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営業開始とともに、フロアに初夏の夜がもちこまれた。活き活きとしていて、それでも無闇な躁状態とはちがう。夜気のおとずれを楽しむような。
ブルーのドレスに身を包んださゆるは、鏡の前で最後の仕上げを終えた。ここからのひととき、さゆるは『さゆみ』になる。
ほどなくして指名を受けた。常連のビジネスマン、穏やかな笑顔が売りの紳士だ。一日中数字と向かい合っている仕事だそうで、ここでの会話をとても楽しみにしているという。下品なところは微塵もないし、知らない世界の話だからか、聞き役に徹していても退屈しない。良客と言っていいだろう。
プロの仮面をそっと被り、フロアへ踏み出す準備をしていたそのとき、バックヤードの扉際にみちゃ子が立っていた。
「さゆみ様、わたくし、ヘルプで二十分ほどお供いたしますわ」
「ええ、よろしくお願いします」
何気なく返しつつも、既視感を覚えた。
あたしの初出勤も、たしかかこんな感じだったな。
お客様に顔を覚えてもらうのが先だったから。
夕顔さん、恋々さん、揚羽さん、あんなさん……色々なキャストについて、この世界の流儀を学んだ。やはり突出してすごいのは泰葉さんで、じゅんと組むのは楽だったけど、意外にも、一番やりやすかったのは沙央莉さんだった。沙央莉さんって、割とずけずけ言うほうだけど、あたしのなかにはない感覚というか、それでお客さんの心をマッサージしている風というか、むしろあたしがお客になって、沙央莉さんに揉んでもらいたいって思ったくらいで──。
フロアに出ると、みちゃ子の接客はさすがに洗練されていた。池袋界隈で磨かれたスキルというのか。客の冗談にオホホと笑い、手の甲で口元を隠しながら絶妙な相槌を打つ。過剰なアニメ声とキラキラの笑顔は、サッカリンをまぶしたような甘さだが、計算された節度が感じられた。酒を注ぐペースも絶妙で、いつの間にか常連客に、早いペースで杯を空けさせている。
さゆるは内心、感心する。だが同時に、みちゃ子の視線がときおり、じゅんのついたテーブルをちらりと盗むことにも気づいていた。
じゅんのこと、意識している。
敵愾心、それとも──?
営業が終わり、バックヤードは化粧の匂いと疲れの混じった笑い声で満たされた。
さゆるはブルーのドレスを脱ぎ、薄手のブラウスに着替えながら、鏡越しにフロアの余韻を振り払う。初夏の夜風が、開け放した窓から潮の香りを運んでくる。
「ラーメン食べて帰るべ」
と沙央莉が誘うのを、「明日早いから」と
泰葉
がかわして、「だったらあーしが行くっす!」とあんなが挙手する。「おめー連れて行くとおごり確定だろーが」と沙央莉は文句を言いつつも、どうやらまんざらでもない様子だ。
夕顔は保育所の迎えがあるので早々に店を辞し、
恋々(レンレン)
は、引っ込み思案な
NACCHI(成小 瑛美/なるこ・えいみ)
をついに、馴染みのバーに連れ出すことに成功したようだ。「マスターが超かっこいいよ、ホントよ」と楽しそうだ。
揚羽(烏魚子一紗/からすみ・かずさ)
はめずらしくアフターだという。「朝までやってるスポーツバーで、常連のみなさんとeスポーツ世界大会の鑑賞会でして!」などと鼻息を荒くしているが、どういう集まりなのかさゆるにはまるで見当も付かない。
「どうする? さゆみたちもラーメン行く? 豚骨背脂のギトギトなやつ。太るんだけど月イチくらいは行きたくなるんだよね」
沙央莉が声をかけてくる。だが、さゆるの注意は別のところに向いていた。
ロッカーの陰、空気が微妙に張っている。まるでそこだけ湿度が違うかのような緊張感があった。
「だから、あんた何企んでんの!? 寝子島まで追いかけてくるとか、ストーカーかよ!」
じゅんの声だ。
「まあ、お姉様ったら。わたくし、こんなにお慕いしておりますのに~。まみ☆みちゃシスターズの復活、楽しみですわよね?」
「ふざけんな! 『プロムナード』でもやらかすつもりなら……」
夕顔はいない。泰葉も退店した。店長や、黒服の
ゴンザレス・東井
を呼んでいる時間もない。
あたしが、行くしかない。
さゆるはスニーカーのかかとを鳴らして歩き出し、ロッカーの陰、対峙するふたりの間へと割って入った。
「落ち着いてよ、じゅん。みちゃ子さんも、あまりじゅんを刺激しないでください」
「“じゅん”?」ギラッと、みちゃ子が鋭い視線を走らせた。ダイヤの破片が閃くように。「おれにこんな呼び方、ええよて言うたことなかったよな? まみ子」
みちゃ子の口調が一変した。テレビで聞くような大阪弁とは、どこか雰囲気のことなる関西イントネーション、一人称なんて「おれ」だ。迫力がありすぎて、さゆるは一瞬たじろいだ。
だがそれに対して、じゅんはニヤリと笑った。
「当たり前でしょ。さゆるとあんたじゃ、格がちがう」
なんやて……と気色ばんだみちゃ子いや宮小路美沙をさまたげるように、さゆるの口を言葉がついて出た。
「あの、食事でもして帰りません? 三人で」
我ながらひどく唐突だった。でも、それしか思いつかなかった。
二十四時間営業のファミレス。
ドリンクバーのコーヒー、ジンジャーエール。さゆるとじゅんのグラスの中身だ。
だがみちゃ子だけは一人、深夜割増料金のかかるワイングラスを手にしている。しかもラージサイズの。
席は、さゆるとじゅんが隣同士、みちゃ子はその正面のポジションを取っていた。
「それでは三人の友情を祝して、乾杯★」
浮かれた声で宣言したわりには誰ともグラスを合わせず、みちゃ子はひとりでワインをあおった。一息で乾して、勢いのままに言う。
「ま、今日一日見ていて、なんとなく気づいてはおりましたけれど……さゆみ様と、まみ子お姉様は、『そういう』ご関係なんですのね?」
「そうだよ」じゅんはあっさり肯定した。「店でも公認だからね。一応、言っとくけど」
「ふーん」
みちゃ子はわざとらしく首をかしげ、顔をのけぞらせるようにして言った。
「でもお姉様、わたくしたちの“関係”については、さゆみ様にはお話しになっておられないようですけれど」
「関係なんてない」
「そんな、ひどい……。あんなにも深く、熱く、蕩(とろ)けるほどに愛し合ったというのに……」
まみ子はみちゃ子を丸きり無視して、さゆるの手に自身の手を重ねた。
「何年か前に一度、バカ酔いして意識がなくなったとき、朝起きたらあいつと裸で同じベッドに寝てただけ」
あいつのタワゴトに惑わされないで、と念押ししてつづける。
「隠してたつもりはないよ。あたしの中ではカウントにすら入ってないから。ていうか、マジで記憶ないし」
みちゃ子は身を乗り出して、無理矢理ふたりの視界に入ってくる。
「でも、お姉様……キスしてくださいましたわよね?」
「あんたが勝手に口を押しつけてきただけでしょ! 舌まで入れて!」
あきらかにじゅんは迷惑そうだ。言葉でも態度でも、それは明白だ。
それでも、さゆるの胸に渦巻くものがあった。
モヤモヤ、ザワザワ、言葉にならない、黒くて醜いものが。
──この人は、あたしの知らないじゅんを知っている。
じゅんは嫌がっているのに……でも、どこか、楽しそうにも見えてしまう。あの人と、あたしとは絶対かわさないたぐいのやりとりをしてる。あんなに丁々発止の。
これは嫉妬だ。
否定はできない。
「ところで、あなた」
みちゃ子がさゆるに笑みかけた。唇の端が、ほんのわずかゆがんでいる。
「まみ子お姉様と、何度身体を重ねましたの? 昨夜も愛しあったのでしょう?」
「そ……そんなこと聞かないでください!」
バン、と椅子の脚が床を打つ音が響いた。
さゆるが思わず立ち上がったのだ。顔が赤く染まっている。
図星だったから。
「おかわり、入れてきます」
とりつくろうように言い捨てて、ドリンクバーへと歩き出した。
さゆるは自分の胸を押さえていた。
このまま、この店を飛び出したい。
逃げたい。
だけど……。
衝動と、懸命に戦っていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年07月20日
参加申し込みの期限
2025年07月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年07月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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