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芽吹く約束。預けた想いの向かう先
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どこか神聖な気持ちに包まれながら、2人はお弁当を広げる場所を探していた。
こんな気分の時は、1番景色の良いところでと思ったけれど……全てが、輝いて見えてしまう。
広く海を見下ろせるベンチ、満開のモッコウバラのアーチの傍。よく晴れたこんな日は緑溢れる九夜山も空とのコントラストも素敵だし、シーサイドタウン方面だって遠くまで見下ろせる。
そもそも、こうして隣にいられれば、どこだって素敵に見えてしまうのだから仕方がない。
どうしようかと思っていると、鳥の鳴き声が頭上を通った。視線をやれば、働き者のツバメが仲睦まじく空を駆け、ポピーやマリーゴールドの咲く花畑の上で急旋回。また緩やかに飛び去っていく姿を見て、2人は顔を見合わせる。
「あの辺りにしようか」
「そうですね、お勧めかもしれません」
道から少し外れ、花畑と海とを贅沢に見渡せる場所にレジャーシートを広げれば、その上にも綾花の愛情が咲き誇った。
小さなひとくちおにぎりは、鮭と枝豆、たくあんと白ごま、しらすと梅を使って彩りよく。卵焼きやポテトサラダのハムだって、ちゃんとハートの形に整えてある。
今日のために用意した特別仕様は、珪を驚かせることができただろうか。「どうぞ」とお箸を差し出して様子を窺えば、照れ笑いを浮かべて受け取ってくれた。
「すごいね、早起きしてくれたんじゃない?」
「ほんの少しだけです。でも、卵焼きのハートの作り方、実は色々あって今朝まで迷ってて……」
工夫したこと、料理の苦手な珪でもできそうなこと。綾花の話に耳を傾けながら、珪は今日のお茶を淹れてくれた。紅茶のように赤い水色からは、僅かに甘やかな香りがする。
「今日は、カモミールフレーバーのルイボスティーにしたんだ。この近くにも、咲いてるかなと思って」
けど本当は、パッケージに書かれた『マリアージュ』という言葉に惹かれて手を伸ばしてしまったらしい。ワイン好きな彼っぽいエピソードで、思わず綾花もクスクスと笑う。
のんびり箸を進める間も、話題が途切れることはなかった。毎日会えなくなった分、こうして顔を見て話せることが嬉しくて、些細なことでも伝えたくなる。
それでも、やっぱり綾花が1番聞きたいのは――今年の夏のこと。何気ない風を装って、まずは本題のための足がかりを掴む。
「そういえば、夏の旅行……もう予約できる時期ですよね。色々、パンフレットも集めたんですよ」
まだ詳細を話し合ってはいないけど、北は北海道から南は沖縄まで目移りしながら考えた。
恋人となって初めての旅行。学生時代の遠足や修学旅行とは違って、ずっと一緒に過ごせる時間。
「何をするか迷うよね。景色を見るのか、アクティビティを楽しむか……お祭りとかもあるだろうし」
「あ、それなら……! ねぶた祭とか、迫力ありそうですよねっ」
テレビでも取り上げられるくらい、大きな祭り。開催地は、珪の実家がある青森だ。
やや面食らった顔をした珪は、綾花の言わんとしていることを察し、「あー……」と視線を逸らしながら頬を掻く。じわじわと赤らんでいく横顔に、何を、どこまで考えてくれたのかと綾花の胸も熱くなった。
「やっぱり一度、ご挨拶はしたいと思ってたので」
「それは嬉しいけど……そういうのはこう、なんというか」
ちらちらと落ち着きなく綾花の様子を窺い、「嫌じゃないんだけどね」と前置きして。お茶のおかわりを注ぎながら、珪は困ったような顔で笑った。
「……早くない、かな」
まだ付き合って、ひと月だ。旅行に行く頃だって、半年も経っていない。
それが短いと思うか頃合いと思うかは、きっと人による。青森に行く『ついで』があるのなら、気軽に行ける距離ではないからこそ、予定に組み込むのも悪くないだろう。
けれど、挨拶をするとなれば、もちろん『責任持って交際している』と宣言するようなもの。当然、珪は自分の親から年若い綾花を捕まえたからにはと覚悟の旨を聞かれるはず。
そんなとき、どう答えるべきなのか――答えてしまっていいものか、悩んでしまうのだ。
「ごめんなさい。私の両親が、珪さんとのお付き合いの報告をしたら喜んでくれたから」
苦笑する綾花は「焦り過ぎちゃいました」とお茶に手をのばし、ひと息ついてから「それでも」と切り出す。
「いつか、私の両親にも会ってもらいたいです。きっと、楽しみにしてると思います」
それを聞いた珪は、ゆっくりと弛緩するように空を仰いだ。大きく息を吐き、ぽつりと呟く言葉は海風にさらわれてしまった。
「珪さん?」
「いや……緊張してたのは、僕ばかりかもね」
理由を聞いても詳細は頑なに教えてくれない。答える気が無いと言うより、今は珪の中で恥ずかしさが勝っているらしく、照れ笑いを浮かべたままだ。
「私だって緊張してますよ?」
誰にも聞こえないとわかっていても、綾花はそっと珪との距離を詰める。耳元に唇をよせ、か細くなりそうな声が彼にだけは届くように願いこっそりと。
「と、泊るのは同じ部屋でいいですか?」
その瞬間、珪が咳き込んだ。
水も飲んでいないのに器用にむせて、肩を上下させる彼を見て、綾花は思わず笑ってしまう。
「心の準備、しておきますね」
同じ部屋であってもなくても、すごく緊張する旅行になることは間違いなさそうで。ここへ、先の珪の緊張まで聞いてしまったら、キャパオーバーになるかもしれない。
今ははぐらかされたフリをして、旅行の帰りか落ち着いた日にでも聞いてみよう。きっとそのときは、笑い話にて話してくれるはずだと、心のメモに書き込んでおくことにした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年06月20日
参加申し込みの期限
2025年06月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年06月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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