this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム /
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
芽吹く約束。預けた想いの向かう先
<< もどる
1
2
3
4
5
つぎへ >>
恋人宣誓書の受付は、猫恋の鐘の近く。
だから、道なりに進まず途中の小さな階段を上ってしまえばすぐだけど……2人は花畑に続く大きな道を進んで笑っていた。
小道を甘く香らせるツツジ、新緑が目立つ中で白く化粧を施したようなヒトツバタコ。目に付く物を感じたまま共有し、時に思い出も振り返れば丘を登り切るのはあっという間だ。
「覚えてますか? 私が渡したコスモスの色」
今はビオラやネモフィラが植えられている花畑を見ながら、綾花は懐かしそうに目を細める。
残暑の厳しかった去年。秋の花は晩秋まで見頃が続き、この丘ではコスモスの日から少し遅れてイベントが行われた。
「その日だね、綾花さんが1人でも恋人宣誓書を書いて出すんだって」
クスクスと笑った珪も、恋人じゃなかったあの日を振り返る。
ただの土産物とわかっていたのに、『宣言に嘘偽りがないと誓うもの』だから書けないと言った。今は違うよねと含みのある言い方をして、自分から預かった……綾花の気持ち。
「私の想いは、あのときと変わりませんよ」
「そっか。綾花さんって……意外と大胆だよね?」
薄く口角を上げて微笑めば、綾花は頬を赤らめた。隅々まで読まれた恋人宣誓書に、何か恥ずかしいところがあったのかと思っているのかもしれない。
――あの頃の彼女は、まだ『先生』と呼んでいた。
けど恋人宣誓書の中では『珪さんを幸せにしたい』と綴られていたのが印象的で、他の項目でも彼女のはにかむ顔が簡単に思い浮かぶくらいは、多くの気持ちが込められていると感じたのを覚えている。
(そんなだから……僕は、期待するんだ)
偽りない想い。それを誓えると言った彼女から手渡されたのは、ピンク色のコスモス。
「ま、待ってください! やっぱり、出す前にもう一度確認を」
「変わらないんでしょう?」
「それは、そう……ですけど! もし書き間違いとかしてたら恥ずかしいですし」
一緒に見直しましょうと縋る綾花が可愛くて、思わず珪は声をあげて笑った。
いつでも必死で、どんなときでも真っ直ぐに伝えてくれる綾花の気持ちに、誤字なんてあるわけがない。
「じゃあ……間違ってなかったら、僕が貰っていい?」
「え? それは、いいですけど……将来的には2人で大切に保管できたら、とは思ってますから」
ぽかんとしている彼女はきっと、どうして今度は『貰う』なのかがわからないのだろう。それは、これが言い間違いではなくて――珪がコスモスのことを含めて聞いていたからだ。
あのときは『預かる』とか、『ありがとう』とか、当たり障りのない言葉しか言えなかった。
顔を見れば深い意味づけがあることを察しはしても、そういうイベントだものねとコスモスを受け取ることが精一杯で、何もできなかったことを悔やんでいる。
「……調べたよ、花言葉」
もし本当に、綾花が気持ちは変わらないと言ってくれるなら、今度こそ正面から受け取りたい。
ピンク色のコスモスに込められた全ての想いを、『乙女の純潔』という花言葉ごと、全部。
(幅広い意味があると思うけど、綾花さんはどこまで込めてくれたかな)
純粋な想い、……それとも。自分より勇気のある綾花が込めてくれた想いを、全てをわかっているとは言えないだろうし、今更と思われても仕方がないけど――それでも今日は、誓う覚悟を決めた日だから。
「確かに受け取ったって……大切にするって、伝えたくて」
照れくささに負けそうになりながらも、これだけは堂々と伝えなければと真っ直ぐに顔を上げる。
もう、雨に負けて項垂れる若葉のように下を向いていたくない。
そっと傘を差しのべ傍に居てくれた綾花に、悲しい顔をさせたくない。
今度こそうやむやになどせず、胸を張って――ちゃんと綾花に伝えたかった。
「綾花さんも知っての通り、僕は年齢ばかり重ねて足りない部分もあるけど」
不格好でも立ち上がれるように根を伸ばし、その目線まで追いつくのには時間がかかってしまうだろう。
どこまでが彼女に受け入れられる想いで、どこからは大人として遠慮するべきことなのか、判別がつかないほどに経験値が低い。
「それでもね、ちゃんと……っていうのもおかしいな。綾花さんが好きだって、しっかり言いたかったんだ」
恋人宣誓書を出す前に。この気持ちが宣誓に値することを、きちんと聞いて欲しかった。
猫神や天女より、誰より先に伝えるべき綾花には、少し格好付けた文字ではなく、拙くても自分の声で届けたかった。
「珪さん……」
「ははっ、決まらないよね。気持ちを固める時間をくれたのに、格好良いことなんて言えなくて」
ふるふると首を横に振る綾花は、頬を赤らめていた。
感極まって目元が潤みかけてしまうが、それだけはダメだと小さく深呼吸をして。
嬉しさと、少しの照れくささと――それから、ようやく迎えた春の終わりに、微笑みが咲いた。
「私も、珪さんが好きです。ずっとずっと、変わりません」
それから、と真剣な顔でもうひとつ。
「珪さんはいつだって格好良いですっ!」
今だってドキドキが止まらず、顔の火照りが引かない。これでは、受付に出すとき変に思われないだろうか。
可愛らしい心配をする綾花を笑い、手を引いてゆっくりと丘の外周を巡りながら受付を目指す。
誰かを祝福する音が優しく響き渡るのに、2人は互いの声しか聞こえないくらい笑顔を重ね合っていた。
<< もどる
1
2
3
4
5
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
芽吹く約束。預けた想いの向かう先
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年06月20日
参加申し込みの期限
2025年06月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年06月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!