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ムーンライツ・ムーンドライブ II
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蕩けるようなデートの帰り道、やってきたタクシーが異界へと案内した。実に寝子島らしい展開に修は思わず苦笑いするも、慣れっこだ。むしろ味わい深いとさえ思える。始めは警戒もありタクシーを降りるべきか迷うもあおいのほうが乗り気であり、結局そこらを散策してみることにした。
「せっかくだし、観光していくか」
「そうだね。怖い人たちじゃないみたいだし……巨人の街かぁ、私、やってみたいことがあったんだよね。ほら、小人になってケーキをお腹いっぱいたべるとか、フルーツゼリーのプールで泳ぐとか」
あおいが煌めく瞳で語る夢は子供じみていたが理解には及ぶ。誰しも想像したことはあるものだろう。修も幼少の頃には小さくなり愛猫の背に乗って駆ける冒険譚を夢想したものだ。
「でも、あの糸は何だろうね? 巨人の人たち、皆についてるみたいだけど」
彼らの手足や頭頂から伸び、ドーム状の空間の上部へ繋がる糸束は確かに目を引く。どうやら巨大な街を闊歩する巨大な彼らはそれに気づいてはいないようだが、巨躯の何倍も小さな修らの目には留まるらしい。不可思議ながら修は首を振った。
「彼らにとってはデリケートなことかもしれないし、やみくもに突いていいものではないかもしれない。郷に入っては郷に従え。彼ら自身が気に留めないことなら、俺たちも見ないことにしておこう」
「そうだね。あの運転手さんも何も言ってなかったし、ここでは普通のことなのかも」
街を歩む。小さな二人を見かけるといずれの巨人もが足を止め、踏みつけてしまわぬよう気を使い、気さくに朗らかに挨拶をくれた。建ち並ぶビルは巨大も巨大、一体どれほどの高さがあるのか見当もつかないが、一方で小人向けの施設や設備も充実している。巨人たちは時折訪れる旅人の存在をとても大切にしているらしい。
「ねぇ小人さんたち、自慢のパンケーキを試食していかない? ふわっふわでとろっとろ、食べてよし跳ねてよしの大満足よ!」
「跳ねてよし?」
頭上から降ってきた声に見上げると、フリルのついた可憐なコスチュームを身に纏う巨人の女性がにこやかな笑みを浮かべている。巨人たちのカフェであるらしい。
隣を見ればあおいの目は星が瞬くかのようだ。もちろん修とて興味はある。
「うわぁ……!」
三段重ね。チーズにブルーベリーソースがけの何ともゴージャスなパンケーキは巨人にとっての一口サイズで、二人にとっては椅子かテーブルくらいの大きさがあった。触れれば震える程に柔らかく、ナイフとフォークを入れるとまるで抵抗なくするりと切り分けることができた。いざ乗ったり跳ねてもいいと言われるといささか気後れしてしまうので、普通に食べることにする。
「美味しい! 大きいけど繊細で、ぜんぜん大ざっぱじゃなくて、甘くてふわふわで……し、幸せ~!」
「ははは。あおいの食べる様は、こちらも幸福になってしまうな」
と言いつつ修もフォークですくったパンケーキをソースにくぐらせ一口。思わず目を見開く。
その後も大いに楽しんだがさすがの巨人サイズ、完食することはできなかった。巨人の女性はそれをアタッシュケース程もあるタッパーへ詰めてお土産として二人へ渡し、最後に巨大で魅力的なウィンクまで贈ってくれた。
タクシーに乗り寝子島へ戻ると雨模様だった。錠は折り畳み傘を開き清恋をその内側に誘う。
「送るよ」
「ん……そうね。ありがとう」
今日の出会いは偶発的だったからこの後の予定は無い。明日も仕事だ。帰ったらすぐに眠ったほうがいい。しかし不可思議な夜のドライブにどこか身体は昂揚し、一人でベッドに潜りこむところを想像すると何だか寒々しい思いがした。
「ねぇ。錠」
「何だい?」
「お腹空いてない? 私、何か食べていこうかしら。良かったら……」
「付き合うよ。もちろん。月見で一杯、何てどうだい」
その言葉と笑みに、清恋は満たされてゆく。
「またのご乗車をお待ちしております」
運転手の慇懃な一礼を残し、乗り合いタクシーは去ってゆく。
「ふ~。今回も不思議だったねぇ」
「そうだな、しかし楽しめたよ。お土産ももらってしまったし」
「うん……お、重っ!」
タッパーに満載のパンケーキはしばらく楽しめるだろう。あおいは夏休みを利用して修の部屋へ連泊中だからちょうど良い。フルーツソースも分けてもらったが自作するのもいいかもしれない。修の想像は巡るしあおいのアイディアも尽きないことだろう。
「ほら修君、早く早く! 濡れちゃうよ~」
「ああ、荷物は俺が持つよ。お、重っ……」
タッパーは二人で急いで運びこんだのでそう濡れずに済んだ。
雫を垂らす雲の切れ間には月が浮かぶ。眼下を睥睨するかのようにまばゆく黄金に輝き街並みを己が色に染め上げている。例え路面に生まれた水鏡の中にあっても月は気品を失わず、雨に揺らいだとてその輝きを曇らせることはない。
雨水を跳ね上げ走る乗り合いタクシーの艶やかなボディもまた光に染まった。次の満月にもそうして寝子島を巡り客を拾うのだろう。タクシーはやがて街灯の灯りも月影も届かぬ夜闇の中へ走り去っていった。
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あとがき
担当マスター:
網 透介
ファンレターはマスターページから!
網です。
夜のドライブ、二回目でした。
都会の夜は明るいですが、それでも光に照らされない影の向こうには、奇妙な世界が広がっているのかもしれない。
なんて、想像します。
次があるなら、今回とは趣の違った不思議をご案内できればと思っています。
それでは、また次回に。
網でした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
NPC交流
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年08月11日
参加申し込みの期限
2025年08月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年08月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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