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渚のにゃー太
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どんな旅路を経てここへたどりついたのだろうと
綾辻 綾花
は想像する。豊かな毛並みの白猫ときたらツンと澄まして胸を反らし、何だか気品に満ちている。きっといずこかの王国にて、美しく優しい姫君の愛猫として可愛がられていたのだろう。王国には七色の魔法が満ちている。餓える者も病める者もなく幸福な国なのだ。白猫は魔法を帯びて生まれた特別な猫で、翼を持っていた。パステルな桃色をした艶やかでちょっと小ぶりな翼をぱたぱたとやり、白猫は国中を飛び回る。姫君の願いを叶えるべく東奔西走、魔法の力で国民の悩みを解決してゆくのだった。
「……みたいな!」
「ははは。夢のある話だね」
綾花の膝の上に乗りながらも人間には媚びず、甘い声の一つも上げない白猫だが
早川 珪
も気に入ったらしい。不用意に触れてご機嫌を損ねるのを恐れてか彼は細めた目で微笑ましく見つめた。
白猫はりぼんという名で呼ばれているらしい……例えばくたびれたサラリーマンなどが暗い顔をしてキャットロードのベンチへ沈み込むように腰かけたとする。そうするとりぼんはどこからかやってきてその膝の上に乗り、甘えるでもなく餌をねだるでもなくただその気品あふれる毛並みを撫でつけよと言外に命ずるのだ。抗う余地もなくサラリーマンが不器用にも背を撫でると、あら不思議。彼の凹んでいた心も身体的疲労もいつのまにやら溶けるように消え去り、明日への活力が湧いてくるのだとか。真偽はさておき少なくともキャットロードを訪れる者たちにはまことしやかにそう語られているようである。
「まぁ、可愛い猫と触れ合っていたら、誰でも癒されてしまうよね」
と珪は言うも、綾花はいやいやと首を振った。
「りぼんちゃんの癒しパワーは特別なんです! 私も何度か会ううちに、すっかり虜になっちゃいました。ね、りぼんちゃん?」
ツン、とお澄まし。しかし綾花の手渡すにぼしはぱくりと享受する。気位が高く見えて気さくな一面もお持ちのようだ。
「それで、魔法の国はどうなったんだい」
「えっ?」
「いや、気になってね。綾花さんの語る物語が」
問われて少々頬を赤く染めた。頭に湧いた突飛な空想を物語と称しても良いものだろうか。しかし珪の瞳に滲む期待の煌めきには抗えず、白猫の背にマッサージを施しながらおずおずと口を開く。
「魔法の猫は桃色の翼をぱたぱた、あっちへ行っては病気を治し、こっちへ行っては怪我を治し……」
王国は大いに栄え長く繁栄した。魔法の猫は何代もの姫君に仕え、その力を民草のために行使し続けた。そうするたびに主は微笑み、愛おしく猫を撫でてくれた。
猫は常に幸福の中にあったが、悲しむべきこともあった。魔法の猫に寿命は無いから、どの主たちも先に光の国へ旅立ってしまうのだ。何人もの姫君を見送ってきた猫は、もう悲しい思いをしたくなかった。
魔法の猫の功績を称える式典のさなかに、猫は奇跡を降ろしにやってきた神へと願った。「神様、私の行いをお褒め頂けるのなら、どうか一つだけ、私にご褒美を下さい」と。白い豊かな毛並みを揺らして訴えかけた。
「私に寿命を下さい。そうしてここではないどこかへ……この幸せの国ではなく、迷える人々がたくさんいる世界へ私を送ってください。私は限りある輝かしい命を得て、迷える人々の側に寄り添い、彼らと同じ時を生きてゆきたいのです」
「なるほど……君は、ただ一匹の猫としての人生を願ったんだね。あ、猫生かな?」
珪の言葉に綾花はくすりと笑む。猫は相変わらず不愛想ながら、綾花の紡ぐ物語を聞いた後ならそれも、高貴の表れと見えてくる。
綾花も乗りに乗ってきて、弾むように続けた。
「神様はその願いを聞き入れて、魔法の猫を、一匹の普通の猫へと変えてくれました。桃色の翼は解けて、くるくると猫の周りを巡り、やがてしゅるりと尻尾の先へ巻き付いて、ピンク色のリボンになりました。神様によって猫が送り届けられた世界は、寝子島といって、何だかのんびりとしてのどかな雰囲気で、でもそこには疲れて迷える人々がたくさんいます。猫はベンチに座る暗い顔をした男の人の膝の上に乗り、彼を癒しました。もう猫に魔法の力は無いけれど、どんな世界にいたって、猫の癒しパワーは変わりません。男の人はすっかり元気になると、ピンクのリボンを巻いた白猫をたくさん撫でて、ご飯をくれて、最後にこうお礼を述べたのでした。ありがとう、りぼんちゃん!」
語り終えると綾花は白猫のように澄まし顔を浮かべたが、その頬はやはり紅潮している。珪はそれを見て吹き出すと、笑いながら綾花の肩を抱き寄せた。
「君には物語を作る才能があるかもしれないね」
「そ、そうですか? 何だか恥ずかしいです」
「いや、とても良かったよ。それに……」
「それに?」
「りぼんちゃんも気に入ったみたいだ」
ちょっとした暇な時間を空想で埋めたのみであったが、口頭ながらに出力してみればなかなか楽しんでもらえたらしい。白猫のリボンを巻きつけた尾だって、何だか機嫌良く揺れていた。
「次はどのお店に行きましょうか」
「そうだね、向こうの古書店はどうだろう?」
「いいですね。行ってみましょう!」
白猫のりぼんと別れて再開するのは古本探し。猫が活躍する絵物語など探してみようか。しかし見つからなくともそれはそれでいい。綾花の語る猫物語が、二人の過ごす一時をぷにぷにする肉球の感触めいて彩ってくれるだろう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
NPC交流
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年08月31日
参加申し込みの期限
2025年09月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年09月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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