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LIQUID -Star Chronicle- 不死創製編
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【躍る! マジカルパフォーマーズ(3)】
『ソーヴィニオン・ハロウィン・フェス』と冠するイベントは、いかにも堅苦しくいかめしいワインツのイメージを払拭した。そこかしこに踊るジャックオーランタンにゴーストに……これは文字どおりに踊っている、ゆらゆら揺れたりたかたかたんとステップ踏んだり、実になんとも楽しそうだ。石造りの家々はどれもこれも飾りつけが施されて、どの家の屋根の上にもコウモリが舞っている。紫色の空には銀の三日月。帝都のメインストリートには、普段はあまり出番がないこの季節限定のアバターを取り出し着込んだプレイヤーキャラクターたちが集い、列を成している。どうやらトレード機能を利用し、トリックオアトリート! とお菓子を交換し合うのが流行っているようだ。
「はいっ、トリックオアトリート!」
「お菓子くれなきゃ、イタズラしちゃうぞ~?」
「わあ、おにいちゃんもおねえちゃんもにあってるね!」
マユラとアヤトも列の中へ混ざり、楽しんでいる。ハロウィンらしいバックミュージックに肩をゆらしながら、子どもたちの一団とお菓子交換。すこしおまけしてキャンディを多めに渡してやると、ぼんやり光るゴーストコスの男の子も、キョンシーの女の子も、伝説の騎士の甲冑をガチガチに身に着けた子も。きゃっきゃと喜んでくれた。
「ははっ、子どもは無邪気だなあ」
「そうね、見てるとなんていうか……こう」
「うん?」
「なんていうかさ。なんていうんだろ」
「心洗われる、みたいな」
「あ、うん、それ! そんな感じ」
口にするのがはばかられるようなクサイセリフもすらすら、さらりと言ってしまう彼である。そんな一面も彼の好きなところだ。いや、考えてみれば彼はバンドマンなのだから、オシャレで気取ったリリックなぞに触れる機会も多いのだろう。つまり慣れというものだろうか。
「うん? それを言ったら声優だって同じよね……」
言葉を口にすることへいささかの気恥ずかしさがともなうのは、まだまだプロ意識というものが足りない証であるのかもしれない。などとマユラが己を省みていると、アヤトが指をさした。
「おっ、なんだあれ? なんかイベントでもやってるのかな?」
「ステージがあるね。音楽フェス?」
アヤトに手を引かれて、盛り上がる会場をのぞけるカフェの二階席へ。バフ付きのハロウィンメニューを注文して、席へとついた瞬間に、
「っ!!」
響き渡る歌声が、マユラの胸を鮮烈につらぬいた。
「め、メリンシャ先生! トップアイドルになるのって、大変ですね……」
「あたりまえっ!! 道は厳しく険しいわっ、でもあなたなら必ずたどりつける! さんぜんと輝く、スターの星にっ……!!」
自称プロデューサー、メリンシャのアイドル指導は苛烈を極めた。大挙して押し寄せるモンスターをシャウト一発、物理的に押し返す発声練習。往来にて歌声を披露し、映像をねこったーにアップロード。1000人にいいニャをもらえるまでログアウトできまセン! 体幹を鍛えるため断崖絶壁綱渡り、ならびにその状態での耐久歌唱レッスン……などなど、心身ともに酷使するハードな訓練が目白押し。
それでもホリアは、彼女の要求するすべてをこなしてみせたのだ。喉がかれるほどに声を張り上げ、まさしくトップアイドルたらんと全力でぶつかり、無理無茶難題をことごとくに跳ねのけてみせたのである。
ちなみに、メリンシャは実のところマジカルアイドルの転職クエストとはなんら関係が無く、NPCでさえなく、たまたまアイドルの卵を見つけただけのアイドルマニアないちプレイヤーであることにホリアが気が付くのは、もう少し先のことである。
「えっ、アイドル選手権……?」
「そうよっ!! ハロウィン・フェスにあわせて開催される、かちぬきアイドル選手権!! 光満る舞台へ立ち、あなたの実力をファンに見せつけるのよっ!!」
「ええ~~~!?」
そんなわけで、ワインツ帝都ソーヴィニオン。メインストリートにあふれるハロウィンコスプレの観衆たちを前に、ホリアはちょっとばかり腰が引けていた。
「うわあ、すっごい人の数……私これから、あそこで歌うの?」
「心配いらないわっ!! 自信を持ちなさいっ、貴女の実力はホンモノっ! その歌声は必ずや、聴衆のハートを撃ち抜くわっ!!」
びしりとサムズアップ。彼女にそう言われるとたしかに、なんだかそんな気がしてくるから不思議だ。
「勝負は一対一の勝ち抜き戦っ! 観客の支持をより多く得たほうが次のアイドル・バトルへ進むのよっ!!」
「あ、アイドル・バトル……!」
「自分を信じて戦い抜きなさいっ! 決勝の舞台で誰よりもきらめきを放つ貴女の姿、楽しみにしているわっ!!」
「はい、先生!」
ことここにいたり、ホリアの決意と覚悟は定まった。満員のファンが詰めかけるステージへ、力強く足を踏み出す。
「リキッド大陸のトップアイドルに、私はなるっ!!」
つま先から頭頂まで駆け上がる、鮮烈な衝撃だった。
「……すごいなあ」
思わず称賛がマユラの口からはもれた。
エジプト風、砂漠の踊り子といった装いでホリアは腰をくねらせ、健康的な褐色の肌を汗に濡らし、しなやかに腕をひるがえしては高らかに声を響かせる。晴天のように澄み渡り、どこまでもよく通る声だった。
「ほ、ほんとに私、アイドルやれてるかも……! 先生の教えはホンモノだったんだね!」
ペットのメジェドたちもリズムに合わせてぴょんぴょん、ステップ。
ハロウィンフェスのアイドル・バトルは一対一の勝ち抜き戦で、観客のより大きな声援を受けたものが勝利し、次の挑戦者を迎え撃つ。ホリアはここまで、破竹の十連勝。圧倒的勝利もあれば僅差でもぎ取った勝利もあり、一喜一憂を観客たちも、そしてホリア自身も楽しんでいた。
「みんな、応援ありがとー! どんどん行くよーっ!」
くるりと回ってブイサイン。帝都ソーヴィニオンは虹色に包まれ盛り上がった。
その様を、マユラは一心に見つめていた。
マユラはアイドルになりたいわけではないけれど、まぎれもなく表現者のひとりだ。その駆け出しの卵だ。ステージで輝く彼女もそう……決してプロではないけれど、あんなにも魅力的で、素敵で、そして舞台の上の彼女はどこまでも、自由だ。あんなにも楽しそうだ。
声優を志した瞬間のことを思い出す。夢は壮大でどこまでも広がり、ぎらぎらと熱く燃えていた。そこに立っているのは自分のみで、誰に遠慮することもなく、誰とくらべることもなく、マユラ自身のための夢であったはずだ。
「よおーし、オレたちもいこう!」
「……えっ?」
ぐっと握りこぶしのアヤト。にやり笑んだ彼に、マユラは目をぱちくり。
「要するに対バンみたいなもんだろ? それにマユラちゃんなら、アイドルだってやれちゃうさ」
「ええ? あたしがアイドルって……」
「細かいことはいいさ、いっしょにステージを盛り上げられればなんだっていい。マユラちゃんとまたいっしょにやりたいんだ。なっ、乗るだろ?」
白い歯見せて、無邪気な瞳。
たしかにそうだ。難しく考えすぎていたのかもしれない。歌や踊りで楽しませる、楽器をかき鳴らす、キャラクターに命を吹き込む……どれもファンを楽しませることに変わりはない。
マユラは胸に手を置き、己の魂へとたずねて、答えを導き出した。
「やったね、また私の勝ち♪ ここまできたら、いけるとこまで行っちゃうよ~。お?」
「次の挑戦者は、あたしたちよ!」
アヤトのギターがうなりを上げ、舞台へと乱入したマユラがホリアに負けじと澄んだ歌声を響かせた。すべて憂いを払拭し、風に乗せてどこまでも届きそうな発声は、これも声優業のたまものだ。
ホリアは慄然とした。これまで勝ち進んできたアイドル・バトル、次の相手はどうやら格が違うらしい。思わずちらと、舞台袖を覗き込む。
「相手が誰だろうと、関係ないわっ! 貴女の全力を見せつけてやるのよっ!」
と、親指立てたメリンシャの目が語っている。ホリアは微笑み、うなずいた。
「いいバトルにしようね! ていうか、君とはセッションしたいくらいかも。だってなんだか、楽しそうなんだもん」
「ふふっ、それもいいね♪ でもあたしについてこれるかなー? アヤト、いくよ!」
「ああ、やってやろうぜ、マユラちゃん!」
彼女らの奏でる、枠をこえた多重奏は虹色の波動となって客席のギャラリーを包み込みながら、どこまでもどこまでも響き渡る。映像は観客たちによってSNSに広められ、一時トレンドを席巻したという。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
バトル
ゲーム
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年10月22日
参加申し込みの期限
2025年10月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年10月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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