。
「……! 俺の加速についてきているということは、同じタイプの」
「そのようですね」
ふたりにしかおそらく聞こえないであろう言葉の応酬。刀と垂は視線を合わせ、アイコンタクトを取った。それで充分だった。挟み込むように羊の前後に立った彼らは、瞬く間に羊を掴んでその動きを止めることに成功した。さすがの暴走羊も、加速している異能ふたりの前では逃げ切れなかったようだ。
がしかし。
「んべぇえええええ〜」
「っ!」
体毛を捕まれてなお、羊は暴れて逃げだそうとする。その力は想像以上に強く、危うく刀と垂は羊から引き剥がされそうになった。
そこに駆けつけたのは、武道である。
「俺に任せろー! むしろ羊さんモフらせてー!!」
武道は、ここぞとばかりに飛びかかり、その全身で激しく羊に抱きついた。ぼわっと、羊毛が舞う。刀や垂、周りにいた一般客がその光景に見とれていた一瞬の間に、武道は素早く手刀を羊に当てた。
手刀を当てることで麻痺させる彼のろっこんが上手い具合に発動したのか、あるいはたまたま羊の急所に入ったのかは分からないが、羊はぷるぷる足を震わせると、こてんと横になった。
「これは……?」
驚いた垂が尋ねると、武道はややおどけ気味に笑って答える。
「俺のモフりテクで、くたっとさせちゃった☆」
こうして、四階にのさばっていた凶暴羊は見事確保となった。捕まった羊は、起き上がった後、上機嫌な小麗に乗っかられ、五階まで歩かされた。
あれだけ凶暴だった羊が大人しく人を乗せ展示場へ自らの足で戻ったのは、捕獲メンバーたちが同伴して見張っていたことが大きいだろう。
とりわけ、ろっこん使用の反動でお腹を空かせ空腹状態で羊を見つめていた垂の視線に、羊はすっかり牙をもがれていた。
なにせ、移動中もずっとぶつぶつと「ラム……」だの「マトン……」だのと呟いているのだ。羊が人語を解するかどうかはさておき、感覚的に、本能で自らの危機を察知したに違いない。
「おお、まさかこんなにスムーズに捕まえてくれるなんて! ありがとう、本当に助かった!」
五階、展示スペース。無事羊の受け渡しが済むと、miaoのスタッフは何度も頭を下げお礼を述べた。
「いえ、礼には及びません。ところで……」
垂が、お腹を鳴らしながら尋ねた。
「この羊の式典は一日だけみたいですが、終わった後羊たちはどうなるのでしょう? 良かったら引き取りたいのですけれど」
「ああ、ごめんね。この子たちはこの後もまた、別な会場で色んな人たちに見てもらうんだ」
申し訳なさそうに断るスタッフの後ろでは、羊が必要以上にぷるぷると震えて怯えていた。さっきの羊肉発言がよほど効いたらしい。
「引き取って、丸呑みするつもりだったのか?」
小麗が冗談なのか本気なのか分からない調子で質問すると、垂は笑って答えた。
「え? いえ、当然ペットとしてです。決して非常食用では」
そんな彼女たちの会話に、羊はより一層震えたのだった。
「ところで」
と、スタッフが羊を捕まえた一行へと話しかける。
「羊は全部で五匹いたんだけど、あと一匹はどこに行ったか、分からないかな?」
「……え?」
その場にいた誰もが、驚きの声をあげた。スタッフに保護されている羊をもう一度数える。
玲衣と小淋が一階からエレベーターで送ったのが合計二匹で、英二と能美子、舞華らが捕まえて同じくエレベーターで送ったのが一匹。そして今四階で捕まえてきた羊が一匹。
やはり四匹しかいない。彼らは、一斉に顔を見合わせた。
「……あとの一匹は、どこへ?」
◇
その頃、
八神 修
は単身、一階のペットコーナー近くにいた。彼の隣には……子羊が一匹、修の脚に顔をすり寄せながら歩いている。
最後の一匹は、ここにいた。しかしなぜ、一匹だけここに?
それは修が、騒動が始まった時からひたすらこのペットコーナーで羊が来るのを待ち、他の捕獲班が動き出す前に羊を保護していたからだった。
店員の協力を得て床の一部に羊のエサをまいていた彼は、予想通りの羊の到来に「やはりな」と小さく口元を緩めた。
「羊の食欲は、他の本能より強い。後はこの羊を……」
呟き、修は店員に「では、俺はこのまま連れていきます」と言ってペットコーナーを出た。
「途中、羊が寄り道するかもしれませんが」
ぼそっと言い残したその言葉が、店員の耳に届いたかどうかは定かではない。
ちなみに店を出る時彼は、青草をなぜか購入していた。子羊が修に懐いているのは、彼の性質のせいもあるだろうが、エサに釣られているところも少なからずあるだろう。
合流を果たさず上階にも向かおうとしない彼の足と、青草が抱えられた彼の手。
その四肢に込められた真意が明かされるのは、もう少し先であった。
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グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
動物・自然
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年02月04日
参加申し込みの期限
2014年02月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年02月11日 11時00分
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