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ムーンライツ・ムーンドライブ II
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その日も熱帯夜であった。日が落ちてもアスファルトの溜めこんだ熱はどこへも逃がされず、何とも蒸している。
九州から戻ってきた
七夜 あおい
を
八神 修
がもてなし、暑いしそろそろ部屋へ向かおうかといったところだった。
「あれ。俺、タクシー呼んだっけ」
「呼んでないと思うけど……」
ぴたりと眼前へ停車した乗り合いタクシーから降りてきた女にはどちらも見覚えが無い。しかしどこか懐かしい空気感が漂うのは、寝子島を一時でも離れていたからだろうか。奇怪な現象の放つ特有の香りというものを、彼らの嗅覚が捕らえたのかもしれない。
「お迎えに上がりました。さあ、どうぞお乗りください。すぐに出発いたしますので」
修とあおいは顔を見合わせる。制帽に制服を身につけた女はおそらく初対面ながらこの流れには明確に覚えがあった。
いつぞやの夜
と同じようなものだろうか。あの時も始まりは唐突であり、しかし目の覚めるような新鮮な体験を味わった。
「さて、どうする? 興味はあるが、あおいが不安ならやめても……」
「乗ろう! 今度はどんなところに連れて行ってもらえるかな?」
すっかり好奇心に負けたらしいあおいに修は苦笑いしながらも、女の開けたタクシーの扉をくぐった。確かに修のカンが働かないこともない。きっと奇怪でいて心躍るような何かが見られるのではないか。
車の中には先客の姿があった。
水槻 清恋
に森谷 錠、前回も顔を合わせた彼らはあらためてその時と近しい現象であることを確信した。
「よろしくね。錠、少し詰めてあげて」
「OK、さあ乗って」
「ああ。ありがとうございます」
清恋らもまた脈絡なく乗車を誘われたという。正しくは錠が一人乗り込んでしばらく走ったところ、次いで清恋が乗車したそうだ。偶然と片づけるには良く出来た筋書きだろう。
修とあおいが乗り込むと車は静かに走り出す。
「今回は、『巨人の街』とやらを案内してくれるそうよ」
清恋が言うと修らはほうと興味深く頷く。
清恋や錠も望んで乗り込んだわけではないが、これからどんな不可思議が待っているやら、思い馳せれば自然と心は踊った。
「シートベルトをお締めくださいね、少しだけ揺れますので」
女が言うと乗り合いタクシーはいささかに加速し、窓の外には暗黒とまばゆき光条が交互に訪れた。
巨人の街は何もかもが巨人サイズ。当たり前のようでいて清恋は度肝を抜かれたし錠をしてあんぐりと口を開けさせた。一人一人が身長十数メートルにも達するのだ。体重などいかばかりだろうか。
「いらっしゃい。小さき人。予期せぬ客人はいつだって大歓迎だ。寛いでくれたまえ。ああ、踏まれないよう気をつけてな」
「はぁ……」
スーツを着てネクタイを締めている。ドレスを身に纏う者もいる。もう少しカジュアルな装いの者も。巨人といっても身体的構造は人間とそう変わらないように見える。気さくな彼らは巨大な街に住み巨大な足音を鳴らしながらに行き交い、それでいて地を這うような小さき旅人をこれでもかと尊重し、にこやかな笑みを降らせてくれる。路肩でコーヒーを売る巨人の青年は人間サイズのカップに巨大ポットから数滴を垂らし清恋と錠へ手渡してくれたし、親切な巨人のおじさんは目の当たりにすべき観光スポットをいくつも教えてくれた。
「ねぇ、錠。あれ、何なのかしら」
「さて……興味はあるが、聞いてもいいものかねぇ」
巨人たちは見るからに善人なのだろう。他意があるとは思えない。清恋も錠も異なる分野に身を置きながら、どちらも人を見る目には長けている。
その上で、どうしても気になる。目を逸らすことはひどく難しい。
「あの紐は何なのかしら……」
「まるで、そう。マリオネットのようだな」
巨人たちのいずれにも、指先から足先から、あるいは頭頂から伸びたピアノ線のような透明あるいは白い糸が伸びていた。糸はピンと張り空の向こうへ繋がっている。空はよくよく見れば作り物で、巨人の街はドーム状の空間であるようだが、天井の中央にはぽっかりとビルの数棟も飲み込むくらいの大きさの穴が開いており、糸はその穴から垂れているようだった。
こんなにも巨大な彼らでありながら、人形としてより上位の何者かに操作されているのだろうか。あるいは、糸は目に見えるだけで実体を持たず、彼らの運命があらかじめ決定付けられていることの暗喩なのだろうか。
「ねぇ。その糸は何なの? 取れないの?」
清恋は通りすがりの巨人を見上げつつ思い切って尋ねてみた。どうにも気になってしまうのだ。しかし巨人の口は明朗な答えを返すことなく首を傾けて言った。
「糸? 何のことだい? 僕たちの手足に……? はて」
彼ら自身には見えていないらしい。作り物の太陽が定められた昼と夜を表わすと作り物の空に糸は煌めくが、巨人たちにとってそれらは意識さえせぬことのようだった。
青空を模した天井の穴で束ねられる糸を見上げ二人首を捻っていると、錠がぽつりと言った。
「絶体絶命のピンチを乗り越えた人々が、遅れてやってきた死の運命に次々と命を刈り取られていく。なーんて映画があったよな」
清恋は眉を寄せる。思えば自分たちとて「運命のイタズラ」だの「定められた運命」だのと冗談めかして口にしたり、皮肉屋が己の不運を揶揄したりするものだ。人は誰しも抗えぬ運命に弄ばれているばかりなのだろうか。人を手繰る運命の糸など見えようはずもないが、異なる場所や観点から観測する者があったならば清恋を、あるいは錠を絡めとる糸が目に見えたりもするのだろうか。あの巨人たちが己を繋ぐ者の存在に気づかぬように。
錠は肩をすくめ、清恋はややぬるくなったコーヒーをあおった。
少なくとも清恋には気概があるつもりだ。己の運命は己で切り拓く。意地とも言えるかもしれない。強かな警察官である彼女は決して、運命を逃げ道や言い訳になどしないのだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
NPC交流
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年08月11日
参加申し込みの期限
2025年08月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年08月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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