寝子高七不思議シリーズ：骨格標本さんが転んだ？｜リアクション

寝子高七不思議シリーズ：骨格標本さんが転んだ？

「アングロサクソンかな」
　標本の顎を持ち上げて見つめる修。
　年代ものではないな、と感じている。
「ヨーロッパ出身なら僕と一緒だ」
　楽しそうに観察するレイ。
「生物部の誰かが動かしてるってことはないよね？」
　犯人はもれいびだと確信していた飛鳥に、美野梨は残念ながら、という表情をする。
「そんなことをする部員は決していないわ」
　部員に絶対的信頼を持っている。
「だったら、部員以外の誰かかもしれない」
　修の発言に飛鳥も乗っかる。
「最近様子が変な子、または先生がいるかもしれない」
「その辺りを調べないといけないな、夜までに」
　天野の提案に、その場にいた全員が賛成した。
「じゃあ、それぞれ情報を集めてこよう」
　すばるがみんなの目を見て。
　そこへレイが。
「待って！　その前にやっておきたいことがあるんだ！」
　そういって、リュックから大量の本を骨格標本のまわりに囲むように立てた。
　さらにチョークで位置をマークしていく。
「なるほど、動いたらこれでわかるな」
　修が感心して言う。
「念のためにこれも。動いた証拠にもなるし、標本の足の裏にも色がつくわ」
　美野梨はチョークの粉を標本の足元に撒いた。
「暮れるまでまだ時間はある。日暮れ前までにもう一度ここに集合しよう」
　すばるの掛け声でみんなは情報収集に散った。

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