～にゃんこ西暦２２２年～ねこネコ王国祭！！｜リアクション

～にゃんこ西暦２２２年～ねこネコ王国祭！！

　　【皆で猫カリカリを食べよう】

　「わぁっ、色んなお店がありますね！」
　綾辻綾花の言う通り、屋台には何でもそろっているかのようでした。
　綾花は途中でまたたびで物々交換した肉球印のノートを手にして、目に入る光景をコミカルかつファンシーに絵にして回り。
　そして、街並みの王さま誕生日の猫たちを、事実を幻想的にアレンジして、どんどんとファンタジックに描いていきます。
　こうして、ノートは表紙を残してあっという間に一杯になってしまいました。

　恵御納夏朝は、お店探索に余念がありません。
　屋台で出ていたお店は本当に沢山ありました。
　例えば、猫ご飯のカリカリみたいな食べ物がポップコーンみたいに売られているお店や、お魚や鶏ささみとか、猫さんが好きそうな食べ物も色々あって。
　その中には、子猫さん向けのおもちゃにリボンやアクセサリーまで見受けられました。
　「…買ったら、元の世界に持ち帰れるかな？」
　「ここでの屋台の品物は来客用だから持って帰れるニャ。危険なものも売ってないからニャ～。王さま誕生日は安全第一だにゃん！」
　そんなやり取りの中を、遠矢護が後からこっそり覗いて、割り込むのも恐れ多そうな弱々しい声で告げました。
　「あ、その猫カリカリみたいなの……僕も買ってもいいかにゃ……？」
　「じゃあ、綾辻さんの分も買って皆で食べよう。
　だって、献上の列……」
　夏朝が王宮らしきものの方角を目にすると、もう人がずら～っと並んでいるではありませんか。
　遠くで、あと描けるスペースは表紙くらいのスケッチを終えた綾花が、お菓子を受け取ると嬉しそうに微笑みました。
　「あ、買って下さってありがとうございます。
　それにしても……王さまはあの一番上に座るだなんて、猫の王さまも大変なお仕事なんですね」
　話を聞いていた屋台の店員さんが言いました。
　「今年は来客が多いから大変だって誰かが言ってたにゃ。ささ、献上の列に並ぶなら今のうちニャ、お昼くらいからが一番混むのにゃ」
　三人は慌てて、途中購入した猫のカリカリフードを大きくしたようなものをかじりながら、王宮の階段を急ぎ上り始めたのでした。
　

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