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はじめまして! ようこそ、わたしの時間へ
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たったひと駅。それも、目的地まで2kmほどの道のりであれば、見慣れた景色が流れていくはずだった。
「……えっ?」
なのに、
深倉 理紗子
が見たものは――思っていたよりもどことなく鮮やかな空と、くっきりとした輪郭の雲。
星ヶ丘駅を緩やかに出発したときには、海面も柔らかに輝いていた。春の光を含んだ姿が、冬のくすんだ色合いとは違うなと感じて、沖へと向かう高価そうなボートに麗らかな日和なのだろうと微笑んだ記憶さえある。
けれども今、眼前に広がるのは春と言うより……そう言葉にしかけた理紗子は、それとなくスマートフォンに目をやった。間違いなく4月12日、第2日曜日で4月の半ば。つまり、春で間違いない。
そっと胸を撫で下ろしたのを知ってか知らずか、隣に座っていた
深林 真瞭
が軽やかに笑う。
「もうすぐ初夏ね」
考えないようにしていたことを明言され、理紗子は恨みがましく真瞭を見つめた。そりゃあ、暖かくなってきたと自覚はあるし、仕事だって就学前検診などで忙しかった。これから新学期の健康診断も控えているし、日付感覚が鈍っているわけではない。
けど、どうしたって『時間として管理する』のと『季節として体感する』のとでは勝手が違う。
「……早いなぁ」
寝子島シーサイドタウン駅に到着し、休日の賑わいをすり抜けるようにして南口を出た。海浜公園の近くまで来ると、元気な子供たちはすでに半袖で駆け回っていて、理紗子も初夏が近いと認めざるを得ない。
「なんだか、追い立てられてるというか、取り残されてるというか……」
遠い目をする理紗子にとって、自身の誕生日は『ついこの間』だった。それが30歳という節目だったから強く印象に残っているのかはわからないが、少なくとも冬の真っ盛りである年末は『この間』ではなさそうだ。
「特に春って案外短いから。気づくと夏になってるし……けど、今日は絶対お花見日和!」
「ふふ、咲いてるといいわね」
そのために、朝から悪戦苦闘してお弁当を作ってきた。公園には遅咲きの桜があることも調べてあるし、桜のことはさほど心配はしていない。けれど真瞭は、わざとらしい溜息を吐いてしまうくらいには気になることがあるらしい。
「……私だって、もうちょっと時間があれば」
視線の先にある、理紗子の持つトートバッグ。悪戦苦闘をする羽目になった要因とも言える真瞭は、お弁当作りを手伝いたかったらしい。
「ね、帰りにスーパー寄らない? お弁当はりさちん任せだったし、夕飯は私が――」
「はいはい。それは、まーちゃんの戦果を食べてから考えようね」
くすくす笑って言葉を遮ると、理紗子は少し大きく一歩を踏み出した。大半は作り直したけれど、真瞭の自信作だってちゃんとお弁当箱に詰めてある。……まあ、そのおそらく自信作だろうものを見つけ出すのは、少なくない苦労をした。けれど、今朝の台所での光景を思い出せば、悪いことだけでもないかもしれない。
得意なことと苦手なこと。人なのだからあるのは当然だし、分担して行えればいい。……だというのに、なぜか今朝の真瞭はお弁当作りの手伝いを申し出てキッチンへ立っていた。
普段は外食かテイクアウト、本人も料理が苦手だと自覚済み。それでも、作ってもらうことが当たり前と思わない心意気は素晴らしく、真瞭の美点だと理紗子も感じている。
ただ、ここには誤算があった。手伝うと言ったからには、何か手伝えることがあるのだろう、と。いくら苦手といっても限度はあるし、どこか成人女性としての常識を当てはめてしまった理紗子は疑うこともせず。むしろ一緒にキッチンへ立てると、浮き足だっていたところもある。
ところが――真瞭の苦手は、少なくとも理紗子の想定した限度を超えており、キッチンは悲鳴に包まれた。
「りさちん! これ、卵の殻が入っちゃったんだけど、すばしっこくて」
「え、フライパン使うんじゃないの!? 煙出てる!」
「お湯を切るだけでしょ? それくらいなら……」
「水出してっ! お湯を直接流さない!!」
「りーさーちーんー! おにぎりが潰れてちっちゃくなるんだけど?」
「もうそっちは朝ご飯でいいから……残りは絶対に手をつけないで」
追い出されることはなかったけれど、後半になるほど真瞭の出番はなく置物状態。かろうじて手伝えたのは、溶き卵をザルで漉して炒り卵を作れたことと、茹でたジャガイモをマッシュしたこと。それから
つまみ食い
味見係を全うしたことだろうか。
散々な『お手伝い』を思い出して、真瞭は吹き出す。胸を張って邪魔をしていないとは言いにくい状況だけれど、理紗子は全てをカバーしてくれた。
「ねぇ、りさちん」
「なに?」
伝えたいことはいっぱいある。けれど、改めて言うと照れくさい気がして、真瞭は悪戯っぽく微笑んだ。潮の香りを吸って、やっと見えてきた桜に目を奪われたフリをして……急かすように理紗子の手を引く。
「いい場所取ろうねっ」
無邪気に笑う子供たちにも負けない弾んだ声は、理紗子にどう聞こえただろう。
晴れて良かったね、とか。お花見楽しみだね、とか。それから――いつもありがとう、という気持ちも、少しだけ込めて。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
8人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年07月28日
参加申し込みの期限
2025年08月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年08月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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