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寝子島高校
大都会の真ん中で
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【猫マンガも充実】
ネオネコジマ。日本有数の巨大都市。経済の中枢、眠らぬ不夜城。灰色のアーバン・ジャングル……実に数十階クラスのビルが立ち並び、灯るネオンや電光掲示板は失せることもなく輝き続け、それらを動かす人々の流れもまた留まることはありません。
寝子島ではなくネオネコジマ、似て非なる世界へと、
綾辻 綾花
と
早川 珪
は迷い込んでしまったようです。デートのさなかに、ひょっこりと。
「あら。ここはキャットロードじゃないですね?」
「また不思議なことにでも巻き込まれたかな」
とまあ慣れたカンジのおふたりですもので、そうそう慌てたりはしません。どっしり構えて、観光気分。むしろこの大都会を満喫してしまおうってなくらいです。
「寝子島にあった建物は、どうなってるんでしょうか? 私と珪さんのおうちとか、寝子高とか。木天蓼大学とか」
「気になるね。見に行ってみようか」
なんとまあ、この灰色の山々にガラス窓がはまった威容の並びはふたりを圧倒しましたけれど、見ればその地理は大きくは変わっておらず、あるべき場所はそのままであるようです。
つまり、
「わ。私のアパートが、タワーマンションに……!?」
ででーん。どどん! そびえる20階建てマンションの一室が、綾花のお部屋だったりしました。なんともはや、最上階です。この雄大な眺めときたら!
「人があんなに小さく……自分のお家なのに、なんだか落ち着かないです」
「……僕の家もこんな感じなのかな」
もちろんそんな感じでした。珪さん宅は38階で、窓から吹き込む強い風や差し込むぎらぎらな陽光にさえくらくらしてしまい、ふたりはたまらず天空から地上へと逃れたのでした……住まいは身の丈にあったところがイチバン!
しかしながら、不思議な感覚です。たしかに寝子島の小ぎれいなアパートでふたり、つつましくも幸せな生活……そんな記憶はあるのに、ネオネコジマでのタワマン住まいもまた、よくよく考えれば記憶にあったりします。夜景を眺めながらにあの38階の部屋でディナーを楽しんだ覚えだってあるのです。
「ヘンな感じだね。どちらも現実というか。記憶が重なって、層をなしているような」
そんな風に薄皮をめぐるかのような記憶の探求が、奇妙ながらも新鮮な心持ちをもたらします。たとえば目の前にある、木天蓼大学のキャンパスです。
「なんだか、少し大きいような」
「でも、このくらいだったような気も。はは、不思議だね」
巨大な都市は数多の人々の記憶を包み込み、光と影は多層をなして重なり合いながら存在しています。まさしく、珪の言うとおりに。揺らめく綾花の記憶や思い出もまた、甘いミルフィーユのごとくに重なり合っているのかもしれません。
続いて足を向けた寝子島高校、綾花にとっては懐かしい母校であり、珪さんにとっては通いなれた職場でありましたけれど、
「……大きい、ですね」
「かなりのマンモス校だね、これは」
思い出の中の面影に乏しく、けれど記憶の中にはそれが当たり前として存在している、ネオネコジマの寝子島高校は、一学年に5000人はいそうな超・マンモス校となっておりました。でかい!
「ううん……」
綾花はちょっぴり、複雑です。
「なんだか寂しいです。懐かしい寝子高とは違ってしまったみたいで……今の学校の記憶もあるから、混乱しちゃいますけど」
「分かるよ。あの古めかしくもあたたかみのある校舎には、どこか、風情があった……」
と。なにやらはっとして、珪さんは綾花の手を引いて歩き始めます。
「珪さん?」
「いや。もしかしたらと思って……ああ。良かった、ここは変わらないみたいだ」
やってきたのは、正門前です。少しばかり悲しく沈んでしまった綾花の心にも、ぽわっと明かりが灯りました。
「校門から続く桜並木は、そのままですね」
「この世界に高校を開いた誰か……こちらでも、
桜栄 あずさ
理事長のおじいさんかな? 彼も、この景色までも変えようとは思わなかったみたいだね」
綾花の肩を抱き寄せて、彼はほっとしたように微笑みます。
大仰なマンモス校となっても、寝子高へ舞い散る桜吹雪だけは、変わらないようです。
古書店『OLDLYNX』へ足を向けると、これまたびっくり。
でででん、どどん!
「あっ、ちょっち綾花ちゃん、聞いておくれよ~! 珪さんも! なんか今朝からヘンなんッスよ~、心がふたつあるみたいでさあ!」
巨大書店『OLDLYNX』の押しも押されもせぬ店長さん、
馳 つるぎ
はそう言って頭を抱えました。
「つるぎさんもやっぱり、寝子島の記憶が……?」
「ふたりも? いやー、そりゃああたしもさあ、いつかは店をデッカクしてやるぜ~とか、野望が無かったわけでもないけどもさあ。こんなにデッカイの、あたしの手には負えないって!」
フロアはなんと5階建て。最新の小説にマンガに実用書、多種多様な雑誌類に、マニアックな専門書やら参考書やら。写真集も画集も、なんだって揃っちゃう街の本屋さん。
たしかに便利……なのですけれど、綾花はやっぱり、あの旧市街にたたずむこじんまりとしたお店が懐かしくなってしまいます。
「すごい品数ですね、充実してる……あっ! ね、猫関係の本がこんなにたくさん!?」
「え、マジ? うわホントだなにこれ、これが老舗書店のパワーってやつ? なんつー数! ほら見てよ珪さんも、にゃんこコーナーの充実っぷり!」
「店が大きくなるとこういう恩恵もあるわけか。悩ましいね、ははは」
大都市ネオネコジマなら流通もバッチリ、寝子写真集だって猫マンガだって、簡単に全巻揃ってしまいます。手に入ってしまうのです。
古き良きOLDLYNXの魅力は心に留めながら、今だけはその恩恵に与るにゃんこ好きたちなのでした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
コメディ
SF・ファンタジー
NPC交流
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2026年05月03日
参加申し込みの期限
2026年05月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2026年05月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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