寝子高七不思議シリーズ：骨格標本さんが転んだ？｜リアクション

寝子高七不思議シリーズ：骨格標本さんが転んだ？

　理事長室前では、イタリアン料理の世界が作られていた。
　テーブルにはイタリア国旗をデザインしたクロス。
　テーブル上にはゆらゆらと揺らめく灯り。
　座り心地よさそうな椅子もある。
　ワイングラスと白いプレート皿。
　そして、きりっとした執事姿の円と、シェフの姿の刀がそこにいた。
　物陰から様子をうかがっていた海が、骨格標本が歩いてきたのを見つけると。
『きたよ！』
　とスケッチブックに書いて円たちに見せる。
　準備万端整った円と刀に緊張が走る。

　骨格標本は理事長室前のイタリアンレストランに向かって、迷いなく歩いている。
　みんなが見つめる中。
「ブオナセーラ。お客様、どうぞお座り下さい」
　椅子を引き、骨格標本に促す円。
　素直に従う骨格標本。
　椅子に座ると、流れ出すイタリアの音楽。
　ＣＤデッキを持ち込み、イタリアの流行音楽を用意していたのだ。
　イタリアンな雰囲気が更に醸し出される。
　シェフ姿の刀が、チーズを運んできた。
　モッツァレラ、スモーク、ブルー、カマンベールなど、様々な種類がある。
　続けて円が高級な赤ワインを取り出した。
　骨格標本の目の前にあるワイングラスに注がれる。
「お客様、どうぞごゆっくり」
　そういうと、円は集まってきていた仲間にこう言った。
「みんなも一緒に食べない？　みんなで食べたほうがきっと美味しいよ！」

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