蛍屋敷からの脱出｜リアクション

蛍屋敷からの脱出

【エピローグ】

　数日後。
　蛍屋敷から、子供の骨が見つかった。
　骨は桐の箱に入れられ、『巫女様への嘆願書』なる書き付けが、一緒に入っていたという。そしてその書き付けから、骨が屋敷の者たちに「巫女様」と呼ばれて崇められていた少女のものらしいと、判明した。警察は、骨がかなり古いものであることから、事件性はないとしながらも、少女が監禁されていた可能性があると見ているようだった。

　これをニュースで知った紫と蒼は、思わず顔を見合わせた。
「これって、ホタルちゃん？」
　尋ねる蒼に、紫が肩をすくめる。
「かもしれないし、違うかもしれないわ。……どっちにしろ、放置されていた遺体が見つかったのは、よかったと思うわよ。きっと、無縁仏としてでも供養されると思うし」
「そっか」
　それを聞いて、蒼はホッとしてうなずいた。

　こうして、仙藤姉妹の奇妙な屋敷での体験は、幕を閉じたのだった。

このページにイラストを設定する