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音喫茶『琴線ムーシカ』
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学校の先生に憧れている。
倉前 七瀬
、目下の目標である。ただの先生ではない、司書教諭だ。己が夢といってもいい。その夢には二重の意味が籠もっていて一つはシンプルに教師となり生徒と触れ合い導く自身の姿を夢想すること。そしてもう一つの憧れと言えば、つまるところ快く相席を承諾してくれた彼のことだ。
「ウォルターさんも誘えば良かったなぁ、って思ってたんです」
「ははは。何だかよく会うよねぇ、僕たち。相性がいいのかねぇ」
ウォルター・B
はいかにもクラシックなロングスカートを身につけたメイドが運んできたコーヒーに余裕綽々、「ありがとう」と礼を述べた。七瀬が同じように注文の品を受け取った時などはいささか、どぎまぎして挙動不審気味であったというのに、我らがウォルター先生の落ち着きようときたらどうだ。
目について足を踏み入れた音喫茶とやらに見つけた彼こそが、七瀬の憧れなのだ。ウォルターは司書教諭でこそないが教師として彼の抱く矜持、能力、立ち居振る舞い、いかなる時も崩れない涼やかな態度、その全てが七瀬の理想を刺激しいつからかすっかり上書きしてしまった。彼のようになりたい。ウォルターと七瀬のタイプは正直なところ随分と異なるが、見習うべきは多いだろう。
「偶然見つけて入ってみたんだけど、なかなか良い店だねぇ。七瀬は? どこで知ったんだい」
「ねこったーで見かけて、気になったので来てみました。音喫茶、なんて興味が湧くやないですか」
「うん、やっぱりそうだよねぇ」
小気味よくも落ち着いて穏やかな店内BGMへ耳を傾ける彼の肩は小さく揺れていた。そんな様さえ絵になるのだ、この高校教師は。憧れるなというのが無理な話だ、全くもって。
かたんと皿が卓に置かれ、メイドが一礼した。
「ホットケーキのお客様? そっちね、お待ちどうさま~。じゃごゆっくり」
カウンターの向こうで至極慇懃な所作の執事や美麗なロングスカートのメイドと比べて、ミニを履いたもう一人の彼女は少しばかりぞんざいだ。吊り上がった目尻に気持ちと意思の強さを感じる。アルバイト店員だろうか、接客態度はいまひとつで☆二つといったところだが、そんな少女の足取りも流れるジャズに揺れていた。どうあってもここは「音喫茶」であるらしい。
その証にか、天井近くのスピーカーが次に奏で始めたのは、七瀬にとって聞き覚えのある旋律だった。
「あ、これは……」
「うん? ああ。『野ばら』だね」
「たしか、シューベルトの」
コーヒーを含みながら、ウォルターはうなずいた。
ゲーテの傑作たる詩に付けられた曲はいくつかあるが、ヴェルナーしかりシューベルトしかり、七瀬にとってそれは音を伴うものではなかった。少なくとも少年の折は読めもしない得体のしれぬ謎の五線譜としての印象に留まっていた。七瀬の内において実体のない想念の歌に過ぎなかった。それが具象化し己の中に花開いた瞬間を、今でも覚えている。
「うちの親が、教えてくれたとです。これはこんな曲なんだよって。弾いてくれたんです」
「へえ、君の親御さんは楽器が弾けるのかい。素敵だね」
「はい。昔から本はたくさん読んでたけど、楽譜は読めなくて。音符ってよく分からないじゃないですか? それが音として聞こえた瞬間、すうって自分の中に入り込む感覚があって……」
曲に歌詞がつけられているのを知ったのは、それからもう少し後のことだ。
「なんというか。情熱的? 奔放? うう、上手く説明しきらんのですけど……」
「はは、少年七瀬にはゲーテの言わんとするところは伝わらなかったわけか。まぁ無理もないよねぇ、あれって要するに恋文なわけだし」
それを教えてくれたのも親であったが、男女の繊細な慕情の何たるかにまでは幼い七瀬の理解が及ばなかったらしい。それでも奇々怪々なオタマジャクシに音が宿り、心内で軽やかに踊り始めるあの体験は色鮮やかなまま七瀬の中へと残り今もって響き渡っている。
スピーカーから流れる野ばらは程なくフェードアウトしていったが、残響は七瀬のまぶたの裏へ形となってしばし残った。
「……二人は僕にとって、つまり、教師だったんです。仕事は全然違うけど、先生っぽかったんです」
「それが、君が教員を目指すきっかけになってるわけだね。実は小さい頃からの夢だったんだ」
「今思うとそうかもしれません。でも当時はそんなこと、思ってもみませんでしたよ? 明確になったのは、最近です。きっかけはやっぱり、ウォルターさんですから」
気まぐれにホットケーキを小さくカットし、彼の口元へ運んでみた。ぱく、と頬張る。「それはそれは、光栄だね」と彼は含みなく笑った。こんな風に笑える教師になりたいと思う……がしかし、今の彼の笑みは生徒へ向けたものだろうか。それとももう少し親しく、深く繋がり合った相手に垣間見せる信頼や慈しみの現れだろうか。
「ううむむむ」
「あれ、何だい、難しそうな顔をして」
「確かに、はい。難しい問題ですねー」
小首を傾げたウォルターの口へもう一かけら、ホットケーキを突っ込んでやった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年06月28日
参加申し込みの期限
2025年07月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年07月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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