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寝子島高校
渚のにゃー太
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久方ぶりの来訪だ。前回寝子島へやってきたのは何時のことだっただろうか。
青山 絢
は感慨深く寝子島駅からの眺めに目を細む。
もはや「訪れる」とか「やってくる」と言い表さなければならない程、今の絢は寝子島の住人とは言い難くなってしまった。俳優としてデビューし本格的な仕事が舞い込むようになり、てんてこ舞いのまま都内へ移住してしばらく経つ。寝子島高校を卒業したのがまるで昨日のことに思えるがそれももう数年も前のことだ。そう考えるといささかの寂寥も湧き上がるが、故郷へ錦を飾りに凱旋したとも言えようか。
「懐かしいです?」
小首を傾げて覗き込む、少女と言っていいくらいの幼さ残す微笑に曖昧な笑みを返す。
「まぁ、そうですね。少し」
「思い出の場所とかあります? あるならぜひそちらも回りましょう。スケジュールは今日一杯もらってるので、ゆっくりでもいいですよ」
『写真女子旅』という番組がある。小柄で童顔の彼女は若くしてそのディレクター兼カメラマンである。女優、芸人、アスリートに料理研究家、毎回多彩な「今回の旅人」を招いて彼らが思い出の地を写真へ収めていく様を描く紀行番組は、忌憚なく述べるなら視聴率はそこそこ、低予算少人数がモットーで編集も素朴、身軽なフットワークだけがウリのようなものだ。しかしこれで長寿番組でもあり、コアで熱心なファンも多いのだという。
「さっそく何枚か、いかがです? パシャっとね」
くりくりとした瞳に乞われるようにして、カメラを取り出し寝子島駅の駅舎を撮影する。折に触れて写真を撮ること、撮影する絢自身の姿や表情、感情の機微を美しい風景と共に映像へ切り取るのがこの旅の趣旨だ。絢の記憶と今を写真に込め、その一枚へ思いを馳せると不思議な感情が湧いてくる。そんな時に浮かべた顔を撮りたいのだとディレクターは言う。
「うん、いいのが撮れましたね! 次はどこに行きましょうか」
「あの。前園さんは、寝子島は初めてでしたよね?」
絢が問えばディレクターは小動物めいてこくりと頷く。
「でしたらやっぱり……寝子島といったら、猫の島ですから。猫を撮りたいって思うんです」
「いいですね!」
と旅に一つ条件を加えたが、さりとて特別なことをする必要もない。何せ猫の島だ、歩けば猫に出会うのが寝子島だ。それにここで生まれ育った絢には心当たりがいくつもあった。
一枚、また一枚とシャッターを切りながら旧市街を歩む。
「わぁ、素敵な風情ですね! えっと、もりのゆさん、かな? 思い出の銭湯さんですか?」
「何度か来たことはあるけど、そうじゃなくて。ここの裏手に……あ、いたいた」
杜の湯近くの、いわゆる猫だまりというやつだ。寝子島にはいくつもこういった場所があるが、銭湯の周囲などはボイラーから漏れだす熱が心地よいのか猫たちが集まりがちなのだった。
「みんな、元気にしてたかな? うん、毛並みもつやつやだし健康状態もばっちりね」
絢がカメラを取り出すと、ディレクターも無言で撮影を始める。阿吽の呼吸、なかなか彼女とは相性が良いと思う。
シャッターを切る。三毛猫サビ猫トラジマ猫、どれもこれもが愛らしく止められない。寝子島へ戻ってきたのだと今更ながらに実感が沸いた。
「! 薊ちゃん、久しぶりだね。元気にしてた?」
やってきた白黒のハチワレ猫をひょいと抱き上げる。馴染みの猫だ。くりくりと喉元をくすぐってやると、猫は気持ち良さそうにごろごろと鳴きながらに言った。
「元気にやってるよ~。絢ちゃんも元気そうだね」
「おかげ様で。今日はスタッフさんがいるから、小声でね」
「うん、分かってるよ~」
薊と呼んだこの猫は絢にとって特別な一匹であり、霊界からやってきた猫又であった。絢や顔見知りの前でだけ言葉を話す薊は友人であり、寝子島へ帰るとこうして近況報告に訪れるのだった。
「お仕事は順調? うん、順調そうだね」
と猫は言う。
「分かるの?」
「杜の湯の番台横のテレビに時々映ってるの見るから。っていうのもあるけど……いい顔、してるからさ」
にゃぁと見上げた猫の目に、何だか頬が紅潮した。そんなところを横合いから撮影するディレクターのカメラにますます朱色は深まった。
軽い近況報告を経て、薊とは別れて別の場所へ向かうことにする。猫だまりに響く鳴き声たちにまぎれて「またね」の言葉が耳に届き、絢は胸へとその言葉を抱き留めた。
寝子島を巡る。猫を巡る。シャッターを切り彼らの姿を写真へ収めながら、ディレクターのカメラが絢の上機嫌や喜びに綻ぶ頬を撮影する。我ながら無防備な顔でありこれが昼時のお茶の間へ流れるのかと思うとやや気恥ずかしくもあるが、今や女優なのだ。それが視聴者を楽しませるのであれば、誇らしくもあった。
星ヶ丘教会近くのボス猫を優しい手さばきで撫で、キャットロードで白猫と遊び、寝子ヶ浜海岸で馴染みのブチ猫がヤドカリを追い回すの止めてみたりする中で、ふとディレクターが尋ねた。
「青山さんにとって、寝子島って、どんなところですか?」
肉球をぷにぷにとやりながらしばし悩み、やがて答えた。
「魂の置き所、かな。いつか帰る場所……都会で仕事をしていて、刺激的で自分の成長にもつながるけれど、時にはこうやって何も考えず、猫と触れ合う時間が必要なんです。それが私だから」
飾らない等身大の言葉だがなかなかテレビ受けするコメントとなったのではなかろうか。やがて視聴者へと届けられれば共感を誘い、少しばかり油断した絢と猫たちのツーショットに心を和ませることだろう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
NPC交流
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年08月31日
参加申し込みの期限
2025年09月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年09月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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