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君と旅して。ふたりの春は、最果ての白波にほどける
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夕暮れに急かされても、宿への帰り道は下り坂。
1日がかりの大冒険のあとでも、食事の時間に遅れず戻ってくることが出来た。
身体に残る心地よい疲労と、日焼けだけではない火照り。鎮めるために、少しだけ互いの部屋でゆっくりする時間を取ってからなら、食堂での作戦会議だって弾む。
もちろん内容は――この旅で1番楽しみにしていた、星の海へのダイビングだ。
「……すごい。こんなに……」
2階建ての宿の屋上。
都会の高層ビルなんかより低いのに、空への距離が近い。深くベンチに座って空を仰げば、見知った星座も目に飛び込んだ。
目の前に広がる、白砂をこぼしたみたいな星々の帯は、まさに『星の海』と呼ぶにふさわしい。
「肉眼でも凄いけど、はい」
「えっ、これって……何か持ってるなぁとは思ったけど」
また修のことだから、冷たい飲み物やタオルなんかを持ってきてるのかと思ったら、双眼鏡が飛び出てきた。
それも、ご丁寧に星空観賞用の倍率に合わせた、専用のが2つ。
「こういうときは、1個で交互に見てもいいんじゃない?」
「悪くないけど……それだと星より、あおいが星に見とれてる様子がよく見られそうだね」
クスクス笑えば、間抜けな顔をするものかと口をしっかり閉じて、双眼鏡を覗く。でも、そんな意地を張っていられたのも最初だけだ。
「すっごく近く見える……! え、本当に? えっ!?」
「でしょ? これ、今夜のために用意したんだ」
何度も何度も肉眼と双眼鏡の中の世界を行ったり来たりして、夜空を堪能する。そんなあおいは、屋上に繋がる扉を開けたときのように感嘆の息を吐き、きゅうっと宝物のように双眼鏡を胸元で抱きしめた。
「なんか、凄いしか言えないんだけど……」
「それでいいんじゃないかな? 400文字詰め原稿用紙10枚に感想を纏めよって言われても、ね」
「あはは、何そのたとえ! 夏休みの宿題?」
夜も21時を過ぎれば、部屋の明かりも、少しずつ落ちていく。
休む人もいれば、部屋から星空観賞をする人もいるのだろう。そうやって明かりがひとつ消えるたび、星への距離がぐんと近くなる気がした。
新月まであと4日。
有明の月は夕日が沈む前に休んだから、あおいの海色の瞳にも、瞬くたびに流星が宿るようだった。
「……俺があおいに紹介したかったのはあれ」
じっと見つめていれば引き込まれてしまいそうな美しさを前に、届くかどうかはわからないけれど。
南の空を指した修は、2人で見たかった星座を前に胸がいっぱいになる。
「日本の一番南の端っこまで来れば、ちゃんと見えるんだ」
南半球の国の国旗にも描かれてある、小さな星の十字架。ここまできてやっと、ほんの短い時間だけ浮かび上がる、南十字星。
地球が丸くて、日本が縦に細長くて、そして2人が波照間島に来たからこそ、出会えた光。
「だから、石垣島じゃなくて……」
「そう。石垣島より南で、より暗い夜を持つ島だからね」
遠い大航海時代には、正確な方向を知るために指標とされていた。だからこの十字架は、『人生という航海を導く海の星』なんて意味も込められている。
そんな豆知識を披露するのも水を指すだろうか。でも、彼女が迷い立ち止まるときには導になりたい。
言いかけ、躊躇い、それでも――。
「え、やだっ!」
やっぱり少し唐突で、重い言葉だったかと重ねようとした手を慌てて引っ込める。
けれど、まだ何も言ってないと思い至る頃には、修も状況を理解した。
水滴が頬に触れる。ぴしり、ぴしりと叩きつける冷たい感触は、どんどん強くなっていく。
「スコールか……!」
慌ててベンチから立ち上がり、屋上から避難する。扉をくぐる頃には、もう星の海は雲に隠されていた。
濡れた髪を払って、廊下の窓から外を見る。この様子だと、もう天体観測は難しいだろう。
「せっかくいいところだったのにね」
島の天気は変わりやすい。
あまりにも雲の発達も消え去るのも早いから、天気予報が当てにならないなんて話もあるくらいだ。
だからきっと、明日の船の心配はないだろうけど――どこか、不完全燃焼な気持ちも残る。
「そうだ、代わりに朝の海に行かないか? きっと早朝なら雨もやんでいるし、誰も踏んでない砂浜が綺麗で」
「気にしないでよ、天気のことだよ? 修君は何も悪くないじゃない」
ただでさえ今日も、島への移動で早起きをした。あおいだってゆっくり休みたいだろうし、無理をさせるのは得策じゃない。
……わかっている。なのに、こんなときでも気丈に笑う彼女に何もしてやれないなんて。
「修君も、とりあえず部屋で髪を乾かしてきたら? まだ今夜は時間あるし、少しだけ明日の相談してさ」
朗らかに笑って廊下を進むあおいが、修には何も気にしていないように見えて。
そこに少しばかりの温度差を感じてしまい、修は「そうだね」と力なく笑うことしかできなかった。
だけど、彼女だって考えていることは修と同じ。
彼を悲しい気持ちにさせたまま、旅行を終わらせたくなんてないと、ひとつの覚悟を決めたようだ。
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あとがき
担当マスター:
浅野 悠希
ファンレターはマスターページから!
この度はリクエスト頂きありがとうございました、浅野です。
今回は前後編でのシナリオということで、まずは2日目の夜まで!
少し駆け足な部分もありましたが、お楽しみ頂けましたでしょうか?
見て・触れて・香って・食べて・聞いて。最果てを感じて頂ければ嬉しいです。
次回ガイドは、
「君と旅して。ふたりの夏は、最果ての星空にかさなる」
として準備中です。
ご案内まで暫くお時間を頂戴しますが、その分よりドキドキする仕掛けを盛り込みますね!
後編に一体どうなるのか、私も楽しみにしています!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年06月03日
参加申し込みの期限
2025年06月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年06月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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