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chapter.10 はじまりの魔法
時間は、17時45分。
miaoで起こっている騒動など知る由もないゆずかたちは、十数分に控えた初めてのライブに胸を高鳴らせていた。
黒子がメンバーの後ろでギターのチューニングを念入りに行い、渚がメンバーのためを思いのど飴を買いに行っている中、歌詞をつくった時に手伝いに来ていたアリーセも応援に駆けつけた。
「いよいよ皆がデビューする日ね」
既に本人たちはステージ衣装のチア服に着替えており、上に薄手のパーカーを羽織っている状態だ。ゆずかはアリーセを見かけると改めて礼を言い、「来てくれてありがとう」ともう一度お礼の言葉を告げた。
彼女の様子や他のメンバーたちの表情から、緊張感が伝わってくる。アリーセは心の中で苦笑した。
なんで、私まで緊張してるのかしら、と。
「頑張ってね、私は見守ることしか出来ないけど」
「ううん、充分すぎるくらい嬉しいよ!」
アリーセの言葉に、ゆずかが笑顔で返した。そうだ、とアリーセは荷物をごそごそさせると、中から人数分のシュシュを取り出した。パワーストーンがアクセントでついていて、よく見れば石の色がそれぞれ違っている。
「それは?」
「良かったら、ライブ中につけてもらえたらって。お守り……といえるかは分からないけど」
アリーセなりに、メンバーを勇気づけようとしてのプレゼントだった。異なる石の色は、彼女がメンバーそれぞれのイメージカラーを思い描いて選んだものだ。
「わあ……っ、ありがとう! この石も、すっごく綺麗だね!」
ゆずかに渡されたのは、赤色の石がついたシュシュだった。頑張り屋でテンション高めな彼女には、確かにぴったりかもしれない。
アリーセはゆずか以外の面々にも手渡ししていき、受け取った彼女たちは誰からともなくそれを手首につけた。なんだか、髪に留めるよりもこちらの方がお揃いのステージアイテムとして映える気がしたのだ。
「さあ、時間だぞ? 準備はいいか?」
黒子が、軽くギターを鳴らして言った。時計を見れば、もうすぐ針は真っ直ぐ一本の線になろうとしている。
「ふうっ……皆、めいっぱい楽しもうね! クソ力で!」
ゆずかが呼びかけると、メンバーたちは手を突き上げて「おー!」と声を揃えた。
その中で瑠奈は、これまでのこと、そしてこれからのことを頭に描いていた。
かつて憧れたママや、今も憧れる先輩たちのように、あちこちで歌ってきた。それは、夢宮瑠奈という「あたし」のセカイで。
でも今はこうして、憧れたDOG110の経験者と同じ場に立っていて。
——彼女には、ずっと考えていた名前があった。アイドルとして舞台に立った時、名乗ると決めていた名前。
「あたし……ううん、アイドルとしての『私』は夢宮瑠奈じゃなく、『末明(ほのか)せれね』として生きてくの」
自分に言い聞かせるように、小さく呟く。
それは、はじまりの魔法をかけた名前。夜空から、魔法のように歌で皆を照らせるように。
そしていつかは暗闇に輝く月と——皆のそばにいる存在だと名乗れるように。本当にそう名乗れるようになった時、彼女はルナというその名前に胸を張れると思うから。
ライブが始まった。
最初にDOGの有名なカバー曲を振り付きで歌うと、曲の知名度のお陰もあってか、通行人が想像以上に足を止めてくれた。その数、およそ20人ほどだろうか。
一曲目が終わった後、ゆずかが先頭で各々の自己紹介が始まる。瑠奈は、開演直前に固めた決意通り、末明せれねを名乗って周囲を——主にメンバーを驚かせた。
この時、ゆずかたち以外にも驚いていた者がいた。
集まったギャラリーの中にいた、
本条 小萩
である。
「瑠奈さん、すごいです! ついにスタートできたんですね! でもいつの間に改名したんでしょう?」
本人までは届いていないようだが、小萩はそんな疑問を声に出した。
彼女、小萩と瑠奈はクラスメイトだった。だから、瑠奈がいつもアイドルを目指していたことも知っているし、今日のライブも知っていた。
それでも、彼女の名乗った芸名は知らなかった。
小萩はなんだか瑠奈が輝いてみえて、羨ましくも思った。
「せれねさんですか、いい響きです! せれねさーん!」
一際大きな声で、小萩がギャラリーの後方から声を送る。今度は本人にそれが届いたらしく、瑠奈は笑顔で手を振ってそれに応えた。
それから少しメンバーのトークを挟んで、二曲目が始まった。これもまた、有名な昔のアイドルのカバーだった。
瑠奈の声は、メンバーたちの中でもその可愛さが目立っている。よく耳に残る声だった。ダンスは正直なところ今一歩の出来だったが、それを補ってあまりある歌声でギャラリーを惹きつける。
小萩がくれた声援もまた、彼女の力となった。
期待してくれるのなら、その心には応えたい。その思いが、瑠奈の歌声をより一層魅力的に彩っていた。
「なんて良いライブでしょう、これはぜひ、絵にしなければ!」
ライブを見ていた小萩は、そう言うとごそごそとスケッチブックを取り出した。そして、今目の前に広がっている光景をそこに閉じ込めるべく、筆を走らせる。
「瑠奈さんはきちんと本気で夢を叶えています。小萩も、絵を始めて一年になるのでそろそろ本気になりますよ!」
どうやら彼女の中で、何かが刺激されたらしい。絵師魂とでも言うべきだろうか。小萩は、懸命にスケッチを続けている。
二曲目が終わり、ギャラリーも最初より僅かではあるが増えたように見える。
小萩のように純粋にエールを送っている者や興味本位で覗く者がほとんどだったが、その一方で、温かい目線ばかりが向けられているわけでもなかった。
「……何、この出来は」
観客の中からゆずかたちを見つめ、
鬼崎 あやめ
は不満そうな声で小さく呟いた。彼女の気持ちは今、どん底にあった。何もそれはこのイベントを見たからではない。つい最近の、大きな失恋が原因である。
失われた恋があやめに与えたダメージはことのほか深刻で、学校はもう何日も無断欠席状態、バイトにも顔を出さずという日々が続いていた。
そしてそんな日々を過ごしているうち、あやめはすっかり笑い方を忘れてしまっていた。そんな気落ちした状態で当てもなく街をさまよっていたら、遭遇したのがこのイベントだった。
「やっぱり、残念なアイドルじゃない」
もう一言、あやめが呟いた。彼女が足を止めたのは、ゆずかたちのパフォーマンスに魅了されたからではない。大沢ゆずかを、前から知っていたからだ。
あやめの名字が鬼崎ではなかった頃……笑い方を、覚えていた頃のことだ。あやめはテレビの向こうで、その存在を知った。平凡で、やる気だけが無駄にあって空回りしている残念なアイドル。
それがゆずかに対する印象だった。
ただ逆に、その残念さ故に彼女の記憶にはこうして残っていたのかもしれないが。
家庭の事情であやめはその後叔父の元で生活するようになり、以前より自由な時間もなくなった。時間がなくなると、テレビももちろん見なくなって、芸能界、とりわけアイドルのニュースにもだいぶ疎くなった。もちろんゆずかの動向も、追うようなことはなかった。
ただ、脱退して寝子島で再スタートを切る、という噂は先日ゆずかが学校を訪れた際にちらりと耳にしたので、今日のこのイベントはそれ絡みか、と察することは難しくなかった。
彼女が足を止めた理由、それはただ他にすることもなく、昔聞いた名前をなんとなく懐かしく思った、それだけのことだった。
そのあやめは思う。黙って二曲ほど聴いてはみたものの、これ以上聞き続ける価値はあるのかと。しかしゆずかたちは、そんなあやめに気づくはずもなく、意気揚々と三曲目に入ろうとしていた。
「……ちょっと、待って」
気がつけば、思わずあやめは人の合間を縫って一番前まで進んでいた。そして、目の前のゆずかに声をかける。
「?」
突然の乱入に、目を丸くするゆずか。あやめは抑えていたものを口から溢れさせた。
「正直、アイドルを舐めるなって言いたい出来よ。他のメンバーも含めてね」
「えっ……」
その言葉に、ゆずかやメンバーが一瞬固まった。確かに歌もダンスも、まだトータルで見れば完成度は高くないかもしれない。しかし、まさかそれをここまで直球で攻められるなんて。
ゆずかたちは戸惑いを隠せなかった。しかしあやめ自身も、こんなことを言った自分に戸惑いを感じていた。
彼女たちを否定したかったわけじゃない。けど、じゃあどうしてこんな言葉を?
内側からにじみ出る当惑の思い。もっとも、その答えにあやめは気づいていた。
——夢に対してひたむきに一生懸命な彼女たち。それが、恋も夢も打ち破れた自分には眩しくて妬ましいだけだ。
それに気づいていながらも、あやめは必死に気づかないふりをした。
彼女の中でこんがらかったその気持ちは、意地悪な言葉となってゆずかたちに降りかかった。
「ねえ、私ね……今笑えないの。アイドルなら、私を笑顔にさせてみなさいよ」
無意識な願いにも思えたその言葉を、ゆずかは真っ向から受け止めた。
「あたしたちなりに精一杯やってたけど、力が足りなくてごめんね。でも、もしまだここにいてくれるなら、もう一曲だけ聞いてほしいの」
そう言うと、ゆずかはメンバーたちに目配せした。彼女たちも、こくりと頷く。ゆずかはマイクを口元に近づけ、ギャラリーの皆に、そして前列で生気を失った顔をしているあやめに向けて言った。
「聞いてください。あたしたちのオリジナル曲、『ゼントタナン』」
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担当ゲームマスター
萩栄一
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
動物・自然
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年02月04日
参加申し込みの期限
2014年02月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年02月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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