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chapter.6 ヘルプ!
エレベーターが五階に到着すると、羊は閉じ込められていたのが不安だったのか、ドアが開くと同時に飛び出した。
「きゃあっ!?」
そして、そこに運悪く立っていたのは
白浜 渚
だ。
これ以上ないくらい完璧なタイミングで、渚は羊にひかれた。そのまま羊は、どこかへ走って行ってしまう。
「うう……どうしてエレベーターに羊が……」
彼女は、ただ下に降りようとしていただけなのに。とんだ災難である。
「あ、眼鏡がっ……」
いつもは鉄壁のように彼女の顔に装着されている眼鏡が、ない。慌てて床を手探りで探す。指先に触れる感触はあった……が、それは彼女の知っている眼鏡ではもうなかった。羊との衝突で、レンズは砕けフレームはひん曲がっていたのだ。
「これではもうかけられませんね。困りました……満足いくお手伝いが出来るでしょうか」
ぽつりと、渚が呟いた。
そう、彼女はこれから噴水広場に行き、ゆずかたちのライブの手伝いをしようとしていたところだったのだ。そのためエレベーターで下まで降りて、噴水広場に行こうとした矢先にこれである。
このまま帰ろうか。しかし、一度手伝うと決めた以上、眼鏡の破損を理由に帰りたくはなかった。
渚は、少し先に自分の荷物が落ちているのを見つけた。先ほどこのmiaoで購入したばかりの、スーパーの袋だ。
「とりあえずは、向かいましょう。外は暑いですし、喉が渇いていたらいけません」
袋を抱え、再度エレベーターのボタンを押す渚。中には、ペットボトルの飲料が人数分入っていた。
◇
渚が噴水広場に到着した時、既にゆずかたちは集まって何かを話しているようだった。渚は、小走りで彼女らに近寄る。と、そこにはメンバー以外に
吉祥寺 黒子
もいるのが確認できた。
「にしても、ついに初ライブか。やっとこの日が来たって感じだな!」
「黒子ちゃん、来てくれてありがとう!」
ゆずかが笑顔で応じている。会話の流れから、黒子も今来たばかりらしいことがうかがえる。
「何言ってんだ、ファンとして応援に駆けつけるのは当然だろう、な!」
パンパン、と軽くゆずかの肩を叩いてから、黒子は皆の方を向いて言った。
「まあ、アレだ。今までの練習の成果さえありゃ、結果なんて自然とついてくるぜ」
だから、と黒子は言葉を続ける。
「気張らずに、自然体でいこうぜ!」
彼女のその言葉に、ゆずかたちは顔をほころばせた。ファンとして駆けつけてくれたのはもちろん、緊張していた自分たちを励ましてくれたことが嬉しかったのだ。
ありがとう、と彼女たちから黒子へ言葉がかけられる。それに応じながら黒子は、今回のライブについてゆずかに確認をとった。
「そういや今日のライブ、ゆずかたちはアカペラでやるのか?」
「え、あ、うん。そのつもりだったけど……やっぱり音がないとまずいかな?」
不安そうな顔をするゆずか。一応歌詞が出来た後でマネージャーに持って行った際、DOGが使わないボツ曲の中から一曲だけもらえることにはなったのだが、音源はまだ手元にない。
「まずい、ってことはないだろうけど、音があった方が盛り上がりはするだろうな」
「だよねー。うーん、どうしよ……」
困った表情を見せるゆずかに、黒子はくいくい、と自分の背中を指さす。
「?」
「大丈夫だって。なんのために俺がこれ持ってきたと思ってるんだ?」
言って、黒子が見せたのはギターケースだった。
「伴奏にギター弾いて、あんたらに相応しいメロディーを奏でてやるぜ!」
中からフォークギターを取り出しながら、黒子が言った。同時に、メンバーたちがワッと歓声を上げる。
「ほんとに!? ありがとう! そうと決まったら、早速本番前の最後の練習しようか!」
ゆずかが言うと、メンバーたちはすぐさま配置につき、フリの確認から入った。
やがてAメロをゆずかが歌い出すと、そのリズムに合わせて即興で黒子がギターを鳴らす。曲は、DOG110の有名なシングル曲だった。
「……ん?」
と、弾き始めてすぐに黒子は違和感を覚えた。ゆずかの歌が、自分の記憶に残っている歌と食い違っていたのだ。
黒子はギターを弾く手を止めた。
「?」
首を傾げ振り返るゆずか。そんな彼女に、黒子が言う。
「違う違う、そこはもう少しキーが高いだろ?」
「あっ、そっか! ごめんね!」
「まあ、まだウォーミングアップ中なんだろうけど、本番ではちゃんとな!」
「いやっ、うん、あの……うん!」
結構本域で歌っていたゆずかなのだが、恥ずかしくてそんなことは到底言えなかった。元々ゆずかの歌唱力は、こんなものなのだ。
ではなぜ、黒子はこれほどに高い要求をし、記憶との食い違いを覚えたのだろう?
それは、以前寝子島高校でゆずかと接触した時に生じた誤解のせいであった。ゆずかがトイレに入ったすぐ後で聞こえてきた歌声を、黒子は彼女のものだと思っている。
しかし実際は、その時たまたま居合わせた渚の歌声なのであった。その誤解は、ある意味で黒子にとって不幸と呼べるものかもしれない。
一曲終えたタイミングで、その渚が彼女たちの元へとやってきた。
「あ、あの……お手伝いにきました」
おずおずと、飲み物の入った袋を差し出しながら渚が言う。が、ここで彼女にとって予期せぬ事態が起こった。
「……?」
自分を見る目が、おかしいのである。まるで、初対面の人に話しかけられたような、そんな視線だ。
「あ」
渚はここでようやく、自分の現状に気づいた。そう、彼女は今、羊に眼鏡を壊されいつもの眼鏡姿ではなく素顔なのだ。
そして、素顔の渚はかなりの美貌の持ち主であった。眼鏡をしている時とのギャップが激しすぎて、渚だと気づいてもらえないくらいには。
「ええと……渚です。あの、この前お話させていただいた……」
ゆずかに向かって小声で名乗り、頭を下げる渚。ゆずかはその声や名前を改めて聞き、「ああ!!」と大きな声を出した。
「ていうか、え、ええっ!? なんか雰囲気がだいぶ違うけど!」
「羊にちょっと、潰されてしまいまして……」
「……?」
羊に潰されると、人はこんなにも美しくなるのか。自分も踏まれてみようかしら。ていうかこんな市街地に羊なんていたっけ?
そんなことが一瞬頭をよぎったが、あまり深くは追求しないことにした。
「手伝ってくれるの? ありがとう!」
改めて迎え入れられた渚は、メンバーそれぞれに飲み物を渡しながら質問をする。
「さっき歌っていたのは、DOGの歌ですよね? 今日はオリジナルの歌はやらないんですか?」
「へへー、ちゃんとオリジナルもやるよ! 振り付けとか歌詞も、自分たちで考えたんだよ!」
誇らしげに、ゆずかが言う。すると渚は、もうひとつ質問をした。
「良かったら、その歌詞、少しだけ見せてもらえませんか?」
ゆずかはそれに二つ返事で応じると、渚に歌詞の書かれた紙を見せた。最初は黙って読んでいた渚だったが、いつしか自然と、歌詞を口ずさんでいた。
「ゼントタナン ピンチダニャン……ふふ」
「うん? どうしたの?」
「あっ、い、いえ、可愛い歌詞だったのでつい頬が緩んで……あの、すいません」
「ううん、全然謝ることなんてないよ! ていうか笑顔になってくれてむしろ嬉しいし!」
グッと親指を立てて笑うゆずかを見て、渚の顔も和らいだ。
「あ、ちなみにライブは何時からなんですか?」
「18時からだよ!」
「あと1時間半あるかないか、くらいだな」
ゆずかに続くように、黒子が噴水広場の時計を見ながら言う。すると、黒子の視界にひとりの男子が映った。ヘッドホンを装着し、ギターを携えているその姿はミュージシャンのそれを思わせた。彼——
握 利平
は一体何をしているのだろうか。
答えは、特に何もしていない、である。
休日、何も用事がなかった利平はなんとはなしにギターを持ち出し、なんとはなしに噴水広場に来て、なんとはなしに近くで盛り上がっているゆずかたちを見ていただけだ。
女の子いっぱいいるなあ。いっぱいいるっていうか、おっぱいいるなあ。なんてことを考えつつ、利平はヘッドホンから流れる音楽を心地よく聞いていた。
「あっ利平くんだ。へー、楽器できるんだ」
黒子から少し遅れて、メンバーたちも利平に気づいた。その中で、同じクラスの円がそう呟いた。
彼にも演奏を手伝ってもらったらいいかも。そんなことを思った円だったが、その考えを口にするよりも早く、黒子が動き出していた。
「なあ、あんた」
ヘッドホン越しに話しかける黒子。何か呼ばれたのかと頭からそれを外した利平に、彼女は告げた。
「悪いけどよ、もう少ししたらここでライブがあるんだ。だから、もしここでライブか何かやろうとしてるんなら、場所移ってくれると助かるんだけどな」
黒子は、あくまでゆずかたちを思って進言しただけだった。円が提案するより先に話しかけてしまったという、タイミングの悪さがそこにあっただけで悪気は一切ない。何も知らない黒子が、彼をミュージシャンだと勘違いしてしまっただけのことなのだ。
そしてそれは、事態をおかしな方向へと誘ってしまうのだった。
「なんだって?」
利平は、黒子の言葉を聞いてすっくと立ち上がった。
「俺が、ここにいたら邪魔だってのか?」
「いや、そこまでは言ってないけどよ」
「路上占拠か?」
酔っ払いよろしく、黒子に絡み出す利平。
「まったく、miaoに行けば前衛的な造形の羊がいるわ、こっちに来ればおっぱいが路上占拠してるわ」
「おっぱい関係あんのか」
黒子が冷たい視線を向けるが、利平の勢いは止まらない。
「いいかよく聞け、路上はお前らのモンじゃねえ! 大体さっきから聞いてりゃなんだ、アイドルだのなんだのって。俺はあざといブリッコが嫌いなんだよ!」
「なんだと?」
話しかけたのはこちら側とはいえ、いきなり自分の応援しているアイドルたちを悪く言われて、良い気はしない。
「何も知らないヤツが、決めつけて言うなよ?」
そこに、渚も駆けつける。人見知りが激しく、大人しい彼女でもこの事態には一言言わずにはいられなかったようだ。
「あの……私たちはアイドルに心を打たれたり、憧れたりした結果ここにいます。それは、いけないことでしょうか?」
ふたりの女性に詰め寄られ、一瞬利平は後ずさった。が、勢いよく啖呵を切った手前、今さら引くわけにはいかなった。
「なんだなんだ、いわゆる追っかけってヤツか? 揃いも揃って……いいか、よく聞けよ!」
利平は大きく息を吸い込み、遠くまで聞こえるくらいの声で言った。
「いい年してアイドルなんかにハマってんじゃねえ!」
その声はあまりに大きく、この世界を飛び越えて別の世界にまで届きそうだった。もうちょっと詳しく書くと、いい年してアイドルにハマっているどこかのマスターにまで届きそうだった。
さらに、利平の暴走は続く。
「そんなに歌が聞きたいなら、俺が歌ってやる! 俺のソウルに酔いやがれ! 聴け、『OPPAI』!」
言うと、利平はギターを無造作にかき鳴らしながらシャウトした。
「O・P・P・A・I おっぱい! O・P・P・A・I おっぱい!」
たぶんサビと思われるそのフレーズにかぶせるように、利平は小声でちっぱいだのでっぱいだのとひとりコーラスを口ずさむ。
「取りそろえたる ソロリサイタル 揉んで揉んで 10回揉んで」
コーラスだったり、韻を微妙に踏んでいる歌詞だったり、ところどころにテクニックを散りばめているのが逆にイラッとする。そんなオーディエンスの反応を無視するように、利平は叫んだ。
「1000パーセント ファイヤー!」
ジャーン、とギターを鳴らして利平は腕を高く掲げた。完璧に決まったはずだった。が、恍惚から解き放たれて目を開けた利平が見たのは、冷たい目で自分を見る女性たちだった。
「……あれ? 響かねえのか? 俺のソウルは、オーディエンスに届かねえのか?」
「とりあえず、通報しないと……!」
渚が、ちょっとだけ先走って110番するべく携帯を取り出した。
「え、いやちょっ」
焦った利平は、「漁協に手伝いに行かなきゃ」と捨て台詞を残して全速力で広場から消え去った。
彼の歌はオーディエンスにこそ届かなかったものの、警察官の方々に苦情として届きかけたという。
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萩栄一
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
動物・自然
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年02月04日
参加申し込みの期限
2014年02月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年02月11日 11時00分
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