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パカっと駆けてウマくいく!新春初夢☆福笑い満開フェア 鷹編
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夢の輪郭は、いつも水の匂いから始まる。
塩素でも海水でもない、どこか甘みのある水だった。空の色も曖昧で、昼なのか夕方なのかわからない。茉奈は気づけばプールサイドに立っていて、足の裏にやや熱を持ったタイルの感触だけがやたらとはっきりしていた。
水面が揺れている。
向こう側で桜が笑っているのが見えた。プールの端で膝を折り、水から半身だけ出した姿のまま、隣の匠に何か言っている。真面目な顔の匠が、珍しそうに視線を逸らしているのが遠目にもわかって、茉奈は口の端を上げた。あの子ったら、また何か言ったな。どんな強がりも桜には通じないのに、匠くんはいつまで経っても気づかないんだろうか。
「笑ってる」
声が、すぐ後ろからした。
振り返ると、カノンが眩しそうに目を細めて水面を見ていた。髪が少し濡れていて、肩からタオルをかけている。夢の中だというのに、細部までよく見えた。
「桜がね、また匠くんを赤くさせてる」
「そりゃ桜らしいな」
茉奈は少し得意げに言った。自分の友人が気に入られているのが、なぜだか嬉しかった。カノンは低く笑って、だろうな、と返した。さらりとしたその相槌が、茉奈には心地よかった。
二人でしばらく並んで立っていた。プールは広くて、夢にしては妙に静かで、遠くの笑い声だけが水に吸われるように小さくなっていった。風もなかった。それなのに、空気が動いている感じがした。
「ねえカノン」
「うん」
「なんかここ、すごく遠い気がする」
うまく言えなかった。遠い、というのは距離の話ではない。現実から、ということでもない。ただ、今この場所が、とても遠いところにある感じがした。いろんなものから切り離されて、自分とカノンと、水と光だけがある。
カノンはすぐに答えなかった。横を向いたら、彼も水面を見ていた。
「いい場所じゃないか」
それだけだった。
でも茉奈はなぜか、その一言で胸がいっぱいになった。
そのとき、水面が変わった。
光だった。水の底からではなく、表面から──波紋のように広がって、中心に集まっていく光の粒が、気づいたら形を成していた。茉奈は手を伸ばしていた。気づいたら、ではなく、引き寄せられていた。手のひらに、なにかが落ちてきた。
花弁だった。
白に近い、淡いピンク。現実には今が何月かなんてどうでもよくなるような、一枚だった。ひらりと手のひらの中心に収まったそれを、茉奈は息をのんで見つめた。脈、のようなものが走っている。葉脈ではない。文字だった。
細い、細い線が集まって、言葉を作っていた。
千年の春、今ここに極まれり。
意味はわかった。わかったのに、すぐには声にできなかった。ただ胸が、ぎゅっとなった。胸の奥の、どこか柔らかいところを、やさしく押された感じがした。
「茉奈」
カノンの声だった。
振り向くと、彼が少し前に出て、水面の光を見ていた。その横顔に、さっきまでとは違う何かがあった。やわらかくて、どこかあたたかい。普段の気さくさとも、情熱的な眼差しとも違う、もっと穏やかな表情だった。
「見てた?」
「ああ」
短い返事だった。でも、それで十分だった。
茉奈は花弁を握らなかった。握ったら消えてしまいそうで、開いたまま、ただ持っていた。カノンが隣に来た。肩が、そっと触れた。
「おみくじみたいだな」
茉奈は笑った。声に出して笑えたのが、ちょっと意外だった。
「大吉より上じゃん、これ」
「そういうことだな」
遠くで、桜の笑い声がした。明るくて、底抜けに楽しそうな声だった。匠のぼそっとした声が続いて、また桜が笑った。仲がいいなあ、と茉奈は思った。真面目なもの同士で、お互いにちゃんとわかってる感じがある。
茉奈はそちらに目をやって、またカノンの横顔に戻した。
水面の光は、まだ揺れていた。
花弁はまだ手のひらにあった。消えていなかった。
こんなにいいことが重なるなんて、夢みたいだな、と思った瞬間に──茉奈の意識は、ゆっくりと薄れていった。夢の中にいながら、夢が終わっていくのを、なんとなく知っていた。
それでも後悔はなかった。
ちゃんと、受け取ったから。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2026年01月02日
参加申し込みの期限
2026年01月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2026年01月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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