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渚のにゃー太
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水着ガールズバーの副店長などと名乗ると大抵は怪訝そうな、あるいは訝しむような顔を向けられたりもするものだが、分かる者には分かるのである。
「おーっす」
「あっ、真境名さんいらっしゃい! 今日もビーチマットですかね?」
例えば寝子ヶ浜海岸で浮き輪にビーチチェア、パラソル、ハンモックに砂遊びセットまでレンタルしてくれるこの青年もまた、
真境名 アリサ
の魅力の真なるところを理解する一人だ。
「うん、いつものあたしのお気に入りをお願い」
「今出しますねー。そういや週末、真境名さん店出てます? 俺、今週は行けそうなんで!」
「おーいるいる、もちろんいるわよー。絶対来てよね、気合入れて踊ってあげるから。あなたのために、ね」
「ま、真境名さぁ~ん!」
愛想を振りまき、ビーチチェアを受け取って浜辺へ降りる。週末になれば彼は放っておいても『ジュエル』へ足を運んでくれるだろう。それでいてサービスを忘れないのはアリサの副店長の矜持が故にだ。客は大切にすべきだし、店の内外で態度を変えたら彼が来店した時に十全な楽しみを得られるとは限らない。まぁ、距離感を誤ったような無粋な客なら袖にするも止む無しだが。
「ん~~~っ」
まだまだ夏の暑さは砂を焦がし人を焼く。伸びをし、Tシャツとショートパンツを脱ぎ去ると目を惹くエメラルドグリーンが現れた。今年はこのお気に入りのビキニが大活躍だ……何しろ長く厳しい夏であった。
平日の海岸に人はまばらだ。不規則な生活リズムの数少ない利点を享受する。夜の仕事は大変なことも多々あるが、こういう時には少しばかり得した気分にもなれた。
入念に日焼け止めを塗り、ビーチマットへ身を横たえる。この夏はすっかりこのマット君のリピーターとなってしまった。何しろふかふかで寝心地最高なのだ。スマホで厳選したプレイリストを流すとサングラスをかけ、思う存分没入する。リズムと波音がシンクロし始める頃には思考もろともに雑念は吹き飛び、頭の中は心地良い音楽と潮風が髪を撫でる感覚だけになってゆく。青と白の平面に、刻むビートと共に溶けてゆく。
「……ふが?」
そうして半ば眠りに落ちていたアリサを引き戻したのは何やらもふもふとした重たい感触だった。無遠慮にもビーチマットへ乗り込んだ毛玉がみゃあとあくび混じりに鳴くと、アリサは目を見開いた。
「おーっ、猫ちゃん! どこから来たの? 可愛いわね」
そういえばアリサファンのあの青年が言っていたのを思い出す。ここらに住みついている何匹かの猫のうち、ブチ猫の一匹はにゃー太と呼ばれているらしい。活動的で人懐っこく、釣り人にエサをねだることで周辺の人々にはすっかり顔馴染みであるそうだ。今日も浜辺で日向ぼっこでもしようとやってきたところに、ちょうど良い寝床を発見したというところだろう。アリサの柔らかな胸などは大層具合の良い枕となるに違いない。
にゃー太はちらとアリサを振り返るも我関せずと、アリサにもたれたまま目を閉じ、やがてすやすやと寝息を立て始めた。
「う~ん。撫でたら怒るかな……?」
身動き取れず思案する。我が身が猫へ良質な睡眠を提供するのならばとも思うが、それはそれとしてこんなにもぴたり寄り添っているのだから、撫でるくらいはしたい。こんなにも温もりが伝わるのだ、そんな欲求が湧くのも無理からぬことだろう。
「ちょこ~っと、失礼しますよ~……っと」
眠りの邪魔をしては悪いと遠慮がちに背中へ手を乗せてみる。反応は無い。少し大胆に、頭を撫でてやる。みぃと寝ぼけたような声を発するも嫌がるそぶりはない。徐々に慣らし、背中から頭頂までを撫でさすり額をくりくりとしてやる。何とも気持ち良さそうな声が漏れた。
「ほれほれ、ここがいいのんか~」
もはや遠慮なし、全力で愛でる。にゃー太もこれで人の手に慣れているのだろう、四肢を弛緩させてされるがままだ。
午後になりいささか日差しは強まったが、このくらいが丁度良い。からりと乾いたこの暑さこそ夏というものだ。張り切りすぎて熱中症などになっては元も子もないが、今日くらいの気温ならそう心配はあるまい。考えることは同じなのか、無人だった浜辺には数名の客がサーフィンを楽しむ姿も見て取れた。彼らが身につけているウェットスーツの蛍光色がきらきらと波の向こうに瞬く。海面に上がる飛沫は陽光に煌めいて、宝石の欠片が舞い散るかのようだ。脇腹の温もりを感じながらにうっとりと眺めるうち、いつしかアリサも良質な眠りへといざなわれた。
目を開くとあの温もりが失せていて、アリサはぽっかりと心に胸が開いたような気がしたが、杞憂だったようだ。
「何してんの、にゃー太? もう、可愛そうじゃないの」
無情にもヤドカリを追い回す猫を抱き上げる。抗議するように一声上げるも抵抗するそぶりはない。むしろ安堵したようにアリサの胸へ身を預け、もう一眠りと言わんばかりだ。
「ふふっ。このままウチに来る?」
そうもいかぬと分かりながらも、別れがたくそんな風に尋ねた。もちろん猫は答えてくれない。それでいい。彼は人の手に己を預けぬ孤高の野良猫でありながら釣り人のおこぼれを狙う経験豊富なハンターでもあり、強かだ。次の休みにでもまたここを訪れたなら、気のない振りをしながらもふらりとやってきて、アリサの手に柔らかな毛並みを触れされてくれることだろう。
少し強く吹いた風に身を縮め、にゃー太を抱きしめながら満足するまで浜辺を歩いた。
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あとがき
担当マスター:
網 透介
ファンレターはマスターページから!
網です。
猫のお話でした。
寝子島といえば猫ですね。
何匹か地元猫を登場させてみましたが、また別の機会にも登場することがあるかもしれません。
もしご希望でしたら、アクションでご指定いただけば登場させることもできるかと思います。
お気に入りの子がいたらぜひどうぞ。
それでは、また次回に。
網でした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
NPC交流
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年08月31日
参加申し込みの期限
2025年09月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年09月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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