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パカっと駆けてウマくいく!新春初夢☆福笑い満開フェア 鷹編
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冬の夜道は、光でできた川のようだった。
商店街の軒先から軒先へ渡された電飾が、白や金、淡い青にまたたいている。
綾辻 綾花
はその下を、
早川 珪
と手を繋いで歩いていた。
吐く息は白い。指先には、手袋越しにも彼の体温が伝わってくる。
「きれいですね」
「そうだね。去年より増えた気がするな」
珪が見上げた先で、星形の灯りが風に揺れた。その横顔を見ているうちに、綾花の口元も自然とほころぶ。
こうして夜の通りを並んで歩くことも、手を繋ぐことも、今では特別な許可を要さない。
それなのに綾花は、店先の飾り時計を見かけるたび、つい時刻を確かめてしまっていた。
七時十二分。
次の時計は、七時十九分。
急ぐ理由などないのに、胸のどこかが落ち着かない。
「さっきから時計ばかり見ているね」
やがて珪に言われ、綾花はぴたりと足を止めた。
「すみません。帰りたいわけじゃないんです」
「うん。それはわかってる」
責める響きはなく、むしろ困らせないように先回りする声音だった。
高校生だった頃、放課後に図書室で話が長くなれば、帰宅が遅くならないよう区切りをつけられた。校外で偶然会っても、先生と生徒として守るべき距離があった。
あの頃の珪が正しかったからこそ、綾花もその線を越えようとはしなかった。名残惜しくても、時計を見て、帰る時間を自分に言い聞かせた。
その癖だけが、今も指先に残っているらしい。
「今夜は引率じゃないよ」
珪が、繋いだ手を軽く持ち上げる。
「綾花さんが帰りたいと言うまでは、もう少し一緒にいられる」
「……本当に?」
「もちろん。明日の予定に響かない範囲で、だけどね」
最後のひと言がいかにも珪らしくて、綾花はふふっと笑った。
「では、まだ帰りません」
「承知しました」
わざと改まった返事のあと、彼の親指が手の甲をそっと撫でる。
胸の奥で、昔から鳴り続けていた小さな時報が、ようやく止まった気がした。
二人が商店街の中央まで来ると、古い時計塔が見えた。
煉瓦色の支柱に丸い文字盤を掲げた、昔から変わらない時計だ。電飾の光を受け、金色の縁だけが淡く浮かび上がっている。
長針は十二へ、短針もゆっくりと同じ場所へ近づいていた。
綾花は何となく、珪と並んでその動きを見守った。
カチリ。
針が重なった瞬間、文字盤の内側へ淡い光が走った。
【時は満ちた。全ての瞬間が、貴方の味方】
「おみくじ……でしょうか」
「時計に出るとは、ずいぶん洒落てるね」
不思議そうに笑う珪の隣で、綾花はその言葉を何度も胸の中で読み返した。
待った時間、言えないまま飲み込んだ言葉……近づきすぎないよう、自分の足を止めた日々。
それは、ただ失われた時間ではなかった。
あの頃に守るべきものを守ったから、今、後ろめたさなくこの手を握れる。先生と生徒ではなく、互いに選んだ恋人として同じ夜を歩いていける。
「私、待っていてよかったです」
綾花が言うと、珪は少しだけ目を細めた。
「僕も、今こうしていられてよかったと思ってる」
「昔に戻って、何かをやり直したいとは思いませんか?」
「思わないな」
答えは静かで、迷いがなかった。
「今の綾花さんと歩けるなら、それでいい」
胸がいっぱいになり、綾花は繋いだ手に力を込めた。
「私もです。今を選べて、よかったです」
時計塔の鐘が鳴り、澄んだ音が冬の商店街へと広がった。電飾の光まで一斉に揺れたようで、やっぱり光の川を歩いているように見えた。
もう慌てて話してしまわなくても、時計が意地悪をしているように感じることはない。言葉少なに隣を歩いて、合わせてくれる歩幅の優しさを感じながら、ただ手を繋ぐだけでも幸せに思う。
次の鐘で、綾花は目を覚ました。
枕元の時計が、朝の時刻を告げている。
夢だったのだと気づいても、不思議と寂しくはなかった。
今日は珪と出かける約束がある。待ち合わせまでは、まだ少し時間がある。
綾花は布団の中で目を細め、胸元へ両手を重ねた。
会えるまでの時間さえ、もう焦れったいだけではない。
これから珪に会える自分を作ってくれる、幸福な待ち時間だった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2026年01月02日
参加申し込みの期限
2026年01月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2026年01月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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