ある休日の一日｜リアクション

ある休日の一日

「寝子高２年のヤタです、こんにちは！」
　ほっこり話している修たちに、鏡は話しかけた。
　鏡としては、どんな面白い話が手に入るかという魂胆である。
　帽子被りにサングラスの鏡を、普段仕事中の鏡と同一視することはないだろう。
　いや、同一視されては鏡にとって面白くない。スイッチの切り替えは大事だ。
　そうしてバレないまま時間は過ぎていた。
「本日最後の出来立てパンデスー！」
　店員の声が響いて、鏡は席を立った。
「それじゃあ、私はパン買って帰りますね。お話たくさんありがとうございました」
　修と茉菜に礼を言い、鏡は愛すべきパンの元へ。
　これから買うのはお土産用。仲間たちにもこの『キムンカムイ』を宣伝するためだ。餅は餅屋だが、内勤スタッフにも情報を流そう。
　そうだ、と鏡は思いついた。

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