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ドライフラワーや乾燥ハーブの入った瓶に、スプーンやピンセット。
今回作るモイストポプリとネイルオイルの説明をしながら、
稲積 柚春
は準備を整えた。
「それでは、本日はよろしくお願いします」
緊張気味に一礼すると、2人の『生徒』はにこやかに拍手で迎えてくれる。
そう、今日の柚春は『先生』だ。趣味で気ままに作るのとは違うし、ただ手順を教えるだけでもない。
(できるだけ、精油にも興味を持ってもらえて……楽しんでもらえるように)
ちらりと
ウォルター・B
の様子を見れば、すでにワクワクと道具を眺めているし、
メアリ・エヴァンズ
も小さなメモ帳を手元に置いている。大人な2人だからこそ、冷やかすことなく協力的なのだと思うが、だからと気を抜けるわけでもなかった。
緊張で汗ばむ掌を握りしめたくなりつつ、柚春は精油の小瓶が入った木箱を開ける。キャップにシールが貼られ、整列した精油はひと目で花、柑橘、樹木と種類がわかるようになっていて、ウォルターは興味深げに身を乗り出した。
「まずは、香りを試してみましょう」
確認するときは、蓋についた残り香で十分なこと。その上でより知りたければ、瓶の口を軽く仰ぐように。
決して瓶を直接嗅がないようにと注意して、まずは2人に精油と触れあってもらう。
「へえ、こんなに違うんだねぇ」
次々と蓋を開け、子供のようにはしゃぐウォルターと違って、ひとつひとつ丁寧に確認するメアリに、柚春の緊張も少しばかり肩から抜けていく。
すると、今度は興味をもってもらうための小話にと思っていた話に熱が籠もってしまった。
「今回は作らないけど、石鹸やルームスプレー、入浴剤なんてのもできるんですよ。お掃除にも使えて……」
良い香りをさせるだけではなく消臭効果があるので掃除機に仕込んでみたり、虫の嫌う香りで仕上げ拭きをすると一石二鳥だとか。魅力を語る柚春は生き生きとしているし、掃除に活かせると聞けばメアリも熱心にメモを取るけれど、家事をしないウォルターはクスクス笑うばかり。
「それで、今日は何を作るんだっけ?」
「あっ! ええと、話を戻しますね」
鼻をリセットするのにコーヒー豆を使うよう勧めて、2人の気に入った香りで作業を進めていく。
精油の小瓶は振らずに、滴るのを待つこと。塩やハーブと混ぜ合わせるときには、しっかりと混ぜること。
零しても大丈夫なようにトレイも敷いているからと言えば、ウォルターが遠慮なくハーブをスプーンに山盛りひとすくい。
「おっと……さすがにこれは、取り過ぎたかな?」
「少しずつ足さないと、混ぜるのも大変だけど仕上がりもわからなくなっちゃうよ」
呆れながら、予備の小皿を出した柚春はハーブを少し避けて、混ぜるのを手伝う。すくって、軽く抑え、またすくいと繰り返し、塩の馴染みが落ち着いたところで目線を彼に戻すと、ウォルターが満足そうにこちらを見つめている気がした。
「凄いねぇ、さすが『先生』だ」
鼓動が跳ねたのは、慣れない呼び名のせいだろうか。それとも、彼の屈託ない笑みが可愛すぎるせいか。
抱きつきたい衝動に駆られながら、柚春は平静を装ってメアリの様子にも気を配った。
ちょうどサンプルを見ながら細い瓶にドライフラワーを詰め終わったところで、キャリアオイルの瓶をしげしげと見つめている。
「精油とキャリアオイルの割合は決まっているんですが、それさえ守れば好みで選んでくださいね」
サラッと伸びの良い物、しっとりと保湿力が高い物。ネイルオイルを使うタイミングが仕事前のスイッチなのか、仕事終わりのリラックスなのかによって、求める効果や香りのイメージも変わってくるはず。
でも、たくさんある精油の効果を1度に覚えることは困難だし、薬のように決まり切ったものとして接するのも味気ない。だから柚春は、2人が選んだ好みの香りを、もっと好きになってもらえるようにサポートする。
「……こうやって、誰かの背中を押したり寄り添えることをしたいんだ」
自然と漏れた言葉は、音となって響くと少しばかり照れくさい。
けれど、熱くなった頬は、何より本気で取り組んでいる証拠。だから柚春は誤魔化さず、むしろどこか誇らしげな顔で微笑んでみせた。
「今はまだ夢だし、香りの仕事にも色々あるけど……その一歩を、2人に協力して貰えて良かった」
すると2人の生徒は驚いたように目を瞬かせ、ふっと柔らかく微笑む。
手元には彩り豊かな瓶が完成し、春の陽気に溶けこんだ精油の香りと相まって穏やかな空気が流れる。
「協力だなんて……わたくしにも興味を持てるよう、お話ししてくださったのは柚春さまですよ」
「そうそう。合わせてるんじゃなくて、ちゃんと楽しめてるんだから自信もたないと」
この講座は、おままごとではない。ちゃんと柚春が胸を張って「最初の一歩」と言うに相応しい内容だった。
褒めてくれるだけでなく、次回も楽しみにしていると言われては、柚春も感極まって言葉が出てこない。
その様子を見て、メアリがお茶の準備に席を立った。
必然的にウォルターとの2人きりとなり、柚春は道具の片付けをしながらも意識は彼へと向いてしまう。
率直な感想を聞いてみたいし、人に教えるコツも聞いてみたい。……やり遂げた達成感から、甘えもしたい。
そのどれもを叶えるために、柚春はそっとウォルターに身を寄せて、軽く腕を絡めた。
「これからも、僕の一歩を見ててね」
願いを込めた視線。返事代わりに、彼が何をしたかというと――。
窓から吹き込む春風だけが、知っている。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
8人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年07月28日
参加申し込みの期限
2025年08月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年08月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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