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パカっと駆けてウマくいく!新春初夢☆福笑い満開フェア 鷹編
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柔らかな日差しが瞼を擽ったけれど、まだ微睡んでいたい……というのとは、少し違う。
どこか清廉な香りを胸に吸い込み、500年以上の歩みに思いを馳せる
アリス・ミーティア
にとって、次に瞳を開くのは覚悟を決めたときになるからだ。
滑らかな素材の手袋が触れるのは、ボリュームあるプリンセスラインのスカート。大きく開く胸元もビスチェが綺麗に支えていて、背筋ごと気持ちを正されていく気さえする。
こんな瞬間を夢見なかったわけではない。でも、夢見るだけではこの先へ歩むことなどできない。
見目にも考え方にも幼い部分の残るアリスだが、さすがに節目の日を迎えたとあって大人になったのだろう。気ままに酒を楽しんでいた独身時代の終わりを自覚し、どんな未来をパートナーと描こうかと考え――大きな疑問が立ちはだかった。
(誰が……私と?)
そっと臍上で手を握り、よくよく考えてみてもパートナーのことが思い出せない。
馴れ初めどころかプロポーズ、まして顔や名前だって。一種のマリッジブルーかなと無理に笑ってみるが、その表情がどんどん張り付いていくのを自覚し、アリスは本当に心当たりがないかと自身に問いかけた。
例えば、勤め先のBarアストラルに冒険者が不思議な飲料を持ち込んだ説。
しかし何かと不思議なことも多い星幽塔でも、別に無法地帯というわけじゃない。自分もお酒とあらば喜んで口にしてしまうところはあるが、思考も正常な今は前後不覚になるほど酔ったわけでも、幻影薬の類いに惑わされていることもなさそうで、この説は可能性として低いだろう。
では次に、何らかの事件に巻き込まれている説。
あまり褒められたことではないが、自分はどちらかというと騙されやすい性格をしている。何か情に訴えかけられたとか、とりあえず詳細はあとで話すから助けてくれなどと言われたら、易々と同意してしまう可能性は否めない。困ったことになっても、持ち前のポジティブさでどうにかなると判断したが最後……という部分は大いにあるが、やっぱり話に乗った記憶すら無いため違うはずだ。
(となったら、一番辻褄が合うのは――夢!)
そうに違いないと確信して、アリスは思い切り瞳を見開いた。
少し大人びた化粧の施された自分と目が合い、鏡の中の姿を上から下へ。どこからどう見ても、今の自分は花嫁姿で、醒めそうにもない気配に思わず相棒の気配を確かめる。
こんなときでも銃を備えているなんて、自分らしいというか夢にしては可愛げに欠けるというか。苦笑する余裕を取り戻したアリスは控え室のような場所から飛び出し、直感に従って建物内部を突き進んでいった。
重厚な扉を前に、決戦の気配を感じ取ったアリスは自ら生花があしらわれたヴェールを下ろす。
誰かに守ってもらう必要はないし、送り出してくれるエスコート役も待っていられない。ブーケの代わりに携えた愛用の銃さえあれば、どんな敵地でも恐れることはないし、本当に嫁ぐのならこれが立派な嫁入り道具だ。
何が飛び出るかと胸を弾ませ、扉を開け放つ。目映いステンドグラスの光に阻まれてよく見えないが、確かに白いタキシード姿の人が立っていて、こちらに微笑んだようにも見えた。
(……お手並み拝見ね)
バージンロードを一人で歩くアリスの歩幅は、スカートの裾を捌く必要があったにしても大胆過ぎたが、相手は動じない。よく知る相手なのだろうか、式の体裁さえ保てればいい詐欺師なのかと考えている間にも祭壇の前へと辿り着き、アリスは先手を打つため微笑んだ。
「あなた、私と結婚したいの?」
視線は外さず、軽く身を沈めてご挨拶。カーテシーのようでいて、素早く相棒に手をかけられるようにという思惑もあった仕草は、我ながら様になっていた気がする。
理由はどうあれ結婚式だ。この瞬間の自分は花嫁なのだから、誓いを口にし隣を歩く花婿には切望してもらわなければいけない。
しかし、相手は何も答えなかった。甘言のひとつどころか手を差し出す素振りすらないのは、これが本当の式で感極まっているのか、相当な奥手なだけか……それとも、何かが仕掛けられているのか。
ふむ、と考え込んだのは一瞬のことで、アリスはすぐに姿勢を戻して手を差し出した。触れる許可を与えるようにすれば何らかの反応があると思ったが、動いたのは花婿ではなく――アリスの手袋にあしらわれたリボン。
【包み隠せぬ想い、今こそ解き放て】
するすると解けたリボンは空中を舞い、煌めきの中に文字を浮かび上がらせる。
お告げのようでいて、閃きのようでもある不思議な言葉は、アリスを突き動かしヴェールを捲り上げさせた。
「相手が誰かは、あとでいいわ。でも私……ちゃんと幸せになるつもりよ」
切望するのは相手ばかりじゃなく、自分もだ。誰かに告白されるのを、愛されて幸せにしてもらえるのを待つばかりだなんて、らしくない。相手に飛び込み翻弄するくらいでなければ、せっかくの甘さにも慣れてしまう。
「それは『いつか』なんて未来じゃなくて、『私が決めたとき』なの」
問うのは相手の気持ちより自分の望みだと確信すれば、厳かな鐘が鳴った。
夢の目覚めを誘うように一度、未来へ送り出すように一度。慌てたアリスはドレスを翻してチャペルの外へと飛び出していく。
「だから、待ってなさいよ旦那様っ!」
結婚式で聞こえるはずの三度目は響かせない。その音色は――最高の幸せを掴んだその日に聞くものだから。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2026年01月02日
参加申し込みの期限
2026年01月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2026年01月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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