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パンツ、家出をする
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パンツとは何か、哲学的な問いである。
この問いに対し、自他ともに認めるフツー人間の
佐藤 英二
は確かな答えを持っている。
――それはパンツだ。
人と獣を分けるのはパンツ。股間を追おう薄布こそ文明の象徴なのだ。
それを失うこと、即ち、文明人失格である。
「それにパンツがないと、トイレで用を足した時、地獄の断頭台がごときズボンのファスナーの脅威に晒されちゃうんだよ」
ファスナーに愚息の表皮が巻き込まれるのは全男子の背筋が凍る恐ろしさである。
巻き込まれるべきモノを持たない女子は身近な男性に訊いてみるといい。その時、浮かべた表情が答えだ。
つまり、これは由々しき事態である。
樹々の生い茂る山道を進む英二は、ふとぱちぱちと何かが弾けるような音を耳にした。
――なんだろう? これは焚き火の音かな?
うっすらと木立の間に白い煙が立ち上るのが見える。
そこでは、
虹村 千秋
が横たわる丸太に腰を下ろし、焚き火にあたっていた。
千秋は英二の姿を認めると、あごでしゃくって座るように促した。
「座んな。ここまで来るのに随分疲れたろう。人間、たまには休んだほうがいいぜ」
「う、うん。ありがとう……」
促されるまま、英二は丸太に腰を下ろした。
「あのぉ、何してるの?」
「お前と一緒だよ、自分探しに、な……。あ、自分のパンツ探しに、な……」
「はーっくしょん!」
その時、茂みの向こうでくしゃみが聞こえた。
わさわさと鳴る下生えの間を抜けて、濡れたパンツたちがとことことやってきた。
「く、くそ……。あの小娘、我々を勝手に洗濯しおって……」
「この身体では思うように飛べんではないか……む?」
「のわっ! こんなところにも人間が!?」
千秋はパンツを一瞥し、空いている場所をあごでしゃくった。
「そんな身体じゃ風邪引くぜ。座んな」
「な、なにぃ?」
「焚き火ってのは神聖なもんだ。この前で争いごとなんて野暮はしないさ」
パンツたちは顔を見合わせ、焚き火にあたり始めた。
「……食いなよ、もう焼けてるぜ」
そう言って、千秋は川で獲った魚を差し出した。
「……いや、食えないし」
「そうかぃ。それは残念だ。んじゃお前が食いな」
「あ、ありがと……」
英二は、なんかよくわかんないけど……と思いながら、いい感じに焼けた魚にかじり付いた。
「んで、お前らは何が嫌で家出なんかしたんだ?」
「人間に支配されることに嫌気がさしたのだ。何故、我々ばかりがこんな屈辱な仕事をせねばならんのだ」
「……わかるぜ」
「我らに何故、このような力が宿ったかは知らぬが、きっとこれも我らを解放しようという天の導き。この機を逃す理由はない」
「……わかるぜ」
――本当にわかってるのかな、この人……。
と英二は千秋を見た。何を考えているのか、よくわからない。
「……で、どうしたら戻ってきてくれる?」
「戻る? 貴様らの元に戻る気など毛頭ないわ!」
パンツ達はカチンと来たのか、ぎゃあぎゃあ騒ぎ始めた。
――思った以上に、人間に不信感を持っているみたいだ。はぁ……。これじゃまるで社員全員にストライキを起こされて進退窮まっている零細企業の経営者の気分だよ。
ゲンナリする英二の向かいで、千秋はパンツたちの会話を「わかるぜ……」と言いながら耳を傾けていた。
一時間ほど時が流れたところで、千秋は焚き火を消した。
「もう、お前らの身体も乾いただろう」
「む……っ。人間の施しを受けたのは不服だが、一応感謝はしておこう」
「お前らの話を聞けて良かった。俺のパンツを上手く説得できりゃいいんだがな……」
そう言って、千秋は山の奥へと分け入っていった。
「ウチのパンツどこに行ってしもうたんや~」
宝石のような緑の瞳を皿のようにして、マリベルはパンツの行方を追っていた。
サクサクと鳴る緑の上を歩いていた彼女は、茂みの向こうを探索している圭花を見つけた。
「あんたもパンツ探しに来たんか?」
圭花はちらりとマリベルの姿を見ると「まぁね」と言葉を濁して答えた。
「しかし変な夢やなぁ。皆してパンツ探しとるんやから。ウチの深層心理ってどうなってるんやろ……」
「はぁ? 夢?」
怪訝な顔を浮かべる圭花だが、マリベルは気にせず先へと進む。
「こっちのほうに飛んできたと思うんやだけど……知らん?」
「どんなパンツなのよ?」
「紫のサテンに黒いレースのやつや」
「大人なパンツね……」
「そ、そうかぁ? じゃああんたはどんなパンツ履いとるんや?」
「誰が質問していいと言ったの?」
メガネを冷たく光らせ、圭花はピシャリと言う。
「そ、そんな全力で隠さんでも……。ははぁ。さてはあんた変なパンツを履いてるんやな?」
「そ、そんなわけないでしょ!」
「なぁなぁ。どんなパンツ履いてんのん?」
「うるさいわね……!」
ふと目の前の木の枝に、一枚のパンツが止まっているのが見えた。
白い花のドットパターンの、黒地の下着だ。
圭花の表情がぴしっと強張った。
「可愛らしいパンツやなぁ」
「そ、そうね……」
「……我を探しに来たのか。おまえに元に戻るつもりはない」
マリベルはきょろきょろと辺りを見た。
「なんや、あのパンツ。ウチらに話しかけとるみたいやで?」
「そ、そう……」
「もしかして、あれ、あんたのパンツ……」
「は、ハァ!? そ、そんなわけないでしょ! 私はあんな色気のないヘンテコなパンツ履かないわ!」
「……貴様、どのクチが言うか!」
パンツはムッとして圭花を睨んだ……パンツなので目はないが……そうしているように見えた。
「我がそんなに恥ずかしいと言うなら結構! もう二度と会うこともあるまい!」
「あ……!」
パンツは怒って飛んで行ってしまった。思わず伸ばした手を、圭花は胸の前でぎゅっと握りしめた。
「なんや、やっぱりあんたのパンツちゃうのん?」
「……う、うるさいわね! あなたのせいよ!」
「え? な、何が!?」
パンツを追って走っていく圭花を、マリベルはポカンとして見送った。
「……やっぱりこれは夢やな。めっちゃ不条理やもん」
――白地ににくきゅう柄の大人しいパンツさん。大切なのに……いなくなっちゃった……!
普段と同じ眠たげな目で林を歩く
恵御納 夏朝
ではあったが、その胸中は穏やかではなかった。
スカートに目を落とし、パンツ代わりに履いてきた水着に話しかける。
「ごめんね。しばらくの間だけ、お願い」
神魂の影響を受けたのはパンツだけであったが、夏朝はどうもそんな気はしなかった。
身の回りのもの全部が意志を持っているような気がして……。だから、水着にも申し訳なく思った。
「靴さんもいつもありがとう。すり切れないように大切に履くからね。あっ。靴下さんも本当にありがとう」
制服のブラウスも、スカートも、彼女の胸を優しく守るブラも。それからいつも手にある猫型パペットにも、日頃の感謝を伝えた。
「……でも、パンツさん。どうする気なんだろう。もう戻ってきてくれないのかな……」
ひとりでいると、ぐるぐる嫌な考えが巡るものだ。
――もし、パンツさん達が去ったら、人間は水着さんやおむつさんを使うようになって……パンツさんをほとんど作らなくなるんじゃ……。
結論:パンツ滅亡の危機
さぁーっと夏朝の顔が青くなった。
「た、大変だよぉぉぉーーーー!! パンツさぁぁぁーーーーん!!!」
「……今、誰かの絶叫が聞こえたような……」
パンツから逃げてきた舞は足を止めた。
肩で息をする円、刀、海も立ち止まった。
「パンツはもう追ってきてないようだな……」
汗を拭い、刀は言った。
『あの、かたなくん……』
「ん?」
海の見せたスケッチブックを見つめ、刀ははっと繋いでいた彼女の手を放した。
「わ、悪い。無我夢中だったから……」
『ううん。ありがとう……』
頬を桃色に染めた2人は、言葉を詰まらせ、目を逸らした。
円は、うーんと唸って、これからのことを考えた。
「パンツさん、すごく殺気立ってたみたいだし、どうしよっか……」
「くだらない事件だと思ったが、なかなか骨が折れるね」
明後日の方向から聞こえた声に、4人が振り返ると、そこに月詠が立っていた。
「旅鴉!」
「やぁ御剣。それに海も。お互い妙な事件に縁があるな」
友人の顔を見て安心したのか、月詠はかすかな笑みを見せた。
「おやおや、皆さんおそろいで」
そこに、タイミングを見計らったように、瓢が現れた。
「骨削。お前、さっきパンツたちとなんか話してなかったか?」
そう。さっき4人が集落の様子を窺っていた時、確かに彼が何かパンツたちと話しているのを目撃した。
「……ああ。戻ってきてくれるよう頼んでみたんだけどねぇ。話がこじれちまったんさ」
「ああ、そうだったのか」
ふぅん、と納得した刀を見て、しめしめと瓢は笑った。
「けどねぇ、どうも危険なのはパンツだけじゃないようだよぃ? 特に女の子にとってはねぃ」
「どういうことです?」舞は怪訝な顔で尋ねた。
「それが、ラッキースケベを狙って男たちが山に入ったみたいなんさ」
「ラッキースケベ……」
「お、俺は違うかんなっ!」
身の危険を感じて狼狽する刀だったが、2人は気にも留めていなかった。
月詠と円の頭には1人、その言葉から連想される人物の顔が浮かんでいた。
「彼が何かやらかそうと言うのなら、捨ておけないな……」
「潰す……」
にわかに殺気を放ち始める2人に、瓢はまたしてもしめしめと思った。
――あっし好みに混沌としてきたよぃ。
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担当ゲームマスター
梅村象山
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年01月29日
参加申し込みの期限
2014年02月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年02月05日 11時00分
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