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渚のにゃー太
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「ああ、うん。予定通りだね。分かった、それじゃ三日後に」
七夜 あおい
が後追いで帰省を果たすまで数日ある。その間に何をして過ごそうかと
八神 修
が考えた時、点けっ放しにしていたテレビに青い海がきらめいた。大船に乗り荒波を乗り越え一本釣り、巨大マグロを引き上げる漢の浪漫がそこには展開されていた。
そうして予定は定まった……無論船出をしてマグロを釣り上げるのではなく、もっと身の丈に合ったやり方だが。修はテレビをオフにすると、遠く届く波の音に耳を傾けた。
釣り具はレンタルすることにした。寝子ヶ浜海岸にはそうした店がいくつかある。そんな店舗のひとつを訪れると、店主が竿と餌を手渡しながらにこんなことを言った。
「お客さん、そこらで釣るならさ、にゃー太に餌でもやっちゃくれないか? おこぼれでいいからさ」
「にゃー太? 猫ですか」
「そうそう、海岸に棲みついててさ。ここらの店の連中みんなで面倒見てんの」
願ってもない。修は無類の猫好き動物好きであるから、一時でも釣りの友ができるなら歓迎だ。釣り上げた小魚の一匹も分け与えてやるのもいいだろう……釣れるならばだが。そちらにはいささか自信が無かったりする。
「さてと」
堤防の一画、ちょうど日陰となっているところへレジャーシートを敷きパイプ椅子を置く。竿を構え針へ餌を突き刺すと、海面へと投げ込む様は思いの外オーバーハンドとなった。届くかどうか確信がなかったので。幸いにも上手く着水し、釣果を待ちながらも己が内面を旅する時間が始まった。
夏の間は寝子島へ滞在することにしている。普段は東大生だ。勉学に学生同士の交流にと多忙を極める日々に、修の鉄の精神とて疲弊する。もちろん帰郷してなお参考書を手放すことは無かったりするのだが、それでもやはり寝子島の緑豊か、薫る風、気さくであたたかな人との交流は修の固く凝った身も心も解してくれた。
あおいもまた、遠く離れた九州で頑張っていることだろう。そして修と同様、さぞ疲労が溜まっているだろうことは想像に難くない。彼女はすこぶる努力家であり、それが故に自身の状態には無頓着であることが往々にしてあった。根を詰めすぎるのも良くないと幾度か説いてはいるが、なかなか自制しきれるものではないのだろう。数日後に顔を合わせたなら、めいっぱいに癒してやろうと思う。
「……おっ?」
ふと足元にぬくぬくとした感触を覚え、内なる旅から帰還する。みぃと鳴いた。猫だ。人懐っこいブチ猫がどうやら先ほど店主が語ったにゃー太だろう。
「昼飯をねだりに来たのかい。あいにくとまだボウズなんだ」
魚が連れたら海水へ浸した魚かごへ入れておくつもりだが、残念ながらそこには一匹の魚影もない。眉間のあたりを一撫でしてやり再び釣りへと戻る。
「お……うわ。いや、そこはちょっと。お、重いな……」
にゃー太は軽快に修の膝へ飛び上がり、するすると肩の上まで上るとくつろぎ始めた。共に釣果を待つつもりだろうか。一匹とて釣れるかどうかの保証もなくその点は申し訳なく思うも、ふさふさな猫の毛並みの感触や温もりが肌に感じられるのは悪くない。
「しばらく付き合ってくれるか? 相棒がいてくれるなら退屈せずに済む」
一声鳴く。了承の意味だろうか。魚を待つ間も暇を持て余しているわけではなくあれこれ考えを巡らせるのも楽しいものだが、猫の友が同じ時を過ごしてくれるならそれもいい。寄せては返す波間に糸はゆらゆらと揺れた。
しばしの後にはかごに数匹の魚が泳いだが、にゃー太の胃袋に収まるには少々大きすぎるし暴れて怪我をしないとも限らない。お腹を空かせた相棒には用意してきた特注の弁当から、猫も食べられるものを見繕って分け与えることにした。
「馴染みの料亭で作ってもらったんだ。どれも高級食材ばかりだからね、味わって食べるんだぞ。それで、どこまで話したかな? ああそうだ、あおいとは色々あってさ。俺の至らなさってやつなんだが……」
竿を握り時に振り上げながらに、修は己を吐露する。猫は聞いているやらいないやら、茹で野菜を夢中で頬張っている。
「なるべく気を付けているつもりなんだ。ただ時折、やっぱり彼女との感覚の違いに気が付くことがある。金に糸目をつけず、なんて彼女が一番望まないことだよな」
自身も鮭の切り身を頬張り、高級弁当の中身にはたと思い当たると神妙な顔を浮かべた。いや、弁当自身にもそれを調理した料理人にも罪はなく、適正な価格を支払いそれを購入した修にとて何らかの落ち度があるわけでもなく、まさしく感覚的な差異によるものだ。五人の弟妹を擁するささやかで忙しない大家族に囲まれ育った彼女の目には、修の金銭感覚はいささか浮世離れして映ったのだろう。
そうした差異を是正すべく心がけてきた修だが、まだまだ道は途上であるらしい。
「だから……彼女と過ごす時間が楽しみでありながら、不安もあるんだ。情けないよな。彼女を信じるべきなのに、嫌われたら嫌だなとかそんなことばかり考えてしまって……ん?」
気が付くとにゃー太の周りに数匹の猫が集っていた。彼の家族だろうか。それとも友人だろうか。いずれにせよ爛々と輝く瞳で狙うのは、修の手にある弁当だ。
「……塩分過多だからな、ほんの一かけらずつな」
返事があるわけでもなし、猫に相談するのも空しい……かと思いきや、何だか少し肩の重みが取れたような気もする。
修は微笑み、スマホを取り出すと猫たちをまとめて視界に収め、シャッターを切る。あおいに何とコメントを添えて送ろうかと考えれば心は弾んだ。
にゃー太は修を見上げ、どこかつまらなさそうに鳴き声を響かせる。何と些末な悩みだろうと笑い飛ばすかのようだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
NPC交流
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年08月31日
参加申し込みの期限
2025年09月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年09月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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