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[TOS]レメディ
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●Etsi omnia vana
七枷 陣
は、膝に手をついた姿勢のまましばらく動けなかった。
ようやく、たどり着けた。
意識が飛ばないよう唇を噛みしめる。
廃工場は夕焼けを背にしている。元から黒いのかもしれないが、逆光のせいでほとんど影絵のようだ。
陣の右手はぼろぼろの布で巻かれており、滲んだ血はもうとっくに乾いている。唇は乾いて割れ、喉は砂を詰めたように渇いていた。顔色はきっと最悪だろう。それくらい、鏡を見なくたってわかる。
それでも陣の足は動いた。
ここが新しい拠点か。
ボロっちい新居だけど、住めば都というからね。案外、冷暖房完備だったりして。
陣は苦笑した。笑うと肺のあたりが痛んだ。
鉄扉に手をかけようとして、背後から声がした。
「……陣?」
振り返った。
七枷ラムが立っていた。目を見開いて、口も半ば開けている。
信じられない、と言うかわりにラムは無言で陣の胸に飛び込んできた。思ったより力強くて陣はよろめいた。右手に激痛が走ったが、構わなかった。
「あ……あたし、幽霊を見てるの!?」
「こんな重症の幽霊はいないと思うよ」
「でなきゃ夢!? じゃない! 夢のはずない! 陣の匂いがする、陣だ、陣だ陣だ陣だ──!」
途中からは涙まじりの、意味をなさない言葉の羅列に変わっていた。
「ラム、ラム。ちょっと待って、僕、怪我人……」
「知らない! うるさい! どこ行ってたの! 死んだと思ったんだよ! ずっと、ずっと——!」
「ははは、お恥ずかしながら帰ってきましたよ、ってね」
ラムは陣の頭を抱え込むようにして、その場にずるずると座り込む。こうなると陣も地べただ。ラムはもうなりふりかまわず、空を見上げてわんわんと泣いた。
陣は黙って、ラムが泣くに任せた。急かす気にはなれなかった。
ようやく落ち着くと、ラムは陣の耳にささやいた。
「……待ってたよ」
「道しるべ、ありがとな」
「陣なら、気づいてくれると思ってた」
ラムは言った。絞り出すような声だった。
「ここが、陣の居場所だよ」
ラムがまたぎゅっと力を込めた。陣は左手だけでその背中を抱いた。
「ただいま」
「お帰り」
「でも」
陣は少し間を置いた。
「もうすぐさよならだ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
前回シナリオ
[TOS] 狂気日食
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2026年07月08日
参加申し込みの期限
2026年07月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2026年07月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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