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【午後のカフェにて】
ある秋の土曜日の午後。
椎井 莉鳥
は、シーサイドタウンをぶらぶらしていた。
特に用事もなかったが、家にいる気分でもなかったので外出し、シーサイドタウンにまで足を延ばしたのだ。そして、そろそろ帰ろうかと考えた時だった。
「椎井先輩!」
「中倉さん?」
呼ばれてふり返るとそこには、高校時代の陸上部の後輩、
中倉 琉歌
がいたのだった。
琉歌の方は、今日は練習は休みだったが、自主トレをする気にもなれず、ふさいだ気分をどうにかしようと、シーサイドタウンへ買い物に来ていた。
気持ちがふさいでいるのには、むろん理由がある。
陸上部の秋の記録会が近く、それに対するプレッシャーのせいだった。しかも、記録も伸び悩んでいる。
高校生の小遣いではたいしたものも買えなかったが、街をぶらついているだけでも気分転換になった。
それで、そろそろ桜花寮に帰ろうかと考えていたところに莉鳥を見かけて、思わず声をかけたというわけだ。
莉鳥に片思いしている琉歌だが、最近では月に1、2回は莉鳥と会うようになっていた。しかし、今日は本当の偶然だった。
「こんな所で会うなんて、驚いたわ。今日は、練習はお休みなの?」
「あ……はい。椎井先輩は、買い物ですか?」
莉鳥に問われてうなずき、問い返しながら琉歌は、思わず「『椎井先輩』……か」と胸に呟いた。
本当は、莉鳥を下の名前で呼びたかった。だが、自分の名前が嫌いな莉鳥は、呼ばせてくれない。
(それは私だけじゃないから、ホッとしてはいるけど……私たちが、先輩後輩でしかないんだなって感じさせられて、嫌なのよね……)
心の中で思って、琉歌は小さく唇を噛む。
彼女のそんな思いには気づかず、莉鳥は「ええ、まあね」とうなずいた。
莉鳥の琉歌に対する印象は、「飄々とした、本心をつかませない子」だった。今日もそれは変わらない……と思ったものの、ふと莉鳥は内心に首をかしげる。
(でも今日は、どこか暗いような……? 何かあったのかしら)
胸に呟いてつと視線を上げると、ちょうどその先にカフェがあった。
「せっかく会ったんだし、そこのカフェで少し話さない?」
「はい」
彼女がそのカフェを示して水を向けると、琉歌もうなずいた。
カフェに入ると莉鳥はエスプレッソとスフレを、琉歌はカフェラテとクッキーを注文する。
「何かあったの?」
注文したものが運ばれて来ると、莉鳥は尋ねた。
「顔に、出ちゃいましたか。……実は、記録会を控えているんですが……」
琉歌は、素直に今の自分の状態を話し始める。
そんな彼女に、莉鳥は思った。
(アドバイスを求めているというより、話を聞いてほしいといった感じね)
それで、時おりカップを口に運びながら、莉鳥は黙って話を聞いた。
琉歌は、胸に重くのしかかるプレッシャーや、練習しても伸びない記録のこと。それに対する歯がゆい気持ちや辛さなどを、正直に莉鳥に語った。
やがて話し終えると、彼女はようやくカフェラテを口にする。
それへカップを置いて、莉鳥が言った。
「気持ちはわかるわ。私も記録会の前は、よく強いプレッシャーを感じたものよ。初めての記録会の前は、あなたと同じで、練習してもなかなか記録が伸びなくて辛かったわ」
「椎井先輩も……ですか」
琉歌は驚いて問う。莉鳥はうなずいた。そして続ける。
「その時ね、私……練習するのをやめて、鎌倉へ旅行に行ったの。周囲の人には、私が練習を投げ出して、逃げ出したように見えたかもしれないわ。……いえ、本当にそうだったのかも。当時の私は、周りがみんな、記録を伸ばせない私をダメな奴だって言ってるような気がして、知ってる人がいない所に行きたいって考えていたから」
話しながら莉鳥は、昔を思い出して、小さく苦笑した。
旅行といっても、高校生だ。たいして金もない。だから、鎌倉に行った。朝早くに寝子島を出て、一日鎌倉を観光し、安い民宿のような所で一泊した。翌日も一日鎌倉をぶらついて、夕方寝子島に戻って来た。その間は、陸上に関することはいっさい目にしないようにしたし、できるだけ考えないようにした。
そんな当時のことを、莉鳥は淡々と話す。
「それで、どうなったんですか?」
琉歌に問われて、莉鳥は告げた。
「すごくすっきりして……今までのプレッシャーが嘘みたいに消えたわ。記録会でも、実力が出せた」
小さく笑って、付け加える。
「案外、一度離れてみるのも、いいかもしれないわよ」
「はい」
うなずいて琉歌は、カフェラテを一口飲んだ。
そして、ふいに、気持ちが軽くなっていることに気づいた。
どうしてだろうと考えてみて、莉鳥に話を聞いてもらえたせいだと思い至る。
(私にとっては、これが鎌倉旅行と同じだったってことかしら。それとも、好きな人に話を聞いてもらえたから、それですっきりしちゃったってこと?)
心中で首をかしげるが、とにかく気持ちが楽になったのは本当だ。
彼女はすっきりした気持ちで、目の前の皿の上のクッキーに手を伸ばした。
「美味しい」
口の中でサクサクと崩れていくクッキーは、ほんのり甘い。
「元気になったみたいね。よかったわ」
それを見て言うと、莉鳥もスフレを一口食べた。
それはふわりと口の中で溶けて、思いがけず美味しい。
(話を聞くために、適当に入ったお店だけど、案外当たりだったのかも)
彼女は胸に呟き、店名を覚えておこうと、メニューに記された名前に目をやった。
それへ琉歌が声をかける。
「ここのお店、初めて入ったんですけど、美味しいですね」
「そうね」
うなずく莉鳥に、琉歌は続けて言った。
「次に会う時も、このお店にしませんか? 季節によって、限定メニューとかもあるみたいですよ」
彼女が指さす先には、季節限定のパンプキンパイのポスターがあった。
「次の機会があればね」
莉鳥の心が思わず揺れたのは、パンプキンパイに対してか、それとも琉歌の「次に会う時」という言葉に対してか。よくわからないままに答えて、莉鳥はスフレをもう一切れ口に入れ、エスプレッソと共に飲み込んだ。
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あとがき
担当マスター:
織人文
ファンレターはマスターページから!
参加いただき、ありがとうございました。
マスターの織人文です。
今回は、単純に一緒にごはんを食べるだけでなく、その前段階として「一緒に作る」アクションをしてくださった方も多く、とても楽しく書かせていただきました。
参加いただいたみなさまにも、楽しんでいただけると幸いです。
またの機会があれば、よろしくお願いします。
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担当ゲームマスター
織人文
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年09月20日
参加申し込みの期限
2025年09月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年09月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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